釣行記


『アクアライフな一日』

突行日 2006.8.27


 毎年恒例となりつつある山形大学・アクアライフとの合同突行。3回目となった今年は天候・海況共に恵まれ、真夏の太陽の下で気持ち良く魚突きという趣味を満喫することができた。久々の出会いと、新たな出会い。海が齎してくれる突果以外の産物に、感謝感激の一日となったが、今回は広島から単身で乗り込んだため、シャイなオレとしては14人という人数を相手に終始圧倒されていました(笑)。

 ■ 1本目(ポイント MS)

 AM9:00 集合場所となった島根県某所の海水浴場を出発。30分程で本日のポイントなるMSへ到着した。陸から見る海は透明度も良く、まるで瀬戸内のようなベタ凪だったが、良く見るとあちこちに漁船らしき怪しい船が浮かんでいる。強行すべきかどうか迷ったが、以前ここの漁師に注意された時に「貝を獲らないんだったらOK」と言われていたため、非常時には臨機応変に対応するという事で、ここでの突行を決断。準備も早々にエントリーを開始することにした。

 まずはアンドンクラゲの大群を掻き分け、湾内から潮当たりの良い外海へと泳ぎ出る。最初の岬と小さな沖磯を結ぶラインの中間地点にある沈み根周りが、このポイントでは最も実績が高い。水深は12〜14m。雰囲気の良い大岩がゴロゴロと転がっており、青物から根魚まで一通りの魚種を確認することができる。今日も例外に無く魚影は濃かったが、イシダイは40cmクラス(数十匹)までしかおらず、その他は数百匹のメバルの大群と、80cmクラスのコブダイが5、6匹。回遊魚の群れも頻繁に回ってきたが、いずれもサイズは30cm前後のチビッコサイズばかり。そのまま何度か潜行を繰り返してみたが、お目当ての魚は一向に現れなかった。(いつ現れてもおかしくない雰囲気ではあったのだが・・・。)

 ここでの魚突きは1時間程度で見切りをつけ、崖伝いを西にポイント移動を試みる。ここから先へは初めて踏み入るエリアだったので少し楽しみだったのだが、魚影が薄い上に釣り人も現れたため、結局30分ほどで引き返すことに。寄り道をしながらエキジットポイントへと向かう途中、水深10〜12mの岩場で50cm級のクエを1匹目撃したが、ヤスを向ける間もなく狭い岩下に入られジエンド。少し粘ってみるも出てくる気配が全く無かったため、潔く諦めて2本目のために体力を温存することにした。

 ■ 2本目(ポイント MS)

 十分な水分と休憩を取った後、本日2度目の突行を開始する。
 2本目の最初に向かったのは沖合いに浮かぶ小磯。途中で何箇所か沈んでいる根を探りながら沖へと進んだが、これといって良い魚には在り付けず、15分程で沖磯へと到着した。こちらも魚影の方はまずまず濃い。サイズはイマイチだったが、かなり良い感じに割れ目や沈み岩が散在し、時間を掛けて探せばクエやキジハタとの遭遇もそう難しい話ではないだろう。

 そう思いながらターゲットを根魚に絞り、空潜りを繰り返すこと30分程が経過。沖磯の中腹に位置する岩の割れ目にて、ようやく1匹のキジハタを目撃することができた。しかしサイズは30数cm。ホバリング中のキジハタに対し、ヤスを向け、ロックオンしたまましばらく悩み続けた・・・。「唯一チョッキ銛を使っているオレが、アクメンの前でこのサイズのキジハタを獲るべきなのだろうか!?」結局悩んだ末に、ここで出した答えは“スルー”だった。そしてそれから数分後、同じ沖磯にダイゴ君とこうへい君が到着。こうへい君の腰には良型のヒゲダイ。そしてダイゴ君の腰には40cm弱のキジハタが・・・。


