CABIN 2017

『第12回 ケビン集合』
〜 アメニモマケズ タイフウニモマケズ 〜
突行日 2017年 9月 17日




 ■ おわりに


過去のケビン集合において、悪天候により開催が危ぶまれたことは何度もあったが、気象条件としては台風が直撃した今回が最も過酷な環境であったことは間違い無い。


そんな状況下においても、終始笑いと歓声の絶えることが無かった12回目のケビン集合。


開催前より懸念されていた突行時間の大幅な縮小も、逆に言えば魚突きを午前中に限定させた事により午後からのスケジュール調整に大きなゆとりが生まれ、聖地においては今までに無い贅沢な時間の過ごし方を体験することが出来た。


結果的に、今回のタイムスケジュールは理想的だったのかもしれない。


与えられた魚突きの環境も、想定外に安全かつノンストレス。

結果的に、理想的な形となった。


思えば過去のケビン集合においても、開催前から開催中まで悩みの種は数多くあったが、どれもこれも結果的には理想的な形で幕を下ろしているのだ。


今回仮に台風上陸のタイミングが若干早まり、海に入る事が出来なかったとしても、ケビン集合は柔軟に形を変え、従来のものとはまた違った面白さを生み出していたに違いない。


そして結果的に、我々は理想的な形で聖地を去る。


それが、オレ達のケビン集合。




この素晴らしき夢物語の灯火が、

いつまでも消えることなく灯り続ければいいなと、

心から願う次第であります。




それでは最後になりましたが、改めまして、ダルさん。


とってもグレイトな御心遣い、この場を借りて御礼申し上げます。

第13回ケビン集合は、必ず聖地で会いましょう。












































































放送席、放送席。これより第8回KINGOFCABINを制しましたジュゴン選手のヒーローインタビューを行います。

ジュゴン選手、2年連続2回目の優勝、本当におめでとうございます。まずは今の気持ちをお聞かせ下さい。

「ありがとうございます!まずは私を支え続けてくれたモンゴルの友達にお礼が言いたいですね。バヤルララー!!!」


奈落を経験した後の、連覇達成。やはりあの一年は無駄ではなかったということになりますか?

「そうですね、正直あの時は現役引退を考えたんですが、、、う・・・(言葉を詰まらせる) やはり自分は土俵の上が好きなので、我が家の鉄砲柱に優勝を誓ってやり直しました。」


正直なところ、今年はどのあたりで優勝を意識、または優勝の確信が持てましたか?

「最後まで分からなかったですね。巡業中から納得のいく結果も出せていませんでしたから。今場所は幕下の取り組みが無かったので、理事たちの舌もフレッシュな状態での勝負になりましたしね。私の取り組みが始まるまでにスパイシーな技が土俵上を沸かせていましたので、そのあたりから蜂蜜とクリームチーズの諸手差しで勝負に出ようと意識しましたね。


前回優勝時は温情措置の冷凍キジハタを用いたという事で、聖地の公式ルールで認められたにも関わらず、心無い週刊誌などからは「温情チャンプ」「冷凍チャンプ」等と揶揄される言葉も聞かれました。しかし今年は文句無しの完全優勝。これで世間を黙らせることができますね。

「やはりKOCは日本の国技ですから理事たちや世間から揶揄されることは覚悟していましたね。おかげさまで二場所連続優勝することができましたので、ようやく国技のチャンプに相応しいとご納得いただけたのではないでしょうか。え?横綱昇進時の口上をここで言うんですか??

・・・乗揉不揉乗不

大陸から伝わる古い言葉です。
乗るなら揉むな揉むなら乗るな、という意味です。
女に縁のないホリエモン選手には特に響いたのではないでしょうか。」



さすがはチャンプ。深いお言葉をありがとうございます。
さて、では料理についての話に移りますが、今回はコンフィというKOCではこれまでにない新しい料理法を取り入れました。この辺の戦略的な狙いなどをお聞かせ下さい。

「これまでは差し手争いを制してガップリよつの形になる正攻法に美学を得ていましたが、昨年からは南米の外国人力士も幕内に入ってきましたので、立ち合いの変化から一気に詰め寄る強引な戦略に変えてみました。私の友人でもあるドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ君もよくやってたのでそれがヒントになりました。」


そうですか。ところで、今回はチャンプのお弟子さんでありますジン氏が初参戦となりました。料理人の経験があるとはいえ、さすがに弟子には負けられないという中で、結果発表では二人がファイナルまで残った。この時のお気持ちはいかがでしたか?

