釣行記


『日本海 開幕』

突行日 2006.4.29


 待ちに待った2006年度、第1回日本海遠征in 島根。例年に比べて水温の上がりが若干遅いのが気になるが、すでに季節は4月末。そろそろイシダイシーズンも幕を開けた頃だろうと、はしけんさん&アイシさんと共に一路島根へと車を走らせた。

 ■ 1本目 (雷ポイント)

 現地到着は9時前。予想通りのベタ凪に加え、空は快晴。丘から見える海はとても澄んでおり、ただそこに立っているだけでテンションが上がってくる。さすが日本海。瀬戸内の持つ雰囲気とは透明度や魚種云々よりも大きな違いがある。はやる気持ちを押さえつつも手早く準備を済ませ、9時過ぎよりエントリーを開始した。

 遠くまで抜けていることを期待していた透明度は、残念ながら春濁りの影響で4〜6m程度。そのうえ海面には赤潮が発生し、局所的には視界がゼロになる所も・・・。唯一の朗報は予想より若干高めの水温だったが、それでも水深10m付近で14℃強と、コンディション的にはあまり芳しくなかった。

 海の中も殺伐とした状況を醸し出す。いくら潜っても中層には何も泳いでおらず、居るのはメバルやカサゴといった根魚のみ。ベイトフィッシュが湧いていないため、青物の期待も出来ない。無論キジハタやクエに出会えるわけでもなく、ただ時間だけが淡々と流れていった。透明度の悪さにより海面からの探索が出来ないため、無駄な空潜りを何度となく繰り返す・・・。

 そんな状況の中、最初に縞模様を確認できたのは突行開始から30分を過ぎた頃だった。潮当たりの良い水深12〜3m前後のフラットな海底付近にて、若干遠めながらも40cmクラスの個体を単体で確認。ほんの数秒で視界から消えてしまったが、久しぶりに泳いでいるイシダイを見ることができ、妙に嬉しくなってしまった。

「居ることさえ分かれば、あとは獲るだけじゃん♪」

 イシダイの存在を確認し、若干テンションが上がって来た。『捕獲基準は50cmオーバーだが、最初のチャンスがそれ以下のサイズだったらどうしよう?』そんな生意気なことを考えていた矢先、1匹のイシダイらしき魚の尾鰭が岩下に入って行く瞬間を偶然目にする。息止めに余裕があったため、そのまま追いかけて岩下を確認…。穴撃ちに適した形状とスペースの岩下には、50cm前後のクチグロが1匹、大人しく観念している様子だった。

「楽勝だな!」

 焦らずゴムを引き、ヤスを構えてロックオン・・・のはずが、入り口付近にある大きな岩が邪魔になり、ヤスがイシダイの頭部に向けられない。ここは焦らず別の角度からのアプローチをすべきだと判断し、ここでは一旦浮上を選択することに・・・。

 海面にて呼吸を整え、再び潜行を開始する。海底までは13m程度。ものの数秒で到達できる距離だが…?…ん?…ここはどこだ…??…どうやら海面休息中に少し流されてしまったらしい。春濁りの影響で海面から目印にできるものは何も無く、流れのあるポイントで同じ岩下目掛けてストレートに潜るのは現実的には無理な話。とはいえ海底に点在する岩の形状を覚えていたため、大きくポイントを外すようなことは無いはず!と楽観視していたが、何度か潜行と浮上を繰り返すうちにいつの間にか全く見覚えの無い地形に変わってしまっていた(涙)。

 まさかこんな展開になるとは・・・。“獲れるはず”の貴重なイシダイを逃してしまい、テンション的にはかなりトーンダウン。ところが半ば諦め気味に潜行を繰り返すうち、再び見覚えのある雰囲気の海底(実際には違うのだが)が視界に広がった。しかも見失った岩下に似たようなスペースも発見!その岩下を覗く直前に、探していた岩下とは違うことに気が付いたが、偶然にもそこには先程より一回り大きなイシダイが1匹・・・!

