釣行記

『ビッグマウス』

突行日 2005.10.30


 今日はアイシさんと2人で島根遠征。ビッグマウス同士のタイマン勝負という事で、道中はいつも以上に突果予想で盛り上がった(正確には意地を張り合った)。オレは回遊魚(60UP)を数本、アイシさんは回遊魚や初キジハタが最低目標・・・らしい(笑)。しかし今日は目標云々より、負ければ帰りの車内で何を言われるか解からない。2人きりの突行のため、逃げ場も無い。ある意味負けられない戦いがそこにはあった。

 ところが現地に着いてみると、日本海は完全に冬モード。荒れ狂う波により1本目(雷ポイント)・2本目(ポイント・OH)と予定していたポイントに潜ることが出来ず、已む無くポイント開拓に時間を費やすことになる。しかもこの日は日曜日。雰囲気の良さそうな風裏の磯場には、すでに多くの釣り人が陣取っており、潜れそうなポイントがなかなか見つからない。時間だけが刻々と過ぎて行くことに焦りを感じ、少し妥協しながらも人気の少ない磯際のポイントにて突行を開始することにした。

■ 1本目(ポイント298)

 陸から見た感じでは全体的に沈み根も無さそうで、潮流も緩い。正直あまり期待はしていなかったが、とりあえず2時間ほど潜ってみることに。

 11時30分、エントリー開始。

 透明度は5〜7mとまずまず。地形的にはダイナミックさに欠けていたが、雰囲気の良い岩場が広範囲に亘って広がっており、大きな割れ目や窪み、それらの重なり具合が、根魚の好みそうな地形を作り出していた。また、小魚メインとはいえ魚影もまずまず濃い。

 エントリーから数分後、ふらふらと目の前に現れた45cm前後のイシダイが、何かを感じて一目散に逃げ出した。その直後に現れた小魚の大群・・・そして間髪入れずに70〜80匹前後のブリの大編隊が現れた!数には圧倒されたが、サイズはオール50cm前後のヤズサイズ。グルグル回るブリをしばらく眺め、獲るべきかどうかを悩んだ結果・・・1匹だけお持ち帰りすることに。ブリ 48cm。

 さらに沖へと泳ぎ出る。水深が10〜15mラインまで行くと、雰囲気はさらに良くなった。大きな岩の割れ目にはイシダイ40〜50cmクラスがちらほらと。青ヤスでもなんとか獲れそうなシチュエーション。視線を逸らすと近くの岩下付近にキジハタが1匹、いつの間にか不思議そうな表情でこちらを見ていた。ヤスを構え、ゆっくり近寄るとキジハタもゆっくり岩下へ・・・。あえて岩下は覗かず、一旦浮上。呼吸を整えイメージを膨らませ、それから再び潜行を試みる。同じ岩下付近にキジハタの姿。ヤスを構えてゆっくりと近寄るが、キジハタは再び岩下へ・・・。それを4〜5回も繰り返した。毎回のように顔を見せるキジハタ。的を広く構えれば、撃てる機会は何度もあった。6回目、7回目、8回目と、連続してキジハタの姿が見えなかった時、初めて後悔することに。「やっぱあの時に撃つべきだったかぁ・・・」と。9回目の潜行で思い切って岩下を覗いてみた。中には40cm前後のイシダイが1匹だけ。しかしその奥からは光が差し込んでいた。「なんだ、抜け道があったのか・・・」警戒させていないキジハタがそう遠くへ行くこともないだろう。大岩を乗り越え様子を伺うと・・・居ました、同サイズのキジハタ。次の潜行にて、岩下を背にしてキジハタと向き合う。数秒後、キジハタの側頭部から片眼をチョッキが貫通。キジハタ43cm、無事ゲットです。

 その後も空潜りを繰り返しながら、周辺の探索を続けた。

 魚影や地形的には申し分無かったが、熱くなるような魚には出会えず。イシダイは最大で55cmくらい。ブリの群れにも出会ったが、サイズはやはり50cm前後。キジハタは30cmクラスを1匹見たのみ。