「まさか優勝決定戦で勝負することになるとは思いませんでしたね。彼とはよくモンゴルの話で盛り上がるのですが、あの時はそんな穏やかな感情にはなれませんでしたね。今すぐにでもチョッキ銛かカラオケリモコンで殴り合いたい気分でした。」


ちなみに今大会2番人気と前評判の高かったムル氏。前回は広島をディスり過ぎ、多くの広島票を獲り損ねました。全体として広島県民の参加者が少ない今回は、二年目にして早くもKOC制覇との声も囁かれましたが・・・、結果は奈落の底へ。これがKOCの難しさなのでしょうか?

「私の知人にタカノハ親方という人がいるのですが、「彼には基本が無い。」というコメントを寄せてくれましたね。だいたい神々が集う聖地の土俵にカレーパウダーなどもっての他ですよ。土俵には塩、ヤムチャは即死、カワハギは肝、乗るなら揉むな、揉むなら乗るな、そういうのが宇宙の基本なんですよ。彼のカワハギ料理に肝はありましたか?タカノハ親方はきっとそういう所を言いたかったのでしょうね。これから毎朝毎晩、鉄砲柱と向き合い基本を見つめ直して欲しいですね。」


奈落にムル氏が落ちたことにより、三年連続ワーストという前代未聞の大記録にリーチが掛かっていたホリエモン氏がブービーへと格上げされました。そしてブービー率の高い冒険家は4位へ。専門家の間ではこの現象を「ムル効果」と呼んでおりますが、あと数年、この辺りの順位に関しては変動無く推移していくと考えてもよろしいでしょうか?

「アベノミクスが強者優位だと批判される一方で、ムルノミクスは底辺層に爆発的な効果を発揮しましたね。KOC底辺層は二年連続ムル効果という特需で潤いましたが、この余波が来シーズンまで続くとは思えませんね。ムルノミクスの本当の効果は、元祖奈落コレクター、そして稀代の冒険家に心地よい上昇気流を与えてしまったことです。彼らも翼に当たった風を見逃すほど甘くはないですからね。間違いなく上昇気流を掴んで上を狙ってくるはずです。そうなってくると底辺層は常に撹拌状態。その渦が強ければ強い程、上層部にも影響が出てきそうです。渦の激流に呑まれるか、激流と共に上昇するか、それはケビナー各自の覚悟次第ってことです。」


さぁ、チャンプ。これでレジェンドへの階段も残すところあと一段となりました。しかし、あの最多勝ケビナー・ラクダ氏も、この最後の一段だけは登る事ができませんでした。チャンプとラクダ氏といえば、第二回KOCから鎬を削ってきた永遠のライバルですよね。第9回はラクダ氏の分まで頑張っていただきたい・・・そう願っているファンも多いと思います。来期についての意気込みなどをお聞かせ下さい。

「ミスターがレジェンドを狙った時、私も対戦者ながらミスターを応援していましたからね。そういう意味でレジェンド誕生というのは、個人の目標であると同時にケビナーの待望でもあるんですよね。今は私だけが狙える位置にいますので個人的な思いだけで戦うのではなく、ケビナーの名に恥じぬよう準備と努力を続けるつもりです。ところで最近のミスターはKOCの「インスタ映え」というジャンルにお目覚めかもしれません。男の祭典にテーブルクロスを準備するなど誰も思いつきませんからね。ミスターはどんな時でもファーストペンギンです。所詮、我々は海中の鯱に恐れをなす氷上のペンギン。ミスターは崇高な方なので、きっとKOCの次のステージを見据えているんだと思います。」


それでは、チャンプ。最後になりますがここまで応援してくれたファンの皆様に、一言熱いメッセージをお願い致します。

「その前にこの場を借りて、場所中にダネやエル氏が水を差すようなことをして、全国のKOCファンにケビナー代表としておわびしたいです。場所後に真実をすべて話して、ウミを出し切って、ダネ、エル氏の2人を再びこの土俵に上げてもいいし上げなくてもいいです。
 それではみなさん一緒におねがいします。ばんざーい!バンザーイ!!マンセー!!?来年もよろしく!バヤルララー!!」



以上、第8回KOC王者・ジュゴン選手のヒーローインタビューでした。
それでは皆さま、第9回KOCでお会いしましょう!さようなら!