CABIN 2014

『第5回 日本海遠征』
〜 ケビン集合2014 〜
突行日 2014年 11月 15日




■ ケビンキャンプ・初日 〜第5回KOC〜



さぁ、ここからはいよいよケビン集合・聖地編。

文字通り今年で9回目のイベントになるのですが・・・、もうね、やってる事が毎年同じなんですよ。おまけにやってるメンツも一緒なら、やってる場所も一緒でしょ。それを毎度毎度レポートに掲載する上に、一つ一つ説明までしてたらウザいじゃないですか。クドいじゃないですか。・・・っていうか、アホみたいじゃないですか。(今更かよ?なんてツッコミは不要です!)
だからもう、説明は省略しますよ。「は?こいつら何やってんだ?」と思ったら、過去のケビン集合レポートを御覧になって下さい。全く同じことを繰り返してるだけですから。。。


というわけで、先を急ぎまーす。




いつもの食料品店で、いつものように鍋の具材と酒を買い込み。




いつもと同じように受付を済ませ、いつもと同じ気分でケビンへ向かう。




そんな我々を待っているのはやはり、いつもと同じピンク色のケビン

※今年は寒いので、ファンヒーターをレンタル(1200円/1晩)。




開会宣言も、同様に。



「過去の画像を使い回しても良いんじゃない?」なんて声も聞かれそうなほどの、ルーチンワーク。

いやね、ここまで来ると一緒じゃないと落ち着かなくなるんですよ。

これといって意味の無い儀式みたいなモノです。



【ケビンノートより引用】

今夜の予定
20:00〜 ナベ作り始め
20:30〜 ナベ食べる
21:30〜 マカナイ対決
23:00〜 KOC
24:00〜 プレゼン→投票



■ 晩飯〜鍋の準備〜


今夜もケビンは鍋。9年連続の鍋。そして9年目にして初めて鍋の季節に食べる鍋。
前年度王者・らくだ氏以外のメンバーで、せっせと下拵えをします。




鍋の中には豚バラ&野菜を始め、ギョウザ、ニンニク、鳥皮が投入されました。スープは豚骨とキムチのブレンドです。




大量のニンニクの皮を剥ぐのは、効率の良い流れ作業で。食べる前から指先がニンニク臭くて溜まりません。ちなみにどういう経緯からか、途中からみんなで「北の国から」のモノマネ対決をしていましたが、悲しいかな、誰一人「北の国から」の原作を見ているケビナーは居ませんでした。



■ 最初の晩餐


凍えるほど寒い炊事場から身を移し、ファンヒーターで暖まったケビン棟内へ。
この環境で酒を飲みながら喰らう鍋、美味し。実に美味し。嗚呼、最高に美味し。





「乾杯!!!!」


人が増えたり減ったりはするものの、構成的にも代わり映えのない写真。
ま、自分達が過去の画像をみても、いつの写真だか分からないくらいですからね。
回を重ねる毎に一つずつ年老いていく、ケビナー達の成長記録(?)として御覧いただければ幸いです。




身体の芯から温まる瞬間。スープのセレクトも、具材のセレクトも完璧だった。相変わらずニンニクは人気アイテム。ギョウザも超マイウーだった。しかし今回、それ以上に人気だったのが鳥皮。スープの味を極限まで染み込んだうえの、あのプルプルとした食感と皮本来の旨味は、筆舌に尽くし難いものがあった。さらにはその鳥皮でニンニクを包んで食べてみると、、、ああん、悶絶。


【ケビンノートより引用】

ナベ作り 20:00〜20:15
 ・怪しいライヴ始まる(日曜日よりの使者)
 ・3人で高速ナベ準備
 ・チャンプ書記→あるまじき事態
 ・ニンニクむき→流れ作業
 ・ホリちゃん→彼女ボ集中
 ・花火上がる  KOCパレード!?
 ・ホリオロメン 「粉雪」 NOW ON SALE
20:23 乾杯
 草もち オードブル食べる
20:39 ナベ実食
 トリカワ→旨い!次回2パック買う ニンニク巻き
 KOC→KING OF CHINA 世界的注目(まだアジア圏出てない)
21::24 鍋終了 → 朝食へ



「あー、美味かった。」

「満足満足。」

「鳥皮、ヤバかったねー。」

「来年はもっと入れよう!」



ご馳走さまと箸を置き、床に転がり込んで天を仰いだ。

気持ち良い。このまま寝たら、どれだけ幸せだろうか。

穏やかな温もりの中、腹が満たされ、悦に浸る4人のケビナー。



「・・・。」

「ふぅ。」

「・・・。」

「これからどうしますか?」



どうしますかと言われても、予定ではこの後21時30分よりKOCの前座・まかない料理対決(最下位決定戦)が始まると決まっているのだが・・・。



「いやー、気持ち良いね。」

「うん。」

「・・・。」

「はぁ〜あ。ここは暖かいし、外は寒いし。」

「KOC...、」

「ん?」

「KOC...、明日の朝からしますか?」

「!?」

「朝からKOCか。。。」

「・・・。」



「ははは...(笑)」



4人は口を揃え、乾いた声で笑った。

そんなことできるわけねーじゃん。と、自分達にツッコミを入れるかのように。



「よし。」

「さ、いきましょうかね。」



オレ達は残りのビールを一気に飲み干し、静かに立ち上がった。

そして扉を開け、暗く冷たい留置場のような炊事場へと歩き出す。

その先にあるのは、ブービーか、ワーストか。

我々の行く末に、栄光の二文字は存在しないのに。。。










第6回 KING OF CABIN 前座 (まかない料理対決)



ここからは場所を炊事場に移し、魚の釣れない釣り師・ジュゴン VS 魚の突けない突き師・み〜ちんによる、他人の魚を使った料理対決を開催致します。KOC本戦とは明らかに一線を画した前座という位置付けではありますが、KOCの順位(ポイント)はこの1時間で決まります。もちろん、ここで不名誉にも最下位となったワーストオブケビンさんは、翌日の朝飯を担当するだけでなく、一年間「奈落」というニックネームで呼ばれることになります。消化試合ではありますが、お二方、気合入れていきましょう!




