CABIN 2015

『第10回ケビン集合』
〜 ケビン集合10周年記念・ファン感謝祭 〜
突行日 2015年 11月 7日





■ 1日目 −海・突行−


期待に胸を膨らませながら、夜明け前の国道を北へ北へと車を走らせた。

かつてない規模で開催されるケビン集合。ただのスピアマンではなく、ケビン集合の理解者が一堂に会するのだ。そんな同じベクトルを持つバカ達と、一緒に潜り、語らい、酒を飲む。これが楽しくならないはずがない。おまけにこの夢のような時間で唯一足枷となり得る“目の上のたんこぶ”的な存在であるKING OF CABINの準備も、今年は例年に増して万全な仕上がりを見せている。海況不良でまともに潜れない状況も踏まえ、ターゲットフィッシュは入手し易い40cm級のイシダイに設定。そして毎度のようにギリギリまで苦しめられる制限時間の問題では、自宅での最終調整において調理時間41分30秒という素晴らしいラップタイムをマークすることができた。もちろん、調理時間を大幅に伸ばすことなく15人前の料理にも対応できるという、ファン感謝祭仕様のレシピである。完璧。パーフェクト。これ以上の無い仕上がりで、この日の朝を迎えたのだ。

人事を尽くして天命を待つ。人間、やることをやれば後は大抵どうにかなるもので、事前の準備でその境地まで辿り着くことが出来れば、精神面にもかなりの余裕が生まれるのだ。こんなにも穏やかな精神状態でケビン集合へ向かったのはいつ以来になるのだろうか。

準備万全。出会い最高。聖地盛況。そして、
KOC初優勝。

いつしか陽は昇り、紅く彩り始めた中国山地の山並みを眺めながら、思うことはただ一つ。


『 ― これほどハッピーな夜があって、本当に良いのだろうか ― 』

集合時刻は9時00分。続々と集まるケビナーとファンの面々。初顔合わせの方々、懐かしの顔ぶれ。少し早めの到着となったが、あっという間に過ぎていく時間。最後にジュゴン委員長のグループが(豪快な遅刻の末に)到着し、本日の突行を行う11名が無事集結。堅苦しい自己紹介等は後回しにして、足早に1本目の突行へと向かった。

しかしながら、我々を待ち受けるのは例年通りの海況不良。

足を使い、頭を使い・・・。

色々と話し合った結果、まずは安全面を最重視し、無難なポイントで1本目の突行を行うこととなる。



10人の仲間と、1匹の白い妖怪



■1本目 ポイントGW 10:00〜

このポイントは過去に何度か潜ったことがあるため、海底環境や実績のある根などは予め頭に入っている。探れるエリアは広いが、全体的に砂地ベースで起伏の少ない微妙な海域。少々見付け難いが、沖には魚影の濃い根がピンポイントに存在し、水深もそれほど深くない。しかしそれ以外のエリアは殺伐としており、全体的に魚影は薄く、何かを期待させるような雰囲気も感じられない。よって、ピンポイントに沈む実績の高い根に入れなければまともな魚突きが出来ない恐れもある。はたしてこの人数で一斉に海に入り、その沈み根に真っ先に辿り着くことができるのだろうか。

それより、遥か右前方に海面よりせり出した沖磯がある。海岸伝いに片道30分程度の遠泳にはなるが、往復時間を差し引いても1時間は魚突きができる。ちなみにこの沖磯にはビッグサイズの魚は期待できないが、今日のメインターゲットとなるオカズサイズのイシダイの実績は高い。そして何より、ここまで泳げば他人の動向を気にせずマイペースな魚突きができる。

※プランA:目の前の海で、少ないチャンスを狙う
※プランB:頑張って泳いで、手堅くチャンスを頂く


さぁ、どちらを選択すべきか?



んー。。。

・・・?

むむっ!?

お、、、マジか!?

・・・っていうか、そうこう考えている間に一人、また一人とエントリーを開始し、我先に沖へと泳ぎ出していくではありませんか。

ちょ・・・、おぃおぃ。待てってば。

キミ達には武士の心が無いのかね?

