CABIN 2011

『第3回 日本海遠征』
〜 ケビン集合2011 〜
突行日 2011年 9月 18日




■ はじめに





  ケビン集合。 それは魚を突いて、それを肴に喰らう者の集まりである。


  ケビン集合。 それは選ばれし者が、最高の栄誉と自己満足を手にする場である。


  ケビン集合。 それは血と汗と涙と、笑いの絶えない2日間の物語である。







第5回 ケビン集合 (2010年度)
 年を追う毎にその完成度に高まりを見せつつあるケビン集合だが、特に去年のインパクトは郡を抜いて強烈だった。悪天候・時化・薄い魚影という三重苦をものともせず、充実感満載の二日間。ケビン棟内での余興として手探り状態で始めたキングオブケビン(以下・KOC)も、2年目にしてしっかりとした基盤が築かれ、その存在は悪条件における魚突きのモチベーションを強制的に底上げし、コンテスト全体のレベルアップと共にケビン集合においては早くも無くてはならないものになりつつある。


 こんな年に一度の一大行事に、期待をするなという方が無理な話。


 しかし、今年のケビン集合は、過去に例を見ない悪天候・悪海況での開催を余儀なくされそうである。


 太平洋に位置する二つの台風の影響を受け、かなり不安定な空模様が続いており、週間予報は落ち着かず、海況予報も当てにならない。



「荒れた日本海に強行して風裏の湾内で潜るか?

「いや、湾内でも突行は無理か?
 
「穏やかな瀬戸内海という選択肢はどうか?」



 開催2日前に発表された天気予報を確認した時点で、日本海開催を断念し、ケビン集合史上初となる瀬戸内海(山口)開催が仮決定となった。


 急な開催地の変更…。


 普通の仲良し魚突きキャンプなら何も問題は無いが、ケビン集合にはKOCという海に生きる輩達のプライドを懸けたイベントがある。KOCに正式エントリーすることのできる魚は当日の自分の突果のみであるため、ケビナーはその目的魚種が獲れると想定した上で各自調理実習を重ねてくる。日本海では安牌に位置するイシダイやキジハタは、瀬戸内海の地磯では捕獲(遭遇)難易度の高いターゲットへと変わってしまうわけだ。


第1回 KING OF CABIN (2009年度) 第2回 KING OF CABIN (2010年度)


 さすがに参加者の動揺は隠せなかった。


 誰もが昨年のケビン集合では悪海況のため食材調達に四苦八苦し、凄まじいプレッシャーに耐えながら小魚を必死に追い掛け回した惨事は記憶に新しい。その中でも昨年は貧果による肉量不足で素材の味が活かし切れず、ワーストオブケビン(最下位)に沈んでしまった初代王者のサイモン氏。天と地を知る男の今年に掛ける意気込みは昨年以上に強く感じられたが「今回のKOCは絶対にキジハタで…!!」と早くから決め込んでいたため、言葉には出さないものの、電話越しからは大きな落胆の色が伺えた。昨年の優勝者であるらくだ氏も、イシダイやキジハタが計算出来ないという想定外のKOCと、潜ったことの無い瀬戸内の海に対し、少なからず不安と焦りを感じたはずである。


 そうは言っても潜れる見込みの無い日本海へ行くわけにもいかないため、すぐに瀬戸内海・山口開催の宿泊地の手配をすることになった。しかし、オフシーズンにも関わらず、連休中のためか好条件の目ぼしいキャンプ施設は全て満室。空いているのは海から離れた山間部にある微妙なキャンプ場が数件あるのみ。何もかもが思うように事が運ばず、ついには開催地も宿泊地も決まらないまま、ケビン集合の前日を迎えてしまった。


 不安だらけというか、安心できる要素が何も無い。


 あるのは言い様の無いストレスと、6回目のケビン集合を絶対に成功させるという使命感のみ。


 ケビナー全員、フルボトムのテンションで迎えた前日の朝。


 朝一番の海況予報は、相変わらずの荒れ模様。


 しかし、正午に発表された海況予報は、日本海での突行の可能性を僅かに期待させる内容に変わっていた。


厳しいながらも、何とかなりそうな予感が・・・!?
 午後になり、開催地を再検討する緊急電話会談。


 そして、17時00分。


 全会一致で日本海開催が決定。


 かなりのドタバタ劇ではあったが、今年も秋の日本海を背景に、ようやくそのステージが整った。


 下がり切っていたテンションとモチベーションは、「待ってました!」とばかりに急上昇!


 さぁ、今年はどんなドラマが待ち受けているのか!?


 ケビナーの、ケビナーによる、ケビナーのための2日間が今、始まろうとしている。




 以下、第6回ケビン集合の参加メンバーです。




■2011年度 第6回ケビン集合 出場ケビナー

  らくだ   6年連続6回目の出場  自他共に認めるMrケビン

  み〜ちん  3年連続5回目の出場  ケビン集合創始者

  ぬるはち  2年連続5回目の出場  ケビン集合総書記長 ※1

  サイモン  4年連続4回目の出場  初代キングオブケビン

  ジュゴン  3年連続3回目の出場  KOC審査委員長

  ホリエモン 初出場         ビギナーケビナー  ※2

ケビン集合 オフィシャルドリンク


【注:1】ヌルハチ氏は諸事情により、一日目・夜からの参加となった。初日に突果が無いため、本来ならばKOCにエントリーすることは不可能であるが、審査員による審議の結果、情状酌量の余地があると判断され、今回は特例として以下の条件で魚の持ち込みを許可された。