「ス、スルーして良かったぁ〜。」


 いや〜、ほっと胸を撫で下ろした瞬間でしたね(苦笑)。

 それはさておき、オレがスルーした30cm強のキジハタ。このキジハタの相棒が、必ずこの沖磯に居ると信じ、徹底的に海底付近を探ってみる事にした。海面にて息を整え、何度となく潜行を繰り返す。水深15〜17mの海底で岩下等を探っていたつもりだったが、ポイント全体が沖に向かって深くなっているため、捜索エリアの拡大と共に最大水深がいつのまにか20mを超えていた。水面休息中、ダイコンに表示された“20m”という表示を見て、ちょっぴり感動していた自分がいる。単純に深さを追求すればまだ潜れそうだけど、魚突きをする上ではここらが限界かな?と、身を持って感じることも出来た。

 そんな自分の限界に近い水深で、本日最初のビッグチャンスが訪れる・・・。
 ジャックナイフから数秒後、水深17〜18mの海底付近をホバリングする褐色の魚を確認。透明度が高かったため、それがキジハタと気付くにはそれほど時間は掛からなかった。サイズは50cmクラス。とりあえずそのままゆっくりと潜行を続け、ゴムを引きながらキジハタから少し離れた岩肌に着底した。キジハタは胸鰭を大きく広げ、独特の眼差しでこちらを凝視。辺りにはブラインドになるものが何も無く、完全なる一騎打ち状態となった。一先ず小さな動きで静かにヤスを構え、ゆっくりと海底を這うようにして射程圏内へと向かう・・・。数秒後、徐にキジハタが横を向いたが、射程距離としてはかなり際どいラインだったため、2回目以降のチャンスを潰さないためにもここでは下手に動かず様子を見ることに。するとキジハタはそのままこちらに背を向け、緩やかな傾斜を下ろうとした。「このまま深みに入られては正直辛い!」瞬時にそう判断し、低速で泳ぎ去ろうとするキジハタに対し、左腕一本で軽くワンダッシュ!そして射程に入るなり、斜め後ろから強引にヤスを放った!


「っしゃぁぁぁ〜、作戦成功!!!」


 若干遠目から放ったヤスは、際どくも脇腹から胸鰭付近にかけてを無事貫通!海底付近を暴れ泳ぐキジハタの鰓元をガッチリと掴み、海面へと浮上を始める・・・。いつもより少し長めのウイニングラン。見上げれば、海面にて休息中のダイゴ君とこうへい君の姿が見えた。海面に上がると同時に、喜びを押さえてクールに魚をアピール(笑)!2人が手放しで褒めてくれたのがとても嬉しかったです♪

 一仕事を終えるとプレッシャーから開放されたせいか、急激に集中力が無くなった。さらに時計の針は12時を回り、空腹も限界に来ていたため、3本目に備えてここでもう一度休憩を挟むことに・・・。

 ■ 3本目(ポイント MS)

 完全にクエ狙いで挑んだ3本目。まずは1本目でクエを見たポイントへと向かったが、そんな簡単にクエに再会できるわけがない。無論、岩下を適当に探し回ってクエに出会えるとも思えず、とにかくハタの好みそうな地形を見つけては潜行し、周囲を見渡す・・・という行為を繰り返した。ハタ科の魚を狙うのであれば、岩下を気にするより遥かに効率の良い方法だっただろう。魚が近くに居れば、必ずその存在に気付くことが出来るはず・・・。

 しかし、残念ながら3本目は完全なる不発に終わってしまった。時間的な問題なのか、タイミング的なものなのか、クエに限らず良い魚が全く現れなかった。唯一熱くなれたのが、良型のアオリイカの群れ(7〜8匹)に出会った時くらい。射程圏内まで寄りながら一斉に逃げられた時は、さすがに脱力感MAXだったけどね(涙)。

 ま、今日はキジハタが獲れただけでも満足としよう!何たって3年目にして初めてアクメンの前で良い魚が獲れたんだから♪クエはまた来年の合同突行時に・・・ということで!



場所 島根県 明太子スパゲッティーポイント
今日の突果
天候 晴れ
海況 弱風 波1.0m
長潮 満潮 11:00
透明度 8〜12m
潜水時間 10:15〜16:00
最大水深 20.8m(26.7℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ
突果 キジハタ 49.5cm


 ※ アクアライフとの晩餐会の模様は、PHOTOのコーナーをご覧下さい。



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