・・・と煽られましても、最下位決定戦なんてのはそれほど気合の入るものではなく




寝起きのナマケモノのような鈍い動きで、のんびりと準備を始める二人。


「だって、寒いんだもん。」




【ケビンノートより引用】

21:45 まかない準備開始 (ジュゴン、み〜ちん)
 マダイを半身にして、短時間料理対決
 み〜ちんの注文がややこしい。皮と鱗を残す。

「こんな時期のケビン、どうかしてるぜ」(byみ〜ちん)






「さぁ、準備は宜しいでしょうか!!??」






・・・と、開始時間が目前に迫っても、、、







ピリピリ感、ゼロ。


まぁ、我々は所詮前座ですからね。正規のKOCとは別格の料理対決になるので、後の本戦に出場する二人とはモチベーションが全然違うんですよ。“KOCであってKOCでない”が故に、制限時間等の規制も緩くてね。「とりあえず、1時間でやっちゃおうか」的な感しで、緊張感もナッシング。ボクなんて途中でウ●コに行ってね。そんなの過去のKOCじゃありえないでしょ。そのせいで間に合いそうにないから対戦相手のジュゴンさんに魚の煮出しを手伝ってもらってさ。そしてそれを手伝わされたジュゴンさんが時間に間に合わず、ロスタイム突入とか(笑)。




PM 22:00〜

■まかない対決(KOC最下位決定戦)・料理開始





まずは、ジュゴンさん。相変わらず凄ぇーね。

その工程、その技術、その知識。

すべてが勿体無いなと感じた。

この人は、ここで勝負するべき人じゃないって。

誰もが思った、そんな1時間。






対する、み〜ちんさん。相変わらず意味不明。

その発想、その展開、その体たらく。

すべてが適当ではないのかと感じた。

この人は、ここで勝負する気があるのかって。

誰もが思った、そんな1時間。







10分経っても20分経っても、場の雰囲気は和やかそのもの。






こんな戦いをするために聖地へ来たのではないが・・・

こんなユルイ一年があっても良いのかなと(笑)。






終始穏やかな雰囲気のまま、二人の料理は無事完成♪








もちろん、調理自体はちゃんと真面目にやりましたよ。

不本意といえば不本意ですけど、やっぱワーストにはなりたくないからね。。。







【ケビンノートより引用】

22:00 まかない対決開始
み〜ちん アヤシイ粉を調合 → 脱法ハーブ!?
「不安しかない」らくだ
テーマ曲「北の国から」さだまさし feat み〜ちん
 =@「大地と大空の中で」 
み〜ちん忘れ物・小麦粉 ジュゴン信玄に借りる
み〜ちん 小指の天ぷらを作る 22:28
み〜ちん ジュゴンにマダイの出汁とってもらう →パラサイト

残り6:00 ジュゴン余裕
       み〜ちん 最後までがんばる
          ↓
       み〜ちん 59:59完成
       ジュゴン アディッショナルタイム







前座ごときに説明は不要だと言う意見もあると思うんですけど、

一応、出来た料理を紹介させていただきまーす。









まかないN0.1  ジュゴン

『マダイの大根餅』


役職or称号 KOC審査委員長
カテゴリー 地産地消・和食
エントリー 借り物のマダイ
前回大会 準優勝賞
KOC‐LANK 2位 33ポイント

【レシピ】

【魚の下ごしらえ】
三枚におろして皮をとり、テンメンジャンと酒適量を合わせたもに漬け込む。

@ 大根1/4を千切り・ 干しエビおおさじ2を細切り
これを鍋に入れて具材ヒタヒタ弱の水と酒おおさじ1を加えて大根が柔らかくなるまで煮立てる
A 上新粉150g、片栗粉おおさじ2、塩少々、をボウルに入れて水を加えながら混ぜ合わせる。この時はまだパサパサしてるけどモーマンタイ。そこへ@の煮汁をたして混ぜると、お好み焼きの生地(生の状態)くらいの粘度になるので、しっかり混ざったら@の具も混ぜ合わせる
B 耐熱トレーにラップを敷いてそこへAを流し込む。そのままレンジで餅状になるまで約10分チンする
C レンチンしたBのトレーを氷水に浸けて中身を十分冷まして固める。
D 下ごしらえの魚に小麦粉をふり、ごま油で表面がカリカリになるまで揚げる。
E 冷ましたCの上にDを重ねてくっつけ、ラップをはがして適当な大きさに切って成形する。
F Eをごま油タップリのフライパンで表面がカリカリに成るまで焼く
G 焼きあがったFに熱々のソースをぶっ掛けて出来上がり

【ソースのつくりかた】
・醤油:酢を1:1に、砂糖とラー油とゴマ油をあわせて味見。
・整ったら強火で沸騰させ、そこにゴマとネギを山盛りぶち込む。

※このレシピの注意点
・大根の水分量は大根によって様々なので、何度も同じ料理を作って経験値を上げておかないとこの料理に適量な水を調整できない。
・状にするためには十分な加熱が必要。冷ましに時間がかかるので加熱時間を中途半端に調整したら粉っぽくて全然モチっと感が出せない。



【料理の紹介】
日本海で狙える普通に美味しい食材を使い、調味料などの組み合わせで味を探求するアイデアは、1年間絞り続けて施策してもただ普通に美味しいだけだった。

KOCを制するために何が足りないのか。
ケビナー達は、自分は、何に感動してきたのか。
プレゼンテーション、インパクト、色々と考えたが、やはり料理の探求こそ、私の生きる道・・・近頃わたし達はいい感じ byぱふぃ

1時間以内で出来る、料理としての何か突き抜ける感動が欲しい。
見た目・・・味・・・他に感動は無いのか・・・と思いつつ濡れ煎餅を食べていた時に神はそっと私に話しかけた。

ジュゴンよ君は料理の大事な要素、【食感】を忘れてない?

・・・はっ!!
そうか、ありがとう神様

というのはウソで、
中華屋の前菜で出た大根餅がやたらと美味くて感動したので、この食感と感動をケビナーにも届けようと試行錯誤でアレンジ。丁度、ケビン開催が寒い時期にずれ込んだので根菜で体を暖めてもらおうという愛情という名の調味料も加わることになりました。

今回のテーマは、みんなが大好き【カリっモチっふわっ】食感。

大根の甘みに旨味を加える魚の出汁(今回はボウズだったので干しエビのみで煮ましたが。)
それを閉じ込める上新粉の餅を、こんがり揚げるゴマ油。

パンチあるゴマ油の香りを鼻から、
根菜と白身魚の優しい味を舌から、
そして食感を歯ごたえから、

三拍子そろったホッコリ温まる料理を目指しました。



まかないN0.2  み〜ちん

『ロックンロールキャベツ』


役職or称号 料理の冒険家
カテゴリー ロック
エントリー 借り物のマダイ
前回大会 ブービー
KOC‐LANK 5位 21ポイント

【レシピ】

【材料】
・白身魚の切り身 (ベストはタカッパ40cm)
・鱗
・キャベツ (出来るだけ芯の少ないモノ)
・ゆかり(梅しそ入り)
・魚の骨
・ゴマ油(大さじ3)
・塩 (小さじ1)
・粗挽き黒胡椒(適量)
・鶏がらスープの素 (大さじ1)
・すりおろしニンニク (小さじ1/2)
・白ゴマ (適量)

