Computed Radiography



症例    クロダイ 42cm ♀ 年齢不詳
       遊泳中に意識消失し、救急外来を受診。両側頭部に外傷あり。

■ CT画像

全身(吻〜尾鰭)CT


頭部(眼窩〜頚部)CT


■ CT所見
 全身CTを施行した結果、頭部に極めて致命的な骨折を認めた。
 骨折が確認できた位置は、吻より尾側ヘ50〜60mmのレベル。右図に示す
赤い矢印の位置(左側頭部)に、鋭利な突起物(おそらくチョッキ銛?)をかなりの勢いで突き刺され、それが赤い点線のような軌道を通り、右側頭部まで貫通。@とAの差が5mmであることから、ほぼ真横・斜め上から撃ち込まれたことになる。これにより、患者は相当油断していたと推測される。
 またここで注目すべきは
黄色い実線の先にある骨に囲まれた灰色の部分。これはおそらく位置からするとクロダイの脳であると思われる。右図の通り、ヤスは脳の直上をかすめるように通過。あと数mm下を貫いていたら、綺麗にキルショットが決まったのだろう。
 その他に異常所見は見当たりませんでした。


■ 経過
 検査終了後、冷蔵室にて一日熟成。翌日、チヌ飯・アラ汁として供養させていただきました。

■ 診断
 頭部骨折 及び 脳挫傷によるショック死




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