潜る前にはまずエキジット時間を決めて、やぁやぁ我こそは何処そこの磯へ・・・と。

ふぅ。。。



完全に出遅れスタートとなり、必然的に後者を選択することとなった。ま、今日は海に魚突きを楽しみに来たのではない。KOCの食材を獲りに来たのだ。少々身を削ってでも、少しでも確実に食材調達ができる道を歩むのがセオリーだろう。まず第一の目的は、KOCに無事エントリーすることだから。

「やれやれ。それでは、頑張って泳ぎましょうかね。。。」

今夜は長い夜を控えているため、疲労を溜め込まないようにフィンをゆっくりと動かし、30分程度かけて目的の沖磯へと辿り着いた。道中の砂地エリアではかなり濁りが入っていたが、沖磯周りの透明度は10m程度見えており、魚影もまずまず。風裏のため波はほとんど感じられず、釣り人も居ない。最低限のノルマを果たすには十分過ぎるほどのコンディションといえる。

最初の潜行から単体のヒラマサが遠目でチョロチョロと泳いでいるのを確認できたが、これは寄せ切れず。その際にイシダイのシルエットも確認できたが、いずれも30cm前後とサイズ的に少々もの足りない。しかし、最も手前にある最も実績の低い岩場で、この魚影である。40cm級のイシダイが獲れないのであれば30cm級を2匹でも良かったのだが、そんな面倒なことをする必要が無いほど“獲れて当たり前”の雰囲気がそこかしこに漂っていた。もはや食材調達のノルマ達成など、時間の問題と思われた。

ものの数分で最初の岩場に見切りをつけ、少し沖合いの根周りを攻めてみることに。沈み根のトップ付近で群れているメジナの群れを掻き分け、海草の生い茂った岩の上に着底して身を臥せる。間も無く小さなサンバソウと戯れながら、右前方にある岩陰から45cmクラスのイシダイがスーッと姿を現した。

「あらー、いきなりノルマ達成ですか。プレッシャーを楽しむ余裕もござらんな・・・。」

ゆっくりとヤスを構えて銛先をイシダイの方へ向け、ゴムを引いてスタンバイ・・・、と同時に、少し遠めではあるが視界の逆サイド(左奥)で2匹のイシダイのシルエットがユラユラと揺れているのが目に入った。こちらは50cm超のクチグロと60cm級の銀ワサである。

「お・・・、ど・・・、どーーしよっかな。。。。。。」

右手から来た小さなイシダイは射程圏内で一度Uターンし、視界の中でサンバソウ達と戯れている。声を掛ければいつでも寄って来そうではあるが、やはり気になるのは銀ワサ。もちろんKOCには不必要なサイズではあるが、私もスピアマンの端くれ。ここは一番デカい銀ワサを狙うべきだろうなと。・・・、いや、実際のところはそれほど冷静に考えてはいなかった。ただ、大きな個体が来たから、そちらを狙おうと無意識のうちに・・・。

なかなか射程圏内まで寄らなかったが、水深もそれほど深くなかったため、長時間の待ち惚けにも十分対応することができた。そのまま少し梃子摺りながらも、無事にロックオン。黒々とした口元と、銀色に輝く美しい魚体。その横っ面を引っ叩ける絶好のシチュエーション。あとは右手の握力を解放し、いざ銛を放たん・・・





にょろ





久しぶりに出てしまった、にょろショット。。。
注:にょろショット・・・手銛を発射した際にゴムorシャフトが何処かに干渉し、手銛がニョロっと力無く飛び出す摩訶不思議な現象をいう。

ヤスは超低速で海中を進み、銀ワサの横腹に優しくタッチ。まるでスローモーションをみているかのような光景から一変し、銀ワサはフルスロットルで爆走を開始。それに驚いた取り巻きのイシダイ達も一斉に撤収してしまい、本日最初のチャンスは文字通り水の泡となったのである。