【作り方】
@ 下処理の段階で、鱗を落とす前に3枚に下ろし、鱗をつけたまま皮を引きます。
A 魚の薄造りを必要枚数作ります。
B 皮に付いた鱗に小麦粉を塗して素揚げし、鱗チップを作ります。
C キャベツの柔らかい芯の無い部分だけを厳選し、Aと同じ数だけ板状に切ります。それに塩を適量振り、キャベツをしんなりさせておきます。
D ゴマ油、塩、黒胡椒、鶏がらスープの素、すりおろしにんにくを混ぜます。鶏がらスープの素はすり鉢で出来るだけ細かい粉末にします。
E Cで柔らかくなったキャベツの水気を取り、Dを和えます。
F Aの薄造りにDを薄く塗り、鱗チップと梅しそふりかけを振り掛けます。この工程は食べる直前にします。
G EとF重ねてクルクルと巻き、魚の骨を突き刺して止めます。
H 最後に白ゴマを振りかけて完成。
I サンキューロックンロール!



【個人評価】
最高にロックな料理が出来たからみんなに紹介するぜ。

この料理のきっかけは塩キャベツから始まったんだ。我が家で作る塩キャベツの塩ダレでタカッパの刺身を食べてみたところ、なんと臭味を感じることなく美味しく食べれたんだよね。おそらくゴマ油を使うことによって、臭いを上手く封じ込められたのかな。もちろん、KOCで出すならもう一工夫必要なことも分かってた。

まずは食感を向上させるために様々な形状&漬け込み具合の塩キャベツを組み合わせたんだ。でも、歯応えの質がイマイチ良く無くてね。そこでウロコチップを使うことにしたのさ。結果、ウロコと刺身の相性がここまで良いとは思わなかったね。

あとは見た目のインパクトかな。

とりあえずコイツをキャベツでグルッと巻いて・・・、そのローリングしたキャベツが崩れないように止める材料は・・・、お!これが調度良いな、魚の骨!コイツを最後にブスッと突き刺して、完成だぜ。

ローリングしたキャベツを骨でロック。これでネーミングもバッチリ決まった。

今回はマダイなんで、風味に関しては間違い無いと思うぜ。

適度に柔らかい塩キャベツと、上質な白身。その間に包まれた歯応えの良い鱗チップで最高の食感を楽しんでください、ヨロシク!






■ プレゼンテーション、審査、成績発表


さて。時間も少々押していますので、とっとと食べちゃいましょうか。




【23:00 〜マダイの大根餅〜】


まずはジュゴンさんの料理から。


ジュゴン農園で採れたダイコンをベースに、素材の風味を生かした料理。

どうやっても1時間で出来るはずもないこの工程。

その不可能を可能にしたのは、経験に裏付けされた知識と技術。

電子レンジと氷を駆使して温度を操り、調理時間の壁を突き破った。

それはまさしく、時空を越えた逸品。

までにない食感と洗練された味覚は、審査員の頬を緩ませ、私の気分を落ち込ませた。

素材の味を生かした、クセの無い上品な口当たり。そこに少しパンチを効かせた香味高いソースが良く合ってね・・・。

「うわ。これもう・・・。いや、相手がジュゴンさんなら、、、しかたないか。。」

そう自分を慰めながら、あっという間に空になった器をぼんやりと眺めていた。

しかしそこで、ジュゴンさんは一つ大きなミスを犯していたのである。

それは調理過程のミスではなく、プレゼンテーションでの発言。

「この料理、本当は外はパリっと、中はモチっとさせたかったんだけど、今回は失敗した。」

−今回は?失敗した?−

−今回は失敗−

−This is 失敗作−

これは決して気の緩みからではない。KOCでは常に優勝争いを演じてきたジュゴンさんのプライドがそう言わせたのであろう。オレの料理はこんなもんじゃないよ!と。

その気持ちは重々理解できる。ただしこの言葉を発すれば、審査員の評価には確実にマイナスとなるのだ。「あ、これは失敗作なのか」「もっと上の味があるのね」と。その結果、満点を付けたくても、付けれなくなる。


私なんかは本当にセコイだけの人間ですからね。そういうことは絶対に言わない。逆に「ここをこうすればもっと美味くなるんじゃない?」って指摘されたら、嘘をついてでも誤魔化すよ。これがベストなんだと、言い切る。この場においては、票より欲しいものはない。



しかし、ホントに美味かった。。。



【ケビンノートより引用】

「マダイの大根餅」(本当はスズキ)
体が温まる. 大根が大きすぎた
本来は上下パリパリ            元々は台湾料理
ジュゴンさんらしさ◎ 味も中華、アピールできている
魚はテンメンジャンベースで味付け








【23:17 〜ロックンロールキャベツ〜】


続いて、私の出番。


与えられた5分のプレゼンテーション中、みんなにはタブレットのPDFを見て頂き、私は盛り付けに没頭する。質問は一切、受け付けない。これが私のスタイルだ。

前回のプレゼンはわずか6枚のスライドで勝負に挑んだが、今回は35枚用意した。気合が違うと言えばそうだが、それもこれも審査員に私の料理の真意を解っていただくため。口下手な私が講じる、苦肉の策ともいえる。ちなみにそのスライドのうちの数枚はタカッパ仕様で作られているが、もはやここでタラレバを言ってもどうしようもない。

これが今年の全力。そしてこれが今年の結果なのだから。

さて。気になる料理の方は、魚の薄造りにタレを塗り、鱗とふりかけをかける。それを塩キャベツで巻き込み、骨をブスッと突き刺して完成。

まるで小学生の工作のようなヘンテコな料理であるが、料理を一口頬張れば、うんうん。揚げた鱗とキャベツの食感が柔らかい魚の肉質と上手く融合し、料理が口内で様々な変化を生み出している。

風味としても問題ナッシング。評価もまずまず良いようで。

やはりこの料理、どの魚で試しても最低限以上の味は出せるんだと改めて思ったね。

ただ、“梅しそふりかけ”の量はもう少し多くても良かったかもしれない。この辺は試作を重ねたところではあるが、ゴマ油とニンニクの香りを前に、完全に陰が薄くなっていたのは残念。

あ、でもそれはもちろんここでは言わないよ。

たとえ聞かれても、「は?これが黄金比ですけど、何か?」って言うつもりだった。



※プレゼンテーションの一部




【ケビンノートより引用】

再び Ipad登場
   おもむろに服を脱ぎだす
      ↓
    YAZAWA登場!
   料理を準備しているうちに、PDF

  Thank you!  YAZAWA→ 直己登場
      ↑                ↓
    周トミトク           アタックチャンス
      ↑                ↓
    クリステル            六三郎 乱入
      ↑                ↓
   タカノハダイ(ない)   まさかの「はらたいら」クイズダービー
      ↑                ↓
     小渕              再びYAZAWA
      ↑                ↓
   みい吉(新人)      ←    みの(セクハラ)


とんでも長いプレゼンが終わる(面白い)
ズボンが職場の白衣










終わった。。。

終始緊張感なく楽しんでたつもりだったけど、終わって感じるこの開放感・・・。

何だかんだ言っても、やはり聖地の炊事場で作る料理は特別だなって。

うん。改めてそう思った。






戦いを終え、健闘を称えあう二人と、

項目別に採点し、厳しい審査を行う二人。














厳正なる審議の結果、3位決定戦を制したのは・・・
























3位、、、







































矢沢み〜吉!



