突行記 ’07

『第17回 日本海遠征』
〜 念願の日本海、初真鯛 〜
突行日 2007年 9月 30日

 はしけんさん&シュウさんとの合同突行。東広島市内某所にて4時に集合し、薄暗い山道を北へ北へと車を走らせる。前日の夜は変なテンションで過剰なイメトレをしてしまい、不覚にも興奮のあまり30分程度しか寝られなかったため、行きの車内では眠たさのあまり何を話したのかもあまり覚えていないほど。。。とりあえず後部座席で30分程度仮眠を取らせてもらい、頭と身体をリフレッシュ。いや〜、あのまま海へ行ったらヤバかったね。

 ■ 1本目 ポイント・OH

 思ったよりも波は穏やかだったが、釣り人がやたら多いのが気になるところ。
 7時30分より、釣り人に邪魔にならないようにエントリーを開始した。

サイボーグ化して復活したエスカペ

 まずは新しいフィンの進水式。死にかけていたエスカペのブレードだったが、いざ海の中でキックしてみると…、んっ!?…かなり生き返っていた!!むしろ新品の時よりも硬くなり、反発力も増していたような気が…(笑)。補強に使用したステンレスプレートのしなりもかなり良い感じ。硬過ぎず、柔らか過ぎず。蹴りながら後ろを振り返ってみると、結構良い感じにフィン全体が撓っているのが確認できる。思った以上の復活振りに、正直驚いたほど。
 ブレードの付け根を硬くしたため、さすがに足首に掛かる負担(水面移動時)は若干大きくなってしまったが、ポイントへ着いてしまえば後は問題ナッシング。潜行と浮上のレスポンスも非常に良く、ブレードがステンレス板で補強されているなんてことは微塵も感じさせられなかった。

 肝心の海の方は、魚影に関しては期待以上。年間通してもMAXの状態と言えるだろう。

 目的の瀬につくなりヒラマサ60cm×20〜30匹の群れが何処からともなく現れる。視界ギリギリのラインを行ったり来たりするだけで射程には入って来なかったが、数回の潜行に一度の割合で青物のシルエットを確認するこが出来た。
 イシダイやメジナに関しても、個体数・サイズともに凄まじかった。どこにでも居るわけではないが、イシダイの居そうな沈み根には必ず50cm〜60cmの群れが居着いており、寄せればかなりの確立で射程圏内に入って来る。
 キジハタの数も期待通り。透明度が悪かったため、出会う頻度は少なかったものの、アコウ臭のする根にはほぼ確実にキジハタのホバリングする姿を確認する事ができた。

 開始から1時間近くが経過したところで、とある大きな沈み岩にてヒゲダイの老成魚の姿を確認する。実は前回の突行でも同じ場所で同じサイズの個体を目撃していたため、この日も「もしかしたら?」という期待は持っていた。サイズは確実に60cmは超えており、その存在感は群を抜いている。何を考えているのか解らないが、特に泳ぎ回ることも無く海中のウネリに揺られながら気持ち良さそうにホバリング。突けば間違いなく記録級なのだが、この個体に関しては「捕獲」という選択肢は無く、ただひたすら写真や動画を撮りまくり、ヒゲダイとの楽しい時間を共有するに留まった。

1本目の突果

 結局ここでは岬の沖にある根でキジハタ44.0cmと54.0cmを立て続けにゲット。その後、適当に寄って来たイシダイ(61.0cm)も1匹追加し、終了予定時刻と共にエキジットとしました。


 ■ 2本目 ポイント・HN

 こちらの海も、穏やかな面持ちでオレ達を迎え入れてくれた。「秋、日本海、凪」という3拍子揃った最高の海で、2本目の突行を開始することに。

 12時15分、2本目のエントリーを開始する。

 定期的に空潜りをして海中や海底の様子を伺いながら、沖へ沖へと泳ぎ出る。個人的にはこのポイントで良い思いをした経験が無く、何処に魚影の濃い根があるのか解らなかったため、ただひたすら海底環境を確認しながら大型魚が好みそうなポイントを探して泳ぎ(彷徨い)続けた。