「あぁーあ、やっちまった!」

少なからず情けない気分を味わったものの、開始からわずか10分程度の出来事だったということもあり、後悔の念はほとんど無く、むしろ幾つかあるチャンスのうちの一つをミスったかな。。。・・・くらいにしか考えていませんでしたけどね。

ところが、ここから事態はまさかの急展開を迎えることに・・・。

あれほど暢気に戯れていたイシダイが、忽然と姿を消してしまったのです。

嘘のように、、、パッタリと・・・。

この磯に滞在できる時間は、残り50分程度。しかも間が悪い事に、いつのまにかケビナー以外の突き人が同じ沖磯で潜っているではありませんか。チャンスを不意にし、魚を散らした挙句、この狭いエリアで見ず知らずのスピアマンと・・・。もうね、焦る焦る。

10分・・・、20分・・・、30分・・・、時間と共に焦燥感は増すばかり。ポイントを変えても、潜っても潜っても、イシダイは姿を現しません。最初のうちは小さなサンバソウは居たのですが、サイズより数で肉量を間に合わせようと方針を変えた途端、サンバソウすら見掛けなくなりました。全てが完全に後手後手に回ってしまう魚突き。こんなに楽しくない魚突きがこの世にあって良いのか?と。去年と同じ仕打ちをなぜ今年も受けなければならないのか?と。誰彼構わず胸座を掴んで問い質したくなるような、そんな不穏な時間が流れていきました。





「嗚呼、神よ。可能であれば、時間を巻き戻して下さい・・・。」

「百歩譲ってそれが無理なら、時間を止めるだけでかまいません・・・。」





・・・。



しかし、時間だけは神が人間に与えた唯一平等のものであり、、、



何事も無く40分が経過し・・・、




そして、



そのまま、



50分が・・・




終了。。。













ま、ま、ま、まさかのタイムリミット!?














「ぎゃぁぁぁぁぁーーーーーー!」

「まじかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「嫌やーーーーー。」

「こんなはずじゃなかったのにーーーーー。」

「お願いしますーーーーー!」

「助けてくれーーーーーー!」

「私は欲深い男ですーーー!認めますーーーーー!!!」

「神様ぁぁぁぁ、聞いてますかぁーーーーーー!?」

「もう欲を出しませんからーーーーーーーーー!」

「楽しくない!なんて楽しくないんだ!これだからKOC前の魚突きは嫌なんだよ!生きてる心地がしないじゃないか!くっそーーーーー!」

「誰がこんなくだらねぇ企画を・・・!!!」

「あーーーおもんない。」

「あーーーーーーーーーーーーおもんない。」

「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、まじでおもんないわ!」






ってか、他のみんなはどうなんだろ?あっちの海で潜った方が良かったのか?いやいや、あそこは死の海だ。終わってるに違いない。魚影なんて薄々に決まってる。できれば全員ボウズであってくれ!全員ボウズだ!全員、、、うぅ・・・、オレはなんて小せぇ人間なんだ。。。



「・・・。



いやいやいやいやいや、落ち着こうよ。もうちょっと粘ろう。あと10分粘ってみよう。本気モードで急いで帰れば、エキジット時間には間に合うだろ。今すぐ帰ったところで、良いことなんて何も無いじゃないか。

・・・と、気持ちを強引に切り替えて空潜りを再開させた。

半ば諦めモードではあったが、何とか気持ちを奮い立たせ・・・。とにかく待って待って待ち続けて、近寄ってきた縞々模様を片っ端から突いてやろう。サイズなんて関係無い。殺気なんて非科学的なモノがこの世に存在するのなら、そんなのもう剥き出し全開の露出狂ですよ。

とにかく、潜って潜って待ち続ける!!!

場所は・・・、よし。最後にサンバソウを見たあの岩場だ。ヒゲダイとコブダイが居着いているあの岩場。あの岩場であと10分、オレの全てを賭けてやる!





来い来い来い来い来い来い来いっ!

・・・。

・・・。

ぷはぁーーーーーーーーーーーww





来い来い来い来い・・・来い来い・・・

・・・、

・・・、






!?

















!?





























「来たぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「イシダイ来たぁぁぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!





