突行記 ’07

『第11回 日本海遠征』
〜 大アイナメ島に初上陸 〜
突行日 2007年 8月 22日

 波高2m。南西の風5〜7m。
 オフショアを期待しての突行だったが、残念ながら海は想像以上に時化ていた。波は容赦なくダイレクトに打ち寄せ、岸壁には高い波飛沫が上がり、そして沖合いには無数の白波が…。サーファー達は“この日を待ってました“とばかりにサーフボードを並べ、次から次へと押し寄せる波に乗りながら、気持ち良さそうに夏の海を満喫している。

 そんな状況下での魚突き。

 クエ狙いの突行を予定していたが、エントリーとエキジットの安全を考えると、攻めれるポイントは限られてくる。結局今日は安全策を優先し、砂地エントリーのオカズ狩りポイントにて魚突きを行う事になった。


 −1本目 ポイント・HP−

 大きなウネリの影響で思ったように泳ぐ事が出来ず、いつもより倍近くの時間を掛けて沖磯まで泳ぎ出た。これだけ波があったにも関わらず、砂地ベースのポイントで7m近くも透明度があったことは嬉しい誤算。とりあえず波酔いすることは確実だったが、魚突きが出来るということにまずは一安心。

 魚影は相変わらずピンポイントで濃かった。イシダイ、イシガキダイ、メジナ等の中途半端なサイズが沈み岩ごとに密集して群れており、コショウダイ、コロダイ、コブダイ、スズキなどがその周りをチラホラと…。どれもこれも中途半端なサイズで獲る気にはなれないが、相変わらずスキンダイビングを楽しむには良い光景だった。

 ちなみにこのポイントでの対象魚はキジハタと、磯周りの砂地に潜むマゴチ&ヒラメ。

悪海況にも負けず、キジハタ 53.0cm!

 1時間30分ほど沖磯周りを探索した結果、このポイントで確認できたキジハタは合計4匹(53cm〜35cm)。沖磯到着直後に現れた微妙なサイズの個体を見逃し、先日の突行(8月6日)で50cm級の個体をスルーした沈み岩へと向かった。そこでその同じ沈み岩の同じ岩穴を出入りするキジハタを確認。同じ岩下にもう1匹40cm級のキジハタが出入りしていたが、そんなの関係ねぇー(小島よしお風)ってな感じで大きなキジハタに照準を合わせる。潜れはほぼ確実にキジハタの姿を捉えることができたが、ヤスを構えると直ぐに岩下に逃げ込むなかなかのシャイボーイ。しかし、同じ行動を繰り返すだけで、遠くに逃げる気配は感じられない。慎重にアプローチすれば確実に獲れる必勝パターン。右から近寄ってみたり、左から近寄ってみたり…。7〜8回目くらいの潜行にて、ようやく心を開いたキジハタは大胆にも岩下から2m近く離れてホバリング。真正面からロックオンし、振り向きざまに“こめかみ”を一突き。ヤスは両眼後部を真横に貫通し、キジハタはピクリともしなかった。前回の突行に続き、50cmオーバーの完璧なキルショット。オレとキジハタとの信頼関係の賜物だろう。

 その後は磯際の砂地でヒラメを1匹追加。キジハタに関してはまずは1本目ということもあり、最大サイズの1匹だけを捕獲し、残りは次回以降の突行に回す事にした。


 
−2本目 座礁ポイント −

 水君の推奨するマゴチが狙える砂地のポイント。
 となりのトトロに出てきそうな細い林道をすり抜け、人気の無い砂地の駐車場に到着。ところが水君の車が勢い余って(失って?)砂浜に座礁してしまい、約2時間のロスタイム…。炎天下の脱出作業はかなりの労力を費やしたが、「JAFを呼んだら負け」的な考えになり、パンツ一丁で意地の採掘作業。ギャッジで車を上げて、砂を除いて、板を噛まして、また砂を除いて。。。車が動いた時は、ちょっぴり感動しちゃいましたよ…(涙)。

 いやー、人間やればできるもんだ(笑)!

 結局ここではパンツ一丁で海水浴。アサリを拾って次のポイントへ…。


 −3本目 大アイナメ島 −

 陸から泳いで約10分のところにある大アイナメ島。砂地ベースの海底に囲まれた小さな島だが、潮当たりも良く、島の周囲半分は岩礁地帯になっており、色々な魚が狙えそうな好ポイント。

 突行開始早々にマゴチのシルエットを確認し、落ち着いて頭部を一突き・・・したのは良いが、取り込みの際、浮上しながら何気なく2mほど離れた海底に目をやると、バカデカいマゴチのシルエットを発見!!

「しまった…、あっちにしとけば良かった…(涙)」

 かなり焦りながら海面にてマゴチを取り込み、直ぐに海底に潜むデカマゴチの下へと向かった。しかし、そこにはすでにマゴチの姿は無く、マゴチのシルエットに窪んだ砂地だけが無言で何かを語っていた。。。

取り込んだマゴチ・・・53cm。
逃げられたマゴチ・・・70cm超(推定)。

 「はぁ〜↓↓↓〜。」

 溜息しか出てこないね。

 若干低めなテンションで、大アイナメ島のポイント探索を開始することになった。

 この島を一周するにあたり、費やした時間は約1時間。島の東側はゴロタと砂地、西側は沈み岩の連なる磯場になっていて、潮当たりも良く、一通りの魚が狙えそうな印象を受けた。出会った魚種も様々で、メバル、カサゴ、ミノカサゴ、アイナメ、キジハタ、メジナ、クロダイ、コロダイ、スズメダイ、ヒゲダイ、イラ、イシダイ、イシガキダイ、ハコフグ、カンパチの群れ(小)、スズキ、ヒラメ、マゴチ、ウシノシタ、コショウダイ、マダイ(小)、他にもアカエイやハゼなど、かなり多くの魚種を確認する事が出来た。中でもアイナメの数は相当多く、40cm級の良型が磯と砂地の境目のエリアに数多く見ることが出来たのは印象的。島全体を通して水深も浅く、エントリーとエキジットも安全に行える。また陸からそれほど遠泳する必要も無いため、初心者を初め、老若男女問わず楽しめそうなポイントだと感じた。

 最初のマゴチを除けば、残念ながら最後まで大物の姿は見ることが出来なかったが、何度か通えば意外な大物が顔を出すかも知れない。何かそんなポテンシャルを秘めた島のようにも思えた。結局この島では磯場でヒラメを2匹(共に37cm)ゲットして終了。初めてのポイントという新鮮さと、豊富な魚種を見れたという充実感に満足し、いつもより少し遅めの納銛となりました。



場所 日本海某所
−突果写真−
天候 晴れ
海況 風速6m 波2.0m
長潮 干潮 16:30
透明度 6m前後
潜水時間 9:00〜16:45
最大水深 12.2m(29.2℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ
突果 キジハタ 53.0cm
マゴチ 53.0cm
ヒラメ 37.0cm × 3匹




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