「ん〜、ツイてるねぇ〜!!」

 早速ヤスを構えてロックオン!・・・という時、さらに奥に広がったスペースに、もう一回り大きなイシダイのシルエットが目に入る!サイズは60cm弱・・・、しかも良く見ると銀ワサだ!!手前のイシダイはすでにロックオン済みだったが、もちろんこんな絶好機を逃す手は無い。直ぐに照準を銀ワサへと向け、いつでもヤスを撃てる体勢に・・・。先程の失敗からファーストアタックで取り込みたかったが、手前にいる小さい方のイシダイが邪魔になり、なかなか奥のイシダイを撃たせてもらえない。結局ここでも一旦浮上せざるを得なかったが、海面にて緩やかな潮流に逆らいながら呼吸を整えることにより、再潜行時には岩下を見失うことなく比較的スムーズに目標とする沈み岩付近へ着底することができた。再びゴムを引き、ヤスを構えて岩下を覗く・・・。2匹のイシダイの並びが簡単には代わりそうに無かったため、静かにヤスを岩下へと差し入れ、上体を岩に擦り付けながらも手前のイシダイを刺激しないよう腕を伸ばしていった・・・。間もなくヤス先は手前のイシダイの横を抜け、銀ワサの目の前に・・・。数秒後、銀ワサはヤス先に興味を示し、至近距離まで寄ってくる・・・そして横を向いた瞬間・・・


ドスッ・・・!

銀ワサ 60cm!

 ヤスは側頭部から入り、反対側の鰓付近に向けて綺麗に貫通!膠着時間も無く岩下のさらに奥へ向かって突っ込もうとするイシダイを、手早くも強引に引き摺り出し、すぐに鰓元をガッチリ捕まえて握力MAXで指ストリンガー!!海面にて鰓を抜き、スカリに通してほっと一安心。今年の初モノだったにも関わらず、喜びよりも「また今年も日本海が始まったなぁ・・・」と、直感的にそう感じてしまいました。

 その後もイシダイとは何度か遭遇することができた。中でも印象に残ったのは50〜55cm級の3匹を岩陰から寄せている時に、何の前触れも無くフラフラと通りがかった70cmクラスのクチグロ!その風格、クチバシの厳つさ、腹の張り具合・・・これには思わず息を呑んでしまった。ちなみにこのクチグロに対しては身を隠してゴリ寄せしたにも関わらず、逆に警戒されて一瞬で視界の外へ・・・。逃げた方向にある“それらしい”岩下を覗いて回ったのですが、結局最後まで同サイズの個体には出会えませんでした。

 開始から2時間が経過。陸に目をやると、はしけんさんとアイシさんはすでにエキジットしていたため、一先ずオレも海から上がる事に。ちなみにはしけんさんとアイシさんはこの1時間半の間、イシダイを全く見なかったらしい。

 ■ 2本目 (雷ポイント)

 二人に魚影と確認ポイントを伝え、3人揃ってほぼ同じエリアで潜った。オレは1時間半程度で30〜50cmまでを7〜8匹確認したが、どの個体も何故か寄せにはあまり反応せず・・・結局手ぶらでエキジット。はしけんさんは体調不良により耳抜きが出来ず、イシダイは40cm弱を3匹ほど確認しただけに終わった。アイシさんに至ってはここでもイシダイを1匹も見ることが出来なかったらしい。ん〜不思議だ(笑)。

 
■ 3本目 (ポイント・OH)

 場所はどこでも良かったが、透明度を求めてポイント・OHへ移動する。
 海はベタ凪だったが、こちらも春濁りの影響で透明度はイマイチ。そして魚影もイマイチ。ついでにテンションもイマイチ。前夜は1時間半程度しか眠れなかったため、睡眠欲はピークの状態。疲労もかなり蓄積し、それなりにがんばってはみたものの気力が続かず1時間でエキジット。結局ここではイシダイは1匹も見れず、確認できた大きな魚はコブダイばかりだった。

 ― 本日の総括 ―

 若干水温は低かったものの、ノッコミ間近のイシダイ達は早くも接岸を始めてましたね。
 この日確認できたイシダイの特徴としては、中層を泳ぎ回るよりも岩下や穴の中でノンビリしてるといった感じ。ゴリ寄せに対して良い反応を示さなかったのは最近替えたグローブにも問題があるのかな?と真剣に考えている今日この頃です。ゴリゴリ音が、微妙に違う?
 ま、何はともあれ開幕戦としては最高のスタートを切ることが出来ました♪



場所 島根県 雷ポイント→OH
今日の突果
天候 晴れのち曇り
海況 風速3m 波0.5〜1m
中潮 満潮 10:00
透明度 5〜7m
潜水時間 9:15〜15:15
最大水深 14.3m(14.6℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ
突果 イシダイ 60cm
本日の食卓
石鯛うどん 塩タタキ 刺身 脂のノリ
 石鯛うどん最高!刺身への脂の乗りは程よく良い感じ。塩タタキは美味かったけど・・・なんか高知で食べたのとは違うんだよなぁ。写真には無いですが、白子は酒蒸しにしてポン酢で頂きました♪久々の石鯛づくしで、嫁からは少しブーイングの声が・・・。





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