「センキュー!ロックンロール!!!」















5年連続のブービーだけど、今回はいろんな意味で違う味。

なんつーか、リアルに嬉しかった!


















朝飯当番を免れ、してやったりのニヤケ顔と、


















身包みを剥がされ、奈落の底に突き落とされたジュゴンさんとエリーちゃん。









総合 見た目 アイデア 努力 合計
ホリエモン ジュゴン 20
み〜ちん 20
らくだ ジュゴン 16
み〜ちん 18
合計 ジュゴン 36
み〜ちん 38











とりあえず、行き当たりばったりで取り入れた前座(まかない料理対決)は、無事に終わった。

観てる方もやってる方も、それなりに楽しめたのではないだろうか。

この前座を行うことにより、ルール上大きな変更をすることなく誰もが納得して順位を決めることが出来るようになっただけでなく、魚が獲れなかった者に対して用意してきたレシピを披露する場を与えるという意味でも、このシステムの存在は非常に大きな意味を持つ。まだまだ採点方法等に改善の余地はあるが、今後のKOCにおいて、魚が獲れなかった場合はこういう形式がルーチン化されていくことになるだろう。

ただ唯一にして最大の欠点があるとすれば、それは時間が掛かり過ぎること。いくらKOC本戦ではないと言っても、準備・調理・実食において省ける時間は無いに等しく、単純にKOC2回分の時間を要してしまうのである。

おかげで今大会は決勝前にも関わらず、時計の針はすでに日付を超えているのだ。

夜も深まり、他の宿泊客が眠りに就く準備を始めるこの時間。

適度の疲労とアルコールにより、睡魔が夢の世界へと誘い始めるこの時間。





そんな時間帯に・・・、
































「始まるよー!!!」





























第6回 KING OF CABIN 開催








どこまでも突き抜ける深黒の空に、眩い輝きを放つ満天の星屑たち。

それを見上げるケビナーの口元からは、力強く白い蒸気が溢れ出す。

凛とした空気に包まれた、晩秋の炊事場。

強く吹き込む冷たい西風は、紅く色付いた木の葉を揺らし、

それらは時に荒々しく大きな音を奏で、ケビナー達を震え上がらせた鼓舞します。

「よくぞ生き残った、我が精鋭たちよ!」

聖地の神からの激励は、漢たちの心にどう届いたのか。

日本全国1億2000万人の中から残った、たった二人の導かれし者たち。

その名は、らくだ。

その名は、ホリエモン。

しかし、運命とは時に残酷さを与えるもの。

漢達がどれだけ完璧を貫こうとも、最後に笑うのは一人だけ・・・。























いよいよ決戦の時を迎える、6回目のキングオブケビン。

今年は氷点下に迫るこの炊事場から、寒さに負けない熱戦の模様をお伝えします。



























大会初となる、日付を越えたKOC決勝戦


エントリーフィッシュも炊事場へ入場
















やはり前座とは異なり、優勝がかかった大一番。


何とも言えない神妙な空気が、炊事場を包みます。




















らくだ氏が勝てば、KOC史上初の連覇。


ホリエモン氏が勝てば、奈落からの初優勝。


















そして何と言っても、今年はKOC初となる、


たった2名のケビナーによるマッチレース!!!



















両雄共に、気合十分!
















開会前から、バチバチです!!








【前売りオッズ 某SNSより 2014.0830】

ラクチャン=カンチェラーラ(1.7)
「王の帰還」。前走から期間は空いたが、本命であることに疑う余地無し。前人未到の連覇に挑む。


ジュゴン=ザ=グレイト(3.4)
地力は過去の結果で証明済み。
今シーズンは「農」を習得するなど確実にベースアップを重ねてきた。今年こそ聖地に歓喜の声を響かせる!

ハコイチ(5.1)
例年になく丁寧に調整を続けて来た今シーズン。昨年切り開いた新たな境地「PDF」にも磨きが掛かり、大躍進の可能性大いにアリ!

ヌルニーニョ(5.6)
連勤術師。超ハードスケジュールの中、陣営の徹底した極秘調整で挑む本年。前々回王者は栄光を取り戻すことができるのか!


マキシマム=ザ=ホリエモン(6.6)
昨年の雪辱を晴らすため、凄まじいメニューをこなした本年。着実に力を着けている様子。展開がハマれば優勝も十分に狙える。


サイモジョーヌ(12.2)
サイモンを諦めない。最後まで諦めない。一片の可能性を信じている。ケビンのドアを開けたとき、爽やかな笑顔で我々を迎えてくれる事を期待して!
                       ※オッズ発表の時点では、二頭立てになるなんて思いもよらず










まずはKOC開催に先駆けまして、








ジュゴン委員長の開会宣言と、

みい吉による、国歌独唱。







・・・が、行われましたww


































「あー、寒っ!」






























それでは改めまして、決勝のレースに出場する2名のケビナーをご紹介しましょう!



















『奈落の底の住人が描く青写真。そこに聖地の頂きは映っているのか!?


1枠 1番 ホリエモン
調理魚 青い目をしたダークホース グレ (メジナ)
分野 洋食
実績 不 → 不 → 審 → 4位→最下位
KOC KOC‐ランク 6位
備考 一昨年、突如彗星の如く聖地に現れた一等星も、昨年は流れ星の如く急降下し、奈落の底で一年間苦汁を舐め続けた。前年度王者との直接対決となった今年。窮鼠が猫を噛むべく、大会史上初となる下克上を果たすことができるのか!?
−パドック−
相手が相手なので、全力で挑みたいと思います。
ここまではスムーズにきている。かなりね。魚も普通に突けたし。(勝てそうな気は?)もちろん。まぁ、相手はアイデアがあるからなー。<本人談>





『前人未到の連覇へ王手!堅く閉ざされたレジェンドへの扉を、いざ開かん!