20cm級2匹と、40cm級1匹!!!

ヤスゴムを引いて・・・

息の続く限り・・・

息の続く限り・・・

息の続く限り・・・

息の続く・・・









「あかん!こいつ、なんやねん!」








大きな沈み岩を背にし、イシダイを刺激しないように静かに浮上。

可及的速やかに息を整え、再潜行。。。










・・・。











!?











「い、居ない?

「くっ、

「マジか。。。

「・・・。」









「ん?」












「・・・。」

























「来たぁーーーーーーーーーーーーー!」











一直線にスーーーーーーーーーーーーっと寄って来て、、、

ファーストチャンスで、















ドキューーーーーーーーーーン!!!










お見事、ど真ん中!

ど真ん中過ぎて、キルショット。

もうね、超嬉しかった。海面に上がるのを忘れるくらい嬉しかった。串刺し状態のまま何度も何度も魚体を撫でてね。想定外の展開になかなか現実が受け入れられなくて、ストリンガーに通してからも何度も何度も確認してね。手尺で・・・うん、40cmはあるぞ!最高の突果だ!



「よし、これで今年はKOCの本戦に出れるぜ!!!」



まぁ何と言っても、今夜はファン感謝祭ですからね。

獲れてほっと一安心?

いやいや、そんなモンじゃないです。

間違い無くこの数年で一番嬉しかった突果ですね。

さて、猛ダッシュでエントリーポイント付近まで戻ると、海岸沿いの浅い磯場でKOC王者・らくだ君が空潜りを繰り返しているではありませんか。近寄って話しかけてみると、何ていうか、マスクのレンズ越しでも判るほど浮かない表情をしているんですよね。そして、私の腰にぶら下がっている40cm級のイシダイを見て、「さすがですね・・・。」と声を漏らしたのである。こ、このサイズのイシダイを見て流石ですねって・・・。聞けば皆そこそこオカズになるような魚が獲れたものの、らくだ君だけ何も獲れていないらしい。。。

落胆するらくちゃん

追い詰められた、ディフェンディングチャンピオン・・・。

解かる。解かるよー、チャンプ。そりゃ焦るよね、しかも一人だけボウズなんて。それに今日はアニバーサリーだもんね。何が何でもKOCの本戦に出なきゃダメな日なんだよね。そんな状況での魚突き。そしてこの魚影。楽しくないよね。身震いするほど気分悪いよね。ポイント自体も期待値低いし、テンションもモチベーションも低空飛行。プライベートなら絶対に2本目は潜らないような海だもんね。

1本目のエキジット後、「2本目行かせて下さい!」と土下座をするチャンプの姿が、とても印象的でございました。まぁ2時間×2本は予定の中に入ってますからね。そう気になさらず、次のポイントへ向かいましょう!


1本目の総突果 デジテルのデブアコウ

ホリちゃん、余裕のスマイル KOCならではの魚種も・・・。


『感謝祭特別ルールと温情措置 〜ムル氏の救急搬送編〜』

今回のKOCでは1時間で15人前の料理を作らなくてはならないため、捌く魚の量が絶対的に増えることが予想された。下ろす魚の数(サイズ)が増せば、それだけ下処理に時間を費やすことになり、必然的に調理時間の短縮、即ち料理の質の低下が懸念される。そこで今回の特別ルールとして、決められた突行時間内(2時間×2本)であれば海で魚の下処理をしても良いということになったのである。とは言え、味付けなどはもちろん、三枚に下ろす事も認められない。許されるのは、鱗落しと、腹出し。それ以外は一切NG。

以上が今回のKOC特別ルールである。

そして、次は温情措置について。

感謝祭特別ルールに則り、1本目を早めにエキジットしたムルさんが海で魚を下ろしている際、手を滑らせたムルさんはナイフで自分の手をザックリと切ってしまったのである。(私は見ていないのだが)かなりの出血だったようで、地元民であるジュゴンさんが付き添い、直ぐに近くの救急病院へと向かうことになった。

