突行記 ’07

『第18回 日本海遠征』
〜 クエは何処へ? 〜
突行日 2007年 10月 3日

 早朝より車を走らせ、向かった先は日本海。今回の突行で狙うのは、3日前に悔しい思いをさせられた根魚の王様・クエ!出会った根の位置や形状はまだ鮮明に記憶している。イメトレも十分過ぎるほど積んで来た。海はベタ凪、空は快晴。回遊魚も十分期待できる季節だけに、モチベーションもMAXに近い!

「うぅぉぉぉ!今日は何だかやれそうな気がするぞぉ…!!」

 テンパる寸前のテンションを抑え、8時15分よりエントリーを開始した。

 ■ 1本目 ポイント・OH

 ベタ凪なのは解っていた。魚影が濃いのも解っていた。でも、ここまで透明度が悪いのは正直想定外だった。高かったモチベーションは確実に低下し、それと同時に先行きが少し不安になってきた。

‐沖磯裏の瀬‐
 まず最初に向かったのは、このポイントで最も回遊魚の遭遇頻度が高い“沖磯裏の瀬”。しかしこの日は透明度が悪かったせいか青物の姿は全く見られず。小アジの群れも例年より少なめ。その他確認できる魚も、メバルやメジナにスズメダイ、タカッパ…。根周りではヒラスズキも数匹見ることが出来たが、どの個体も痩せこけていたためにノータッチでEND。

‐ヒゲダイ岩‐
 続いて向かったのは、何故か馬鹿デカいヒゲダイの老成魚が毎回のように現れる沈み岩。今日もその例外では無く、これで3日連続でこのエリアでヒゲダイの老成魚を確認することができた。前回の突行で写真はしっかりと撮っていたため、今回は眺めるだけで見送り。もうかなりの御爺さんなんだろう。いつまでも長生きして欲しいね。

キジハタ 52.5cm

‐岬沖の沈み根‐
 最後に行き着いたのは岬沖の沈み根。
 今回も魚影は濃かった。イシダイぐるんぐるん。メジナうじゃうじゃ。キジハタぽつぽつ。
 ここでも残念ながら最後まで青物は現れなかったが、水深15mのボトムラインでイシダイの大きな群れに遭遇。ゴリ寄せをすると好奇心旺盛なボス格のクチグロがジワリジワリと寄って来た。射程ギリギリのラインで何度かクイックターンを見せられたが、最後は激しく名人寄せで呼び込み、その横っ面を一突き!その後、水深10mちょっとの根の壁面に居たキジハタを1匹捕獲し、予定の3時間が終了。実はこのキジハタを取り込んだ直後に60cm弱のキジハタとも同じ根で遭遇しているのだが、あまりにも余裕過ぎるシチュエーションで出会ったため“確実に側頭部抜き”を過剰に意識してしまい、何度かあった射撃チャンスに一度もヤスを撃つこともなく…その結果、愛想を尽かしたキジハタは複雑に入り組んだ海底へと雲隠れ。。。
 時間を掛ければ再びチャンスが巡って来ることは十分に予測できたが、予定では2本目が本日のメインバトルとなるため、早々と切り上げクエの待つポイントへの移動を試みることに…。

イシダイ 66.0cm 顔付きがゴツイね!!



 ■ 2本目 ポイントHN

 ウェットを着たまま車に乗り込み、東へ向かうこと約30分。

 期待値MAXで挑んだお目当てポイントは、強風により辺り一面が白波立ち、1本目とのコンディションの違いにかなり戸惑ってしまった。とりあえず準備を済ませて気合と共に海へと飛び込んではみたが、いざ海へ入ってみると、波の高さよりも潮の流れが速過ぎて魚突きにならない。

エチゼンクラゲが大発生

 かなり厳しい状況の中、前回突行時の3倍近くの時間を掛けてクエを目撃した沈み根へと向かったが、無情にもクエはおろかまともなサイズのイシダイすら見ることが出来ず…。確認できた青物もゼロ。期待が大きかっただけにその反動も大きく、突行意欲は一気に下がってしまった。海中には異常なまでのエチゼンクラゲが浮遊し、それが速い潮流に乗って次から次へと迫ってくる。潜行するにも浮上するにも、こいつらの存在が気になって気になって仕方がなかった。

 結局ここでは2時間弱粘ったにも関わらず、捕獲できたのは表層付近を泳いでいたチビアオリイカ、1ハイのみ。


「こんなことならポイント移動するんじゃなかった…(涙)!」

 と後悔しながら、波酔い寸前で逃げるようにエキジットしたのは、言うまでもない。




場所 日本海某所
−突果写真−
天候 晴れ
海況 弱風→強風 波1.0m→2.0m
小潮 干潮 16:00
透明度 3〜6m
潜水時間 8:15〜14:45
最大水深 16.7m(24.9℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ
突果 キジハタ 52.5cm
イシダイ 66.0cm




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