2枠 2番 らくだ
調理魚 磯の王者 イシダイ
分野 ワールドワイドな創作料理
実績 2位 → 1位 → 3位 → 2位→1位
KOC KOC‐ランク 1位
備考 実力、実績共に申し分ない永遠の本命馬。KOC初となるマッチレースを制するべく、初優勝を飾った有力魚・イシダイを従え、ホリエモンを迎え撃つ。今年はいったいどんな料理で、聖地ケビンを席巻するのか!?
−パドック−
この場に立てるだけでも感動なので、相手の胸を借りるつもりでがんばります!じゃなくて、絶対勝ちます!余裕で!(相手は最下位ですが?)ライオンがウサギを狩るかのごとく、全力で息の根を止めます!<本人談>








【予想屋、はやぶさ太郎の独り言】

まさかの二頭立てとなった今回のグランプリ。しかもこの二人は前年度の王者と最下位であり、KOCランクも首位と最下位という非常に極端な組み合わせであります。さすがにこれだけ実績に差がある状態では、ホリエモン号に期待を寄せるのは少々リスクが高いと言わざるを得ませんね。しかし、@過去のKOCにおいて連覇を果たした者は誰も居ない。A突行を重ね、調整した回数は明らかにホリエモン号の方が勝る。とのことから、今回炊事場に初めて登場するグレの風味を上手く乗りこなせば、シンガリから一気に捲れるチャンスもあるでしょう。何が起こるか分からない、それがKOCです。
とは言え王者・らくだ号の順調な仕上がりは素晴らしいの一言。今回も確実にエントリーフィッシュを手にし、死角が見当たりません。@ヤツは休みになれば自転車のペダルばかり回しているただのチャリバカになっちまった。Aケビン集合の1週間前にも大阪から広島まで自転車を漕いでた・・・との噂も聞こえますが、今年も心配無いでしょう。連覇へ向けて、視界良好。私の夢は、ラクダバクシンオーでございます。















出雲大社に日本全国の神が集うという、11月。



故に、各地に神がいなくなる11月は、神無月と言われている。



ウィキペディアによれば、その一か月間、神は一年のことを出雲で話し合うそうな。



これが日本全国の神様の、1か月に及ぶ長期出張in出雲の実態である。



それでは日勤帯に出雲で会議をしている神様達は、夜は一体何処で何をしているのか?



とてもいい質問だ。お答えしよう。



さすがに人間と同じ宿泊施設は使えないということで、



出雲郊外のキャンプ場で野宿をしているとか、、、いないとか。。





























・・・。





































感じよう。


























夜も更けたオフシーズンのキャンプ場に、



目には見えない大勢のギャラリーの皆さん。



そこで繰り広げられる骨肉の争いは、



ケビナーの、ケビナーによる、ケビナーのための1時間/365日。
































第6回 KING OF CABIN






















神のご加護を受けながら・・・


























「今、決勝戦のスタートです!!!」













手早く魚を捌き、米焚きに入るらくだ氏と…




同じく手慣れた包丁捌きで、淡々と作業を始めるホリエモン氏。




多くの手順を確認しながら、丁寧に調理を進めていきます。




大きなミスがそのまま敗北に繋がるという緊張感の中・・・、




我々ですか? 我々はですね、もう楽しいばかりでしたよ。


だって、自分たちの出番はもう終わってるわけでしょ?


だからさ、決勝戦の戦況を間近でじっくり味わいながら、


好きな時に好きなだけ飲んでね。。。もう、最高の気分。


【ケビンノートより引用・30分経過時点のコメント】

【ホリエモン氏】
ほぼ完成しましたけど。ちょっとどうしようもないことが...まぁ、あとで話します。(勝負に左右するミスか?)

【らくだ氏】
時間的にヤバイ!(今のところは順調)完成を信じて、やってきたことを全力でやる!!

【ジュゴン委員長】
(らくだ氏について)
両者良いペースで進んでいますが、現チャンプが自分を超えようとしているのが、時間的にどう響くか。複数の工程を一人でやっています。(本来ならば3人くらいでやるところ。)これが上手くいけば、六さんがらくさんになるのではないか!?
(ホリエモン氏について)
枠連島根は片付けに入っている。これはフェイクだね!これは現チャンプに対して揺さぶりをかけている。「お前も片付けながらやってみろよ!」「youに出来るのか?」とね。

【ホリエモン→ラクダ】
スシっぽいけど...、そんなのじゃ終わらんと思うよね。何が出てくるか楽しみですね。


オフシーズンのキャンプ場。そして真夜中の炊事場。


ほとんど会話のない二人と、無駄に話を続ける二人。


傍から見れば異様な空気の中、刻一刻と時は流れ・・・、




終盤に入り、尚も忙しく料理を形にしていく現・チャンプ。




残すところは加熱のみという段階に入り、相手の出方を伺うホリエモン氏。

















そして・・・




















 
54分30秒

ホリエモン

58分00秒 らくだ
   



















両者、静かに完成の時を迎えたのである。













それではこれより、決勝のステージに立った2名の料理をご紹介致します!













エントリーN0.1  ホリエモン

『カボチャグレタン』


役職or称号 ビギナーケビナー
カテゴリー 洋食
エントリー魚 グレ (寒メジナ)
前回大会 最下位
KOC‐LANK 6位 8ポイント

【レシピ】

【材料】
・グレ 30p一匹
・玉ねぎ 一個
・冷凍カボチャ 100g程度
・生クリーム100g
・牛乳 100g
・とろけるチーズ 目分量
・マッシュルーム 少々
・塩コショウ 少々
・バター 30g

【作り方】
@ グレを3枚におろし、身を食べやすいサイズに切っておく。
A 玉ねぎをみじん切りにして、フライパンでバターで炒め、そこへ切っておいたグレを入れ炒める。
B 自然解凍させておいたカボチャをボールに入れ潰し、Aへ入れて混ぜ、生クリーム、牛乳、マッシュルームを入れる。
C ある程度グツグツしてきてから、塩コショウで味を整える。
D その後、鍋へ移し火にかけて、とろけるチーズを好みで入れバーナーで軽く焦げ目が付くくらいまで炙って完成。



【料理の紹介】
今回はグラタンで勝負。

美味しい物を作るという事は当然だが、昨年思ったより時間がかかりすぎてしまった事が頭から離れず、今回は余裕を持って作ることに。

短時間で美味しい物を作ればそれに越したことはない・・・、自分に言い聞かせ、チャンプを負かす準備が整った。



エントリーN0.2  らくだ

『らくだ鮨』


役職or称号 Mr.ケビン
カテゴリー 創作料理
エントリー魚 磯の王者・イシダイ
前回大会 1位
KOC‐LANK 1位 46ポイント

【レシピ】

【シャリ(2合分)】
@ ストーブに 白米二2合 , 水170ml , 出汁用昆布 5cm四方程度 を入れ蓋をし、カセットコンロにかけます。 中火で本体と蓋の隙間から泡が出てくるまで加熱します。
A 泡が確認出来たら、トロ火で10分加熱します。
B 10分後、火を止め10分間蒸らします。
C 蓋を開けて昆布を取り除き 米酢30cc , 砂糖20g , 食塩 4g を混ぜておいたものを4回ほどに分けて 米を切る様に混ぜていきます。ある程度混ざったら団扇等で扇ぎながらさらに混ぜます。熱と水分が有る程度取れたら濡らした手拭を掛け蓋をし、握りの行程までの保温・保湿を行います。

