釣行記

『ウマヅラを求めて』

突行日 2005.12.14


 今夜は永吉さん宅にて、ウマヅラハギの肝をふんだんに使ったキモキモパーティーが開催される。というわけで、今日の突行はその食材調達が目的。パーティー以外にも要望があったため、ノルマはウマヅラ30cmオーバーを15匹程度と考えていた。

■ 1本目(ポイント・FG)

 ポイントには1年を通して安定した実績を誇るFGを選択。制限時間は2時間。ノルマは全てここで終わらせる予定だった。
 ところがそんな軽い気持ちで突行を開始したまでは良いが、薄い魚影と低い透明度を前に若干の不安が脳裏を過ぎる。3m先に見えるシルエットの正体が何なのか解らず、射程圏内ではっきりと確認できたのは40cm未満のチヌばかり。良型のウマヅラは極稀に見ることが出来たが、警戒心が完全に冬型になっているため、気付かれた瞬間に猛ダッシュ…。
 30分、1時間と時間が経つにつれ、何も出来ないまま焦る気持ちばかりが膨らんでいった。
 そして予定の2時間…。まさかまさかのノーウマヅラでエキジット。ストリンガーには44.5cmの寒チヌが1匹、寂しそうにぶら下がっていました…。

■ 2本目(ポイント・IO)

 強い北風と降り始めた雪が、エキジット後の身体を芯から冷えさせる。直ぐに車に乗り込み暖を取ったが、あまり悠長なことをしている時間的な余裕は無い。直ぐに次なるポイント・IOへと車を走らせ、ウマヅラ探しを再開することに。

 まずはホンダワラの密林地帯を抜け、潮当たりの良い漁場へと泳ぎ出た。ここの透明度も良い所で3m程度。魚影は激薄。これでは今日のノルマどころか、たった1匹のウマヅラすら満足に獲れそうな気配が無い。

 そのまま開始から約30分が経過。半ば諦め気味に水深6〜7mを平行移動していると、3〜4m前方に40cm後半のシルエットを薄っすらと確認する。泳ぎ方やサイズから判断するに、おそらくチヌであることに間違い無い。潜行直後だったため、息止め時間にはまだまだ余裕あり。静かに海草の陰に身を隠し、ヤスを構えてチヌが寄るのを待つことに…。これはあくまで自論だが、この時期のチヌは好奇心よりも警戒心の方が明らかに高くなっているため、下手にゴリ寄せするよりも自然に寄るのを待った方が良い結果に繋がる。必要以上の刺激は下手に警戒心を煽るだけだ。
 今回もその例外では無く、十数秒後に射程圏内ギリギリのところまで近寄ってきた。少し遠目ではあったが、これ以上の寄せ(待ち)は逆にリスクが高いと判断し、横を向いたチヌに対し狙いを定めてヤスを撃ち込む!そしてこれが見事に頚部の脊柱を切断!!ピクピクと身体を痙攣させる良型の寒チヌ(49cm)を掴み、思わずニンマリ。しかし今日のメインターゲットは…ウマヅラなんだよね…。

■ 3本目(ポイント・AA)

 体力的にも時間的にもこれが最後の3本目。1時間勝負と心に決め、約1年ぶりにポイント・AAに足を踏み入れてみた。
 透明度は相変わらずだったが、魚影の方はまずまず。メバルやタナゴの群れの中に、スズキ(ハネサイズ)、チヌ、そしてウマヅラも何度か確認することができた。10匹ほどの群れにも1度だけ遭遇。
 結局ここでの1時間の突行のうち、大小合わせて2匹のウマヅラの捕獲に成功!しかしかなりテンパって突いたため、2匹とも肝臓付近を撃ち抜いてしまい、その度に「ぬぉ――――っ!!」と海中で悶絶する情けない自分がいました(笑)。
 でも正直ほっとしたよ。2匹でもこの時期のウマヅラは肝が相当デカいからね。永吉さん達には「気分が悪くなるまで肝を食べさせてあげるよ!」って言ってしまったけど…ま、それはまた次回ということで(笑)。とりあえず今日のところはこれで勘弁してもらいましょう。

■ 本日の総括

 2週間ぶりの海は水温以上に冷たく感じ、ウェットに染み込む海水が一瞬身体を硬直させるほどでした。海の中は完全に冬モード。魚影は全体的に薄くなり、魚の警戒心だけが以上にUP!食べて美味しい季節だけに、これからの時期にいかにコンスタントに良型が獲れるかがポイントですね。
 ちょっと寒いけど・・・まだ12月。ほんとの冬はこれからだ!!



場所 広島県某所
今日の突果
天候 曇りのち晴れ 一時雪
海況 風速5m 波1m
中潮 満潮 10:00
透明度 1.5〜3m
潜水時間 10:45〜15:30
最大水深 7.5m(14.9℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン ワープフィン
突果 クロダイ 49cm 44.5cm
ウマヅラハギ 2匹
本日の食卓
■ スーパーキモキモ 丼
 キモ三昧の料理になるはずだったが、不漁につきキモ料理は一品のみ。でもこのキモキモ丼、めっちゃ美味かったっすよ♪少なかったから余計にそう感じたのかもね!
□ 作り方
 @肝を冷水に1時間ほどつけ付け、血の気を取り、肝の色を食欲をそそる綺麗な色にします。途中で何度か水を替えましょう。
 A肝が綺麗な色になったら、生のまま包丁で叩き、山葵・醤油を適量入れて割り箸でかき混ぜます。割り箸で掻き混ぜると、途中で臭みの元となる血管や筋が箸にくっ付いて取れるんです。
 B出来た肝ダレの中に1cm角に切ったウマヅラの身を適量入れ、再び混ぜます。
 Cアツアツの御飯に刻んだ大葉を振りかけ、その上にBで出来た肝和えを豪快に乗せます。以上!
キモキモパーティー ’05





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