 1時間程度が経過したところで、とある沈み根のトップ周辺に群がる小アジの大群を確認。「モノ凄い小魚の魚群密度だなぁ〜」と妙に感心しながらその光景を眺めていたら、何処からともなく数匹のブリが凄い勢いで姿を現し、焦ってヤスを構えるオレを嘲笑うかのように一瞬にして視界の外へと消えて行った。2本目の開始以降、初めて見ることが出来た回遊魚。獲れそうなシチュエーションではなかったが、「ここで執拗に粘っていれば、またいつか青物が周ってくるかも!?」と思い、とりあえずこの根に張り込んで次なるチャンスを待つことに…。

 ところが、幾ら待てども回遊魚の姿は現れなかった。小アジの群れはいつまで経っても緊張感を感じさせる事は無く、辺りを悠々と泳いでいる。ここで少し気晴らしに隣(沖側)の根に移動し、海底付近まで何気なく潜ってみると・・・そこで目にした光景は大型イシダイの歩行者天国。サイズは50cm後半を中心に、最大で70cm弱の個体が20匹程群れを成していた!これだけ大型の個体が揃うと、イシダイに対する価値観というモノが完全に麻痺してしまう事が実感できる。とりあえずゴリゴリと寄せるだけ寄せながら、突こうかどうしようか?と迷っていると、そのクチグロスクリーンの奥から熱い視線を向ける1匹の根魚…


 クエだ!!


 こちらをガン見しながらホバリングするクエ!サイズは75cmクラス。

 イシダイで迷っている場合じゃない。呼吸状態・シチュエーション共に万全の状態で挑むため、とりあえず気付かなかったような素振りで一旦浮上し、呼吸を整えて再潜行。クエは全く同じ場所でホバリングしていたが、こちらが少し近付くモーションを見せると直ぐに近くの岩下へと身を隠してしまう。青物のことはすっかり忘れ、何度も空潜りを繰り返しながら、クエの射程に入るチャンスを伺った。数回に一度はクエのシルエットを見ることができたが、岩穴の入り口付近での攻防だったため、警戒されては全てが終わり。うかつに手が出せない。それを繰り返している最中、何気なく後ろが気になり振り返ってみると…


 マダイだ!!


 奇麗な尾鰭を伸ばし、優雅に泳ぐマダイ!サイズは60cm強。

日本海で初の真鯛ゲット!

 振り向いたオレの視界の中を左から右に横切ろうとする薄桃色のシルエット。ヤスはマダイに対して180度逆方向を向いていたため、水の抵抗を受けながらも静かに(かつ強引に)マダイの方へと照準を合わせ、マダイが射程付近へ再接近したタイミングでワンダッシュ!そして頚部を狙ってヤスを一撃!!突いた直後から猛ダッシュされてしまい、取り込みには少し時間が掛かってしまったが、ヤスは頚部〜胸鰭付近の良い所を確実に貫通し、アイシチョッキはしっかりとカマを捉えている。バラす気配は無かった。日本海初真鯛64.5cm。

 真鯛をストリンガーに通した後は、再び先程の沈み根にて何度か空潜りを繰り返す。クエのシルエットはその後も数回に渉って確認する事が出来たが、最後まであと1歩が寄り切れず、ここで無念の時間切れ。相手が相手だけにさすがに未練も大きく、喉から手が出るほどロスタイムが欲しかったが、3日後にリベンジに来る予定も組んでいたため、この先はその時のお楽しみにとっておくのも悪くないかな。…と自分に言い聞かせ、最後の最後に寄って来たイシダイ64.0cmを1匹仲間に加え、潔くそのまま納銛としました。




場所 日本海某所
−突果写真・2本目−
天候 晴れ
海況 弱風 波1.5m
中潮 干潮 9:00
透明度 7m前後
潜水時間 7:30〜14:00
最大水深 16.5m(25.3℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ・改
突果 キジハタ 54.0cm 44.0cm
マダイ 64.5cm
(日本海初捕獲)
イシダイ 64.0cm、61.0cm




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