【ネタ 1 燻製醤油】
@ 魚を3枚におろし、柵取り、皮引きまで行います。
A 少し広めに削ぎ切り(最後皮面を切る時包丁を立てるとネタの角が立ち易いです)します。
B 裏側(握った時、シャリ側にくる面)に1mm幅程度の格子状の化粧包丁を入れます。
C 化粧包丁を入れた面に刷毛等で たまり醤油 をたっぷり塗ります。
D 魚焼き網などに乗せ、燻製に掛けて行きます。
・燻製は耐熱皿等に四方を立てたアルミホイルを敷き、その中に燻製チップを一掴みほど入れます。
・バーナーで炙って煙を出し、魚焼き網を被せて燻します。この時、網の上にステンレスの小バットなどを被せて煙がこもる様にします。
・煙が消えたら再びバーナーで炙って煙を出すを繰り返します。
・火が付くとネタが焼けてしまうので、必ず消して下さい。
E 燻しが進んで身に艶が出たら、ラップを敷いたバット等に取って熱を取り完成です。

【ネタ 2 ピエトロのタタキ(軍艦)】
@ 魚を3枚におろし、柵取り、皮引きまで行います。
A 魚焼き器に柵を乗せ強めに塩をふり、バーナー(強)で両面を炙って行きます。
B 身の収縮が止まり、表面の所々にキツネ色の焦げが見え出したら火を止め、バット等に取って粗熱を取ります。
C 粗熱が取れたら5mm四方程度のサイコロ状に切ります。
D ボウル等に取り、黒胡椒とピエトロドレッシング(ノーマル 蓋:オレンジ)を適量混ぜて具は完成です。
E のりは「すしはね」として売られているものを使用します。乾いたキッチンハサミでちょうど良い短冊上に切ります。 出来れば軍艦を巻く直前に切るか、切ってからジップロックなど湿気を遮断するものに入れておきましょう。

【鱗塩】
@ 魚から落とした鱗を金ザルに取り、洗って乾かしておきます。
A さらにクッキングペーパーで水気を取り、カタクリ粉をまぶします。この時点で鱗が少し固まっているかもしれませんがあとでバラすので、そのまま150℃くらいの油で揚げていきます。
B 鱗が透明から白っぽくなったら油から揚げてクッキングペーパーに取ります。 揚げ過ぎると苦みの元になるのでキツネ色にしないように注意してください。
C 油が切れたら固まりを菜箸などで好みの大きさに潰し、塩と混ぜて完成です。

【行程】
上記を上手く組み合わせながら調理時間内(1時間以内)に完結します。

【にぎり】
これはお寿司屋さん(回らない)にいって動きをよく真似てみましょう。 コツは、
@ ネタに触れる指の面積は最小限に。
A シャリは同じ量(18〜20gくらい)を掴み、軽く形を整えてネタに当てましょう。
B 皮目に気をつけカッコいい外見になるように握りましょう。
・ネタの形を保ちながら、細く長く見せるのがコツです。
・個人的には真ん中を少しクビれ気味(青物の厚切りは出来ませんが)にするのが好きです(←聞いてない)。
C 軍艦は米を一粒取って、「糊」の代わりにして「海苔」を巻きます。
・具が海苔の縁より少し上に盛れるようにシャリの位置を調節しましょう。



【料理の紹介】
B級の魚、見慣れない調味料、奇抜な手法。

これらを組み合わせる事がKOCの「勝利の方程式」という認識がメンバーの中に浸透してきた第6回目。
もう一度、料理の原点に戻ってこのレシピを考えました。

「丁寧な仕事と旨い料理」を目指しています。

今回は過去に例の無いほど試作を重ねて、「捕獲を想定できるほとんどの魚種」において旨いと思える調理方法を選びました。 また「料理を提供する方法&空間」についても創造することで、今までに無いプレゼンテーションを行っています。

ゆえに料理名には個別の名前を与えず「らくだ鮨」としています。










レポートの構成上、先にレシピと画像を載せてはいるが、


まだこの時点においては、作った本人以外は料理の全貌を知らないのである。


これからどんな料理が出てくるのか!?


そしてその味は、どれだけ食する者の心に響くのか!?



























と・・・



























「とりあえず、乾杯じゃい!」



「くーっ、美味いっ!最高!!」



本日最後の乾杯を終え、ビールをグイッと流し込んだ。

ボクとジュゴンさんは、もう純粋に食べたいばかり。

でもラクちゃんとホリちゃんはね、まだ緊張から完全には解放されていない感じ。

それがまた不憫でもあり、少しだけ羨ましくも思えた。



そんなひと時。



「それじゃ、ホリちゃんの料理からいきますか!」

「何やら温かそうな料理やんね♪」

「冷める前に早く食べさせてくれい!!」











秋も深まる聖地の山奥に、新しくオープンした洋風レストラン。ビストロ・デ・ホリエモン。

そこのオーナーシェフがなかなか面白い料理を出すというので、近くまで来たついでに立ち寄ってみた。



カランカラン・・・

「こんばんはー。」



深夜遅くに行ったにも関わらず、小さな店内には2名の男性客が楽しそうに会話を弾ませていた。

やはりこの店の常連だろうか。しかし声を掛けてみると、私と同様に初めてこの店に来たようである。一人は地元・島根の方だったが、もう一人はなんと大阪からわざわざこの味を求めて足を運んできたそうな。



「この店のどんなメニューが有名なんですか?」

「決まってるじゃないですか。グレタンですよ。」



二人の客は、声を揃えてそう言った。



「グレタンですか。へぇ〜、面白そうだな。。。」

「あの、もし良かったら3人で一緒に食べませんか?そろそろ運ばれてくる頃なんですけど、ここのグレタンはちょっと大きくてね。それに食事は人数が多い方が楽しいですし。」

「え?いいんですか?」



私は彼らの厚意に甘えて同座し、この店の名物料理を待つことにした。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「お待たせ致しました。カボチャグレタンでございます。」

