『緑の下の鰤』

突行日 2006.10.8


 台風の影響により島根遠征を断念し、向かった先は山口県の瀬戸内側。楽しみにしていた日本海行きを断念した時点で、モチベーションは下がる一方。そのせいあってか、朝から寝坊をしてしまい、アイシさんのモーニングコールで目が覚めるという大失態を・・・。ご同行の皆様、ホント申し訳無かったです。。。
 ちなみに今日の合同突行者ははしけんさんとアイシさん。そして初の顔合わせとなる広島素潜ラーのシュウさん。車内ではいつものように賑やかな会話を交わし、ポイントとなる山口県某所へは9時過ぎに到着。手早く準備を済ませ、エントリーを開始した。

 
■ 1本目(最果ての岬)

アイシさんのブリ85.5cm!
 海況はベタ凪だったが、前日までの強風と大潮の流れに影響され、透明度はどこへ行っても2m前後。水深5〜6mの浅場で50cm級のブリのシルエットを確認するも、逃げる後ろ姿を追うのがやっとの状況で、突けそうな雰囲気はない。イシダイを寄せても30cm級のサンバソウしか現れず、日曜日ということもあってか釣り人の数もかなり多い。「この状況ならボウズでも仕方が無いな・・・」と、半ば諦めモードのオレに、アイシさんが何やらイヤラシイ笑顔で近づいて来た。その腰には立派なブリ!しかも軽く80オーバー!うっ・・・やられた・・・。

 
■ 2本目(崖っぷちのポイント)

 お陰様で2本目のモチベーションはかなり高め。流れの早いポイントだったが、水深10mラインへの往復を続けるうちに、何度か良いサイズのブリに出会う事が出来た。中には超至近距離でロックオンしかけた個体も居た(ヤス尻が岩肌に引っ掛かって狙いが定まらず)。ここで粘れば捕獲は時間の問題だろうと確信できたほど、良い感じの海だった。そしてその時間はやって来る。
 再び水深10m前後。遠めに見えるブリのシルエット。興味を示して少し寄って来たが、途中でUターンして激濁りの暗闇へと・・・。しかし、別の方向から再びブリが登場!サイズは70cmオーバー。射程圏内ギリギリのラインから寄ってこなかったため、こちらから少し近付いて半ば強引にヤスを撃ち込む!次の瞬間、視覚的には全く解らなかったが、ヤスを通じてブリのパワーが伝わってきた!ゴムを握り、クッションで力を分散させながら浮上を開始する。透明度が悪いため、ヒットしたポイントはおろか、魚のシルエットすらほとんど見えていない。引きを楽しむ余裕なんて全く無い。ただただ不安だった。このまま上がって大丈夫なのか?海面まではあと少しだが・・・、というところで嫌な不安は的中してしまう・・・!引いていたヤスが“ふっ”と軽くなってしまった。チョッキの先には紐状になったブリの肉片・・・。くっそー(涙)。・・・。でも何なんだろこの感覚。バラした魚には申し訳無いけど、久々海で熱くなれた一時だった。

 その後は50cmクラスの大群に囲まれたりしたが、アイシさんにあのブリを見せられては手を出すわけにはいかず、2時間のタイムリミットを向かえてエキジット。泣きの3本目は同一ポイントにて日没までの1時間勝負だったが、ブリは遠目に1匹シルエットを確認できたのみ。いろいろと次に繋がる収穫はあったが、突果的にはボウズでフィニッシュする事となった。

 緑の下のブリ・・・。数年前は指を咥えて見ているだけの魚だったが、今はそんなに遠い存在には感じない。また一つ大きな目標を見据え、向上心が確実に上向いた一日でした。

 
― 追記 ―

 1本目と2本目の休憩時間、はしけんさんと2人で強烈な流れのポイントへと挑戦してみた。砂浜からエントリーし、数十m先にある灯台まで泳ごうというプラン。丘から見る海面はまるで川の様だったが、目的までの距離も近いことだし何とかなるだろう・・・という軽いノリでエントリーを開始する。

 結果的から言えば大失態に終わった。10mも沖に出ればまともに進む事すらできず・・・。

 とりあえず一旦引き返し、砂浜に腰を下ろしてはしけんさんと今後の方針を相談していると・・・ん!?・・・おっ!・・・ナブラだ!!き・・・来たぁぁぁぁ!!!

 なんと目の前わずか10〜20mほどの海面を小魚がピチャピチャと飛び跳ねているではないか!!

「はしけんさん!ナブラっす!今しかないですよ!!」

と、急いでマスクを被り、ボラ男師匠直伝のナブラアタック
(※1)を開始する!・・・が、現場まで泳ぐも青物の姿は何処にも見当たらない。「おかしいなぁ・・・。」海面から顔を出すと、やはりそこにはナブラが立っている。さらに近付いて海面からじっくりと様子を伺ってみると・・・思わず笑ってしまうような光景が目に映りました。たしかに小魚は群れていましたが、その一帯はかなり強烈な潮の流れが局所的に発生していたため、それに流されまいと小魚の群れがジャンプしながら必死で泳いでいるのがナブラの様に見えただけ・・・。そしてナブラの誘惑に負けてその凄い潮流に身を投じてしまったオレは、全力でフィンダッシュしても流れに逆らえるはずもなく、あっという間に流されてしまいました。
 流れが局所的だったので横方向に抜け出ることで無事に生還できましたが・・・あそこはマジでやばいっすね。久々に焦りましたよ。目の前の誘惑に惑わされてはいけません。また一つ、賢くなれました(笑)。

 そういえば一緒にナブラアタックするはずだったはしけんさん、流されて行くオレを見て笑ってませんでしたっけ(笑)?

※1 ナブラアタック
我らがぼら男師匠の得意とする技の一つ。完全装備にて海岸沿いをドライブし、ナブラを見つけるや否や車を止め、海へ緊急突撃!そのままナブラの中に泳いで行き、ブリをゲット!信じられないような、ホントの話。




場所 山口県 某所
今日の突果





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天候 晴れ
海況 波高 0.5m 弱風
大潮 干潮 15:30
透明度 2m
潜水時間 9:30〜17:30
最大水深 11.5m(23.5℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ
突果  ―――




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