 @日本海沿岸部で獲れる一般的な白身魚に限る。
 Aマイナス5ポイントからの減点スタートとなる。(審査員人数×−1ポイント)

【注:2】地元スピアマンのホリエモン氏とは2本目の突行直前に偶然出会ったため、その場で交渉の末に半ば強引に拉致。時化のために潜る気の無かった同氏を海へ道連れにし、ケビナーの一員として手厚く迎えた。第3回KOCは審査員&撮影係として参加。


今年も容赦ない辛辣な言葉が・・・

 ちなみに今回のケビン集合においても、ヌルハチ総書記長監修の下、ケビンノートと呼ばれるノートにケビナー達の心の叫びや二日間の出来事を書き綴った。しかし、内容的には書記長・ヌルハチ氏の視点から見た独断と偏見もかなり多く含まれており、その容赦ない文言は、見た者を精神的に追い詰めることから、いつしか『デスノート』と呼ばれて恐れられるようになった。

※っていうか、表紙には一応ケビンノートと書いてあるが、オレ達は普通にデスノートと呼んでいる。

 もちろん今回のレポート(ケビンキャンプ編)も、前回同様にこのデスノートも参考にしながら、詳しく報告させて頂きます。

※意外にも多方面から色々と質問を受けますが、ケビン集合のケビンとは『CABIN』(宿泊用の小屋)のことで、正式にはキャビンというのでしょうか。そこに年に一度仲良しこよしの硬派なスピアマン達が集合し、突果を肴に酒を飲みながら親睦を深めようという、ごく普通のアウトドアキャンプです。また、このケビンキャンプに集いしスピアマン達を、我々はケビナー(CABINNER)と呼んでいます。




 尚、ケビン集合で開催されるKING OF CABIN(第3回KOC)、第6回ケビン集合の要項については、以下をご覧下さい。




『第3回 KING OF CABIN 公式ルール』

 
※赤色文字は、2011年度新設ルール

KING OF CABIN とは・・・】

  ケビナーの中のケビナーであり、聖地ケビンにおいては絶対的な存在である。

  KOCに選ばれし者は、選ばれた時点からその座を降りるまでの間、ケビン集合における面倒な雑用(洗い物、穴掘り、部屋片付け、荷物運び)をすべて免除される。また狭いケビン棟内において、寝床も好きな場所を選べる。

  KOCは毎年開催されるが、3年連続で選ばれると殿堂入りし、LEGEND OF CABINとなる。聖地ケビンにおいては永遠に崇拝される存在となる。

  この栄えある栄誉を手にした者を、当サイトでは末永く称えることとする。



KOC審査基準】

  夜の宴を彩る1品料理対決とする。

  狭いケビン棟内のスペースを考慮し、料理は最小限の量とする。

  制限時間は全行程で1時間とし、鱗を落とすところからスタートとする。

  タカノハダイ、ニザダイに関してのみ、捕獲直後(現場で)の腹出しを許可する。

  時間内であれば2品出しても構わないが、それにより評価が加味されることはない。


  エントリーは当日の自分の突果(or釣果)及び海での拾得物のみとする。

  調味料や味付けに使われる具材は常識で考えられる範囲とする。

  その範囲を超えた場合は評価が下がることとする。(審査員の判断次第である)

  持ち込む調味料などの配合・下拵えは、原則現地で行うこととする。

  突果以外の魚の持ち込みは原則禁止となっているが、急な勤務の都合等により審査員がやむを得ないと判断した場合に限り、特例で許可されることもある。しかしその場合、審査員人数×−1ポイントの減点スタートとなる。


  順位はケビン集合参加者全員の投票により決められる。

  魚の味をどう活かすかがポイントである

  高級魚を普通に出すよりも、B級魚を用いた意外性のある味の方がプラス査定となる。

  ただ単純に美味い魚料理ではなく、「おぉ!この魚、こういう食べ方もあったのか!」という意外性と独創性を強く求める。

  時間は厳守されるため、60分00秒の時点でのエントリーとなる。

  試食直前に設定された3分間のプレゼンテーションの時間内であれば、盛り付け、加熱等の最終調整を行ってもよい。


KOCポイント】

  厳選なる試食後、審査は全ケビナーの投票により決定する。

  1位・・・5ポイント 2位・・・3ポイント 3位・・・2ポイント 4位・・・1ポイント とする。自分への投票は禁ずる。

  獲得ポイント数の最も多い者がKING OF CABINとなり、最も少ない者はWORST OF CABINとなる。

  ポイント上位者から順に、その日の寝床を選ぶことが出来る。

  最下位になった者(ワーストオブケビン)は、翌日朝の食事当番となる。




『第6回 ケビン集合 スケジュール』

【1日目】

1.聖地ケビンを守るスタッフへの挨拶(ケビン創始者・み〜ちん氏)

2.ケビン・開錠(初代王者・サイモン氏)

3.棟内への物資の供給(前年度王者・らくだ氏を除く全員)

4.談合・今後の流れについての確認

5.開会宣言(Mr.ケビン らくだ氏)

6.炊事場へ移動

7.晩飯(日本海産のクチグロ鍋、刺身等)

8.第3回KING OF CABIN開催 制限時間1時間

9.ケビンへ移動

10.     プレゼンテーション後、審査会

11.     投票・開票

12.     3代目チャンピオンによる、説教

13.     大会総評(ケビン創始者・み〜ちん氏)

14.     歓談

15.     寝床選び

16.     就寝

 

【2日目】

17.     起床・点呼・朝食

18.     部屋片付け

19.     閉会式

第2回 ケビン集合 (2007年度)


第4回 ケビン集合 (2009年度)


第1回 ケビン集合 (2006年度)