嫁孝行が一転して日本海遠征へ。ここ数日は微熱続きで体調はイマイチだったが、波浪予報と天気予報がオレを島根へと向かわせた。
■ 1本目(ポイント・OH)
ヒラマサorブリ狙いでポイント・OHへ。釣り人の多さは相変わらずだったが、潜れそうな海況を前にほっと胸を撫で下ろす。9時30分、準備も早々に海へと向かった。
まずは10分ほど泳ぎ、潮当たりの良い沖の瀬で回遊魚が回るのを待つことに。ところが10分経っても20分経っても回遊魚どころかエサとなる小魚すら回ってこない。目に付くのは無数のスズメダイとメジナやタナゴ等の群れ。水温は20℃を下回り、イシダイの魚影も日に日に薄くなっているのだろう。10m前後で寄せを繰り返したが、50cmオーバーは一度も姿を見せなかった。加えてキジハタやクエの姿も今日は無し。海況だけでなく魚影の面でも冬の訪れを感じることができた。
波に揺られながら1時間半。結局最後まで回遊魚の姿を見ることはできず、無念のエキジットとなった。
■ 2本目(タカッパランド)
以前より行きたかった初めてのポイントへと足を踏み入れてみた。
岸から50mほど沖に迫り出した小さな小島。実績は無いが、ロケーション的には申し分無い。
11時30分、ひと気の無い磯場よりエントリーを開始する。
透明度は4〜5m程度。潮の流れはまずまず。開始早々に岩の上でホバリングする1匹の魚を発見。一瞬キジハタかと思ったが、正体は丸々と太ったアイナメ41.5cm。岩下に入って落ち着いたところをサクッと捕獲してストリンガーへ。
程なくして目的の小島へと到着。島周りは1/4が砂地エリア(水深5m)で、残りは大きな沈み岩を中心とした磯場(水深10〜15m)になっていた。一目で見てキジハタが好みそうな地形だと感じたが、何より目に付いたのは多過ぎるタカノハダイのシルエット。1回の潜行で必ず1匹以上は視界に入って来る。右にタカッパ、左にタカッパ。前にも後ろにも。とにかくタカッパだらけ。もともとタカッパは警戒心の薄い魚だが、ここのタカッパは無神経なうえに神経が図太い。昼寝中。食事中。徘徊中。ヤツらは何か言いたげな面をぶら下げて、こちらをボーっと見ているだけ。きっと恐れるものが何も無いのだろう。
そんなタカッパランドでの魚突き。
砂地には目立った魚が居なかったため、主には岩場にて潜行を繰り返した。メバルやメジナは岩場全体に群がっていたが、イシダイやキジハタの姿は無い。地形的な問題か?それとも水温のせいだろうか?
集中を切らさず執拗に空潜りと寄せを繰り返すこと約30分・・・。とある潮当たりの良い沈み岩付近にて、ようやくイシダイのシルエットを確認することができた。しかも何故かその岩周りだけはイシダイが頻回に現れる。サイズは30〜50cm前後。とりあえず手頃なサイズを1匹キープ(41cm)し、サイズアップを試みることに・・・。
水深7〜8mの岩棚に身を隠し、指で岩をゴリゴリと・・・。するとヤツらは何処からともなくやって来る。1匹、また1匹と。ここで狙うはリーダー格の銀ワサ
50cm強。しかし何度やってもあと1歩が寄り切らない。
何度目かの挑戦で、気分転換に近寄ってみることに。するとヤツらは微妙なスピードで深みへ逃げて行き、一つの大きな岩下へと入って行った。もちろんオレも後を追って海底へ。岩下の入り口付近には門番兵が1匹、不穏な目つきでこちらを睨んでいた。見詰め合うこと数秒、危険を察知した門番兵は助けを求めに穴の中へ・・・逃げ込もうとした所を頚部に一撃!!キジハタ46cm、難無く取り込み完了です。
海面にてキジハタをストリンガーへ通し、イシダイが逃げ込んだ岩下を再調査。岩下の入り口は縦50cm×横80cm程度。奥行きは1.5m程で屈曲し、それ以上先は暗くて確認できない。ただ、魚の見え方から察すると、かなり広いスペースがあるように思われる。
肝心のイシダイはチョロチョロと小さい偵察部隊が顔を見せ、リーダー格の銀ワサは奥のスペースに入ったまま姿を現さない。「銀ワサさんは居ませんかぁ?」と、そのまま良〜く目を凝らして中の様子を伺ってみた。次第に目が暗がりに慣れてくる。すると何か大きな物体が穴の奥でUターンし、さらに奥へと向かう姿が目に留まった!あのシルエット・・・太過ぎる胴回り・・・短い尾鰭・・・そして泳ぎ方・・・。クエに間違い無い!しかもサイズは推定80cmクラス!!獲りてぇ・・・。
イシダイのことなどすっかり忘れ、目は岩肌と同系色のハタ科のシルエットを追っていた。潜っては穴を覗き、ヤスを向けて目を凝らす。とにかくこの繰り返し。それを2時間ほど粘ってみた。水深12〜13mの海底までを何往復したことか・・・。疲労感と引き換えに、クエには2度逢うことが出来た。1度目は複雑な岩肌が障害となり、ヤスを撃つまでに至らず。2度目はクエの存在に気付くのが遅れ、タイミングが全く合わなかった・・・。無念。悔しいが、次回への楽しみとして取っておこうと思う。あの岩下はクエにとって“仮住まい”ではないはずだ。今年がダメでもまた来年会えるさ。いつか必ず!
その後、先程と同じ岩下の入り口で夫の帰りを待っていたキジハタ36.5cmを捕獲。おそらく1匹目のキジハタとツガイだったのだろう。そう考えると未亡人にならなくて良かったが、少し申し訳無く思ってしまうのもまた事実。美味しく食べて供養ですね。
■ 本日の総括
何故かほとんど回っていなかった回遊魚。ポイント・OHで小アジの群れに一度も遭遇出来なかったのは何故だろう・・・?もう少しデータを集めてみる必要がありそうだな。しかし、この時期にキジハタが2匹も獲れたのはかなり嬉しい誤算。大型のクエのアジトも突き止めれたし、いろいろと良い経験が出来たことは言うまでも無いな。
場所 |
島根県某所 |
今日の突果
|
 |
|
天候 |
晴れ時々曇り |
海況 |
風速5m 波2m→1.5m |
潮 |
――― |
透明度 |
5m→3m |
潜水時間 |
9:30〜15:15 |
最大水深 |
13.5m(19.0℃) |
ヤス |
3.2mチョッキ銛 |
フィン |
エスカペ |
突果 |
キジハタ 46cm 37.5cm
イシダイ 41cm
アイナメ 41.5cm |
本日の食卓 |
 |
 |
キジハタづくし (左:カマ塩焼き 右:水炊き)
さすがにこの時期のキジハタはヤバかった。脂ノリノリでかなりイケイケです(笑)。特に小さい方のキジハタの胃袋の中には小鯵が2匹とイカが1匹・・・。絶対食べ過ぎでしょ?
水炊きは白菜と豆腐オンリーでシンプルにいただきました♪ |
|