ちなみにジュゴンさんは1本目でサンバソウ数匹という不本意な結果に終わり、二本目にキジハタの実績の高いポイントへ入る予定だった。

・・・しかし、ムルさんの付き添いで病院へ行ったため、二本目の海に入ることは許されず・・・。

ということで、KOC初となる温情措置を発令。(もともとKOCで使う予定ではなく)自宅のストックから持ち込んでいた「冷凍キジハタ」の使用を許可されたのである。個人的な見解としては、過去のKOCの熱戦に水を差したり優勝者の価値を下げるようなルール改正でなければ、現場で柔軟に対応し、より多くの人が楽しめるイベントにすることがベストだと思っている。また今回の事例に関しては自分の都合ではなく、他人の怪我のために働いた者に対し、このくらいの特例はあっても良いのではないだろうか。しかも二本目にジュゴンさんが入ろうとしていたポイントの実績と、ジュゴンさんのスキルを考慮すればこれは至極妥当な措置ともいえ、この温情措置に対して異論を呈する者は居なかった。(追い詰められたチャンプを除いて・笑)。

※ちなみにムルさんは左手を数針縫ったにも関わらず、たとえ片手であってもKOCへは予定通り参加するとのこと。いやー、こういうバカさ加減・・・、好きやわー。



 2本目

がんばれ、チャンプ!

二本目で魚突きを選択したのは、らくだ君、エヌシさん、里崎くん、ダネちゃんの4名。ジンくんは漁具を釣り竿に持ち変え、サラシの中でのバイトを選択。

私は魚突きチームに同行したが、海には入らず。まずは浜辺で魚を下ろし、続いて磯モノを拾い、余った時間で仮眠をとることにした。詳しくは後述するが、今回のKOCでは下処理の段階で少々面倒な作業工程を踏むため、魚を下ろす時間が別枠で設けられていることは非常に好都合だった。鰓、肝臓などの臓器、鱗、内臓脂肪、そして胃袋を始めとした消化管の中からウンコを綺麗に取り除き、それぞれを別々にパッキング。それから波打ち際で磯物を必要量徴収し、4人が上がってくるのを待つことに。


穏やかな秋空の下、浜辺で寝転がり、眠気眼で海面を眺める。。。

時折黒いフィンが水面より跳ね上がり、海の中へと姿を消した。

「頑張ってるなー。こんなに魚影の薄いウンコポイントで。。。」

そんな現状を憂いながら、改めて自分の置かれた現状に安堵する。

たった1匹の中途半端なサイズのイシダイが、これほどまでに大きく立ち位置を変えるのだ。

KOCよ。あなたはこの先、いったい何人のスピアマンを泣かせるのか。

そしてラクちゃんよ、そろそろキミは何か獲物を手にしているのだろうか。

さすがにチャンプが前座に回ると、KOCそのものが締まらないからね。

必ず何か獲ってくれよ。頼むぜ。

いやー、先ほどは全員ボウズを願っていたのに、えらい気持ちの変わりようだ。

ご都合主義の短絡的な考えに、我ながら呆れてしまいますな・・・。



そんな事を思いながら、途切れ途切れの意識の中で、皆の帰りを待っていた。


定刻前に、全員無事帰還 ワタクシの拾得物

エヌシ様とウミヘビ様 チャンプは全力で小魚採取

ダネちゃんはボラを追加(野締め) 里崎くんは、巨大クチグロ・・・。


3連覇の鍵を握る魚達

王者らくだは突行開始5分の時点で、最初に目に付いた魚(タカノハダイ)を有無を言わさず突き上げたらしい。ちなみにKOCはその後に突いたメバルでエントリーするとのことだが、この1匹のメバルでどうやって15人前の料理を創るのだろうか?

いや、そんなことよりも考えなくてはならないは、2連覇中の王者に開始早々タカノハダイを突かせるに至ったKOCという存在の恐ろしさである。

KOCがある限り、我々ケビナーは常に何かに追われ、そして常に何かを背負って生きているのだ。



いや、、、生きているというより、生かされているという言葉の方が相応しいのかもしれない。


※釣り吉ジンくんの釣果は、オールリリースです。