 さらに1時間が経過。とある沈み岩付近にて40cm強の個体にバッタリ遭遇。小さなモーションで簡単に射程圏内へと入れたものの、撃ち所を選んでいる間に岩下へと逃げ込まれてしまう。「また欲張りすぎたか?」長期戦を覚悟し潜行と浮上を繰り返したが、岩下付近でキジハタの姿を見ることは出来ず。気分転換に近くの沈み岩を巡回してみると、岩の上で物思いに耽るキジハタを発見。サイズは一回り大きな45cmクラス。ヤスを構えて少しずつ詰め寄り、やや遠目ではあったがファーストチャンスを逃さずヤスを放った。


ブシュツ・・・


 今日のヤステクはかなり良い感じだった。思った所に飛んで行く。ヤスは片鰓を貫通し、頭の中で止まっていた。キジハタ47cmも難無くストリンガーへ。

 13時30分、予定通りにエキジット。気になるアイシさんの突果は・・・え?マジっすか?そのメバルのような魚は・・・マ、マハタですか(笑)?しかもそれは禁断のサイズでは・・・(汗)?

 エキジットから数分後、激しく降り始めた横殴りの雨。風が強さを増すにつれ、海況も徐々に悪化していく・・・。しかしこの風雨は結果的に釣り人を磯際から遠ざける“神風”となった。

■ 2本目(ポイント・MS)

 午前中に見つけたポイントMS。雰囲気は抜群に良かったが、釣り人の多さに断念したこのポイント。しかし、この天候ならどうだろう・・・?

 山道を5分ほど歩き、磯際へ。東の鼻には釣り人が数名居たものの、西側は釣り人の気配が無い。読み、ズバリ的中。15時00分、小さな入り江より突行を開始した。

 とりあえず海岸伝いに沖へ向かってフィンを漕ぐ。
 いきなり目の前に現れたのは爆睡中のクロダイ(45cm)。さらには40cmオーバーのイシダイの群れ。その奥に見え隠れするのは50〜60cmクラスのイシダイ数匹。磯際にはメジナやメバル、ハコフグなど。アホなスズキは自殺願望が相当強く、一直線に射程圏内まで寄ってくる。大きなコブダイも逃げる気ナッシング。ニザダイやタカノハダイといった捕獲対象外魚も多く、潜っていてなかなか楽しむことができた。

 魚突きの方は・・・キジハタ40前後を1匹痛恨のバラシ(涙)。水深10m以浅の岩場にて、数秒間完璧にロックオンしたのですが・・・狙いすぎたかな?頭部をゴリっと掠めてしまい、綺麗にチョッキが刺さらず。。。ふぅ、オレのヤステクもまだまだ甘いね。

 結局ここではボウズでフィニッシュ。地形的には山口県某島を髣髴とさせる微妙な感じのポイントだが、魚影、魚種、サイズ的にはこちらの方が格段に上でした。次回は東の鼻も攻めてみたいですが・・・あっちは釣り人が多過ぎて無理かな。

 ちなみにアイシさんはイシダイ58cmを追加。2日酔いで体調絶不調の中、このイシダイをサクッと上げてくるところは流石です。でも・・・今日はオレの勝ちでしょ?なんたってアイシさんはマイナスポイントが大き過ぎますから(笑)。

■ 本日の総括

 日本海は早くも冬モードへ。予定していたポイントに潜ることは出来なかったが、結果的に良い感じのポイントを2つも開拓することができ、突果的にも内容的にもまずまずの一日だったと言えよう。当初の予定では10月一杯で日本海突行の幕を下ろそうかと思っていたが、このポイント開拓によりシーズンが1ヶ月延びたかな?もう少しの間、楽しませてもらうことにしよう



場所 島根県某所
今日の突果
天候 晴れ後曇り 時々雨
海況 風強く 波1.0m
―――
透明度 5〜7m
潜水時間 11:45〜15:45
最大水深 13.5m(21.6℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ
突果 キジハタ 47cm、43cm
ブリ 48cm
本日の食卓
キジハタの水炊き

 刺身(薄造り)で余ったアラを、水炊き風にして食べてみた。昆布でダシを取り、日本酒と塩で味を調える。皮と胃袋も柵切りにして鍋の中へ・・・。今まで胃袋は塩胡椒炒めや煮付けで食べていたが、水炊きであっさり食べるのもアリだね。プルプルとした皮も最高♪もちろん最後は雑炊で締めました!





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