「!?」

「ひ、、、カカ、カ、カボチャ・・・!?」



何を隠そう、グラタンは大好物であるが、カボチャは大の苦手なこの私。

カボチャスープやカボチャコロッケなど原形を留めていないモノに関しては比較的食べれる部類に入るが、カボチャの煮付けなどは絶対に受け付けない。自分の子供に対しても、「カボチャは食べなくてもパパのように大きくなれる」と言ってこれまで育ててきた。果して、このカボチャグレタンはいかがなものだろうか。(味云々ではなく、食感がNG。)

まずは新たな味との出会いよりも、苦手な食材を食べなければならないという不安の方が、私の心を大きく揺さぶった。仮に今回は二人しかいない審査員のうちの一人が料理を食べれなかった場合・・・。シェフの一年間の努力の成果(評価)を、私の好き嫌いで無下に扱われるだなんて・・・。



聖地の神よ。

っていうかホリちゃんよ・・・。

何故にケビンでオレにカボチャを食べさせるか。。。



そんなことを知る由も無く、シェフは誇らしげにグラタンの入った熱い陶器をテーブルに置いた。

そして徐に、陶器の蓋を取り外す。



「カ、カボチャの形はどないなっt・・・!」

「ぅあっちィイ!!!」



食い入るように近付けた私の顔を押しのけるかのように、熱い湯気が容器からブワッと噴き出し、それから間も無く焼けたチーズの香りがケビン棟内を優しく包み込んだ。



「うわ、めっちゃえぇにおーい!!」



この季節、この環境、この酔い具合と、このタイミング。そこに、この香りである。

激しく描き立てられた食欲。

こうなればもはや、カボチャの形などを恐れている場合ではない。


トロトロに蕩けたチーズを引き伸ばしながら、シェフが自ら器へ取り分け、目の前へと差し出した。その光景をうっとり見詰める3名の客人。紙の器にチープな感は否めないが、そこはケビン。それを気にする者などどこにも居ない。


「いただきま、、、」

「あ、ボクもういただいてまふ。」



アツアツのグレタンを頬張り、ホクホクと口から湯気を出しながらその味を確かめた。



「文句無しに美味いね。」

「ホリエモン史上、最高傑作。」



3人の客は、惜しみない賛辞を並べながらその味に舌鼓を打った。それはただグラタンとして成立していただけではなかったのだ。私はこれまで数多くの店でシーフードグラタンを食してきたが、その具材は貝類を始めエビやイカといった甲殻類が多く、それ自体を食べて素材の味を感じる事はあっても、こうして一口一口に海を感じながら味わうことはできない。早めにグレを投入し、煮崩れしたことを懸念する声もあったが、私にはそれが逆に良い方向に転がったと受け止める。これにより、素材の味は確実に広がりを見せたのだ。

徐々に少なくなっていく器の中に寂しさを感じながらも、静かに目を閉じ、鼻腔から抜ける息の中を探ってみた。

コク深いクリーミーな大海原の向こう側に、ダイバーの目を惹き付けるグレの群れがユラユラと泳いでいる。

確かな旨味と豊な風味。それは素材を活かす技術が成せる技。そしてその裏にあるのは、目には見えない努力の結晶。

勝利を引き寄せる、渾身の逸品料理・カボチャグレタン。

熱い容器の中でトロトロに蕩けていたのは、食する者の心だったのかもしれない。




【ケビンノートより引用】

カボチャグレタン → どいつもこいつもダジャレばかり   byラク
          タカノハルマキに影響されたか?
グレを早い段階で入れた。美味いかもしれないが、魚の味が消えたか?
理想はもっと後で。どうせ火は通るんで。   byホリ
風味が残ってるね、海鮮の。 byラク
これはフランスパンが欲しいね byジュゴン
ローソンのシーチキンパンのシーチキンをつまんでナメてみたところ、「あれ?これってカボチャグレタンじゃね?」っていう印象。byジュゴン
↑それってシーチキンパンが主役の話!?(ミーチンの突っ込み)
マッシュルームの差で、カボチャグレタンの勝ち。これはモテるよ!byジュゴン







それでは続きまして、ディフェンディングチャンピオン・らくだ氏のプレゼンテーションを・・・

というタイミングで、らくだ氏は我々にこう告げたのである。



「あのー、ちょっと全員一旦ケビンの外に出てもらっていいっすか?」

「え?マジで?今から?寒いから嫌だよ。」

「いいから出ろって。オレ(チャンプ)の言う事が聞けねーの?」

「いつになったら入らせてもらえるのですか?」

「とにかくお前ら、オレがいいって言うまで入るんじゃねーぞ。」

「・・・はい。」








なんと我々は深夜1時過ぎ、ケビンの外に追い出されたのである。








「・・・。」








「さぶー。」








「・・・。」








「うぅーーー、まだかなーーーーー。」









「何分経った?もうそろそろ、えぇんちゃう?」









「マジで風邪ひくぞーーー!!!」









トントントン・・・








「あのー、、チャンプ、そろそろ入って良いですかー?」








































「…、どうぞ。」





ようやくここから、らくだ氏の実食が始まったのである。。。











強く叩けば穴が開きそうな古びた木製の扉。


その扉の向こうに、隠れた名店はあった。


創業32年。天下の台所・大阪の下町で修行を積んだ若大将が営む、「らくだ鮨」だ。


この店は若大将自らが海に入って漁を行い、その日に獲れた新鮮な地魚のみを厳選して扱うことで、食通をも唸らせる。


すでに週末は半年先まで予約が入っているこの店の味を、今夜はゆっくり堪能したいと思います。


「ごめんください。」

「…。っしゃい。」

「あの、予約していた3名ですけど・・・」

「…。(無言で席に座るよう促される)」

「何かお勧めってありますか?」

「今日は時化でね…、あまり食材が入ってないんです。」



瀬戸内のさざなみのように小さな声でそう語る姿は、審査員の目にどう映ったか。



「えーっと、それじゃ、、、大将のおまかせで…」

「…はい。」



カウンター越しに、流れるように鮮やかな手捌きでシャリを握り始める若大将。厳かな雰囲気の中、静けさを増すケビン棟内。その堪え難い沈黙に痺れを切らした委員長が、ポツリと口を開いた。


「これは何の魚ですか?」

「………。」

「あの、大将、この魚の名前って…」

「…いしだい。」

「…、へぇー、珍しいですね。」

「………。」

「こ、この時期のいしd…」




その言葉を遮るかのように、若大将は私の目の前に鮨をそっと差し出した。

艶やかで、それでいて力強い漢の一貫。

KOCもついにここまで来たかと思わせるには、十分過ぎるまでのインパクトを備えていた。

しかし、、、これは何かが違う。それは良い意味ではなく、残念ながら悪い意味で、だ。

言うまでも無く、KOCではこれまで輝かしい成績を残してきたらくだ氏。

その料理の手法はらくだマジックと称えられ、食するものに驚きと感動を与えてきた。

何故ならそれは、我々にとって未踏の領域で真摯に試行錯誤を積み重ねた結果に他ならない。

さぁ。今年は一体どんな目新しい料理で、審査員の票を獲得するのか。

どんな国の、どんな調味料を、どんな色合いで。。。

それを期待する声も多いというのに、、、なんて事だ・・・。

今回は日本人なら誰でも食べたことのある料理、「鮨(寿司)」である。

そして魚は我々スピアマンにとってはお馴染みの、「イシダイ」ときた。

らくださんよ。残念ながらそれは想像するに容易い味だ。

たしかに安定感はあるが、それ以上でもそれ以下でもない味。

たかが1時間で、一体何が出来るというのだ。容を整えるだけで、精一杯じゃないのか。


私はとくに期待に胸を膨らませることも無く、目の前に出された握りをそのまま口の中へと運んだ。

モグモグ・・・、

モグ・・・、モグ?

「な、なんだこれは…、」

いやいや、どうして。あのイシダイが、この短時間でこれほどまでに気高く様変わりするものなのか。さらにそれが完成度の高いシャリと混ざり合い、口の中で共鳴する事により生まれる見事なまでの優雅な味わい。

芳醇。豊潤。芳潤。

これらのキーワードが、素材を噛み締め、味の出所を探せば探すほど頭の中で目まぐるしく変換されていくのだ。



さらにその感動冷め遣らぬまま、何処からとも無く静かに軍艦が姿を現した。それはイタリアの風を身に纏い、同じ“鮨”というカテゴリーでありながらもその味は似て非なる様相を呈する。完全な「和」で勝負と見込んでいた私は、この無敵艦隊の放つニューテイストな援護射撃を前に、見事に崩れ落ちてしまった。


「ちょ、ちょっと待ってくれ…この味は一体。。。」



漢一貫、らくだ鮨。



やはりそこにあったのは、誰もが知る料理。

しかしそこにあったのは、誰もが知らない味。



寡黙な若大将が本当に握っていたのは、食する者の心だったのかもしれない。




【ケビンノートより引用】

らくだ鮨  まず3人、外に出される!!!これはヤバイ!!マジ、キテる!!
一貫食い終わるまで、皆正座だった。
Q「大将、ホウボウ入ってますか?」
A「出せるホウボウではなかった」
うまいなぁー、なるほどなぁー、あんた天才や!
おーい、この大将に小切手書いておくれ byジュゴン







素晴らしい。


何れも決勝に相応しい、素晴らしい一品料理だった。


そしてこの料理に優劣をつけなければいけないのが、


我々審査員の宿命。






















ジュゴンさん、どうですかね。

うんうん。

ボソボソ・・・。

へー。

はいはい。

ほー。

では・・・。

はい。

そうですか。

えぇ。































決まりました。

























ようやく、集計完了でございます。































それでは発表します!


























2014年度 第6回 KING OF CABINに輝いたのは・・・、

































どるるるるるるるるるr・・・・・・・・






































「勝者…、」

















































どるるるるるるるるるるるるるるるるるるr・・・・・・・・























































るるるるるるるるr・・・・・・


































































ジャン!





















王者・らくだ!




らくだ氏がKOC史上初となる連覇を達成し、歴代最多となる通算3度目の優勝を飾った。

KOCを知り尽くした男が、KOCで優勝するための全てを出し尽くし、そして手にした最高の勝利。何かと波乱含みで揺れ動いた第6回大会ではあったが、そんな中でも状況の変化に柔軟に適応し、魚の捕獲から難易度の高い調理、さらにはプレゼンの細部に至るまで計画を確実に遂行できるスキルは、これぞまさしく王者の証と言えよう。

結果的にたった二人でのマッチレースになったが、少なくとも今回の優勝の価値感に対し異論を唱える者はいないだろう。そう胸を張って言えるほど、本当に素晴らしいパフォーマンスであった。


















一方、惜しくもあと1歩というところで初優勝を逃したホリエモン氏は、
















悔しさのあまり、その場に崩れ落ちてしまいました。。。
















しかし、昨日の敵は今日の友。

















王者はそんなホリちゃんを優しく抱き起こして、





























からの・・・


































Victory!!









ある意味、ホリちゃんの順位が一番残酷だったのかもね。。。



総合 見た目 アイデア 努力 合計
ジュゴン ホリエモン 21
らくだ 21
み〜ちん ホリエモン 21
らくだ 23
ホリエモン (合計) 10 42
らくだ (合計)合計 10 44








■ 閉会式


そろそろ活字を追うのも疲れてきたことでしょう。

最後は画像中心でサラッと流しますね。

え?決してサボってるわけではありませんよ。





【表彰式】




まずはジュゴン委員長より、優勝盾が授与されます。




続きまして、ケビン集合創始者より、優勝記念品が贈呈されます。





【説教】

次に、王者らくだ氏よりありがたい説教を頂戴致します。



【ケビンノートより引用】

準優勝 ホリエモン

順位としては良い。2位。マダイも獲れた。
今回のケビン集合でも屋台骨的な存在。
料理はもっと突き抜けてくれ!ヨーグルトケーキを超えるくらいの。味を調える精度は高い!それが出来れば、KOCを狙える位置にいる。がんばって。

【ケビンノートより引用】

ブービー み〜ちん

君と会うのは一週間ぶり。
一回りも二回りも成長してた。奇抜な発想は食感にも感動をもたらした。まさに、ロッケンローリー!成り上がってほしい!!


【ケビンノートより引用】

奈落 ジュゴン

朝のうどんは良かった!感謝!
今日はベベだったが、ハイレベルな中での4位だ。例年なら2位!練習不足、肘を壊していたのもあるが、、、次回は完成した素晴らしい料理を食わしてくれ、よろしく!






【閉会の言葉】

最後は、KOC審査委員長ジュゴン氏よる閉会の言葉で締め括られました。



【ケビンノートより引用】

AM2:45 委員長より
まずこの時間に委員長が寝落ちしていないことが奇跡。それもみんなが楽しくやれた、それぞれが真剣に取り組んだ結果。
今回のチャンプはさすが。安定の力を見せた。プレゼンもすばらしい。
ホリちゃんはダークホースからホワイトホー、いや、ホワイトソースへ、いや、ホワイ、なぜに?
ブービーミーチン、今回は正直びっくりした。食感との持ち合わせはびっくりした。
来年は10周年、その辺はみんなで考えて、みんなで知恵を出し合ってよいイベントにしたい。競技ではなく!








こうして長い一日が、ようやく終わりを告げました。


今夜は寒いので、4人並んでロフトで就寝します。





「おやすみなさい。」