釣行記

『素潜りの秋』

突行日 2005.10.26


 朝晩の冷え込みが強くなりましたね。足が海から遠のき始めるこの季節ですが、まだまだ魚達は元気です。パソコンの前のあなたも、明日は海へ向かいましょう♪

■ 1本目(カミナリポイント)

 yahooの波予報(前日)が見事に外れ、海は一面白波だらけ。前回ほどデンジャラスではなかったが、今回もエントリー&エキジットには相当苦労させられた。ポイントを慎重に選び、引き波にタイミングを合わせていざ海へ。

2匹とも両鰓抜き♪
 ここ1週間ほど大荒れの海況が続いていたため、ウネリと共に濁りも相当残っていた。魚影も予想より薄め。スズメダイやメジナ、ベラばかりが目立ち、捕獲対象魚が見当たらない。結局1時間半の突行の中で、回遊魚やイシダイ(60オーバー)の目撃は1匹も無かった。もちろんマダイやクエといったスペシャルゲストにも出会えず。ボウズ逃れにイシダイを2匹(46cm、50cm)キープしてエキジット。サイズとしてはやや不満が残るが、突き所・寄せ具合・タイミング、全てにおいて納得のできる捕獲劇だった。

■ 2本目(ポイント・OH)

 昼からはポイント・OHにてヒラマサ狙い。
 何故か現場には警官が居たため、車の中で1時間程仮眠をとることに。

 12時過ぎ、心身共にリフレッシュし再び戦場へと向かう。
 海のコンディションは1本目とほぼ同じ。エントリー直後(約50m沖)、水深7〜8mの海底付近で捕食中の大型イシダイ(65cm級)を見たが、全く寄って来る気配は無し。必死のゴリ寄せも虚しく暗闇へと消えて行った。
 そのまま10分程泳いで沖磯へ。目的とする潮当たりの良い根回りには、カタクチイワシ?アジの幼魚?とにかく色々な小魚がやたらと多く、単発的だが高頻度で回遊魚が巡回している。

 チャンスタイムはいきなりやって来た。

 水深6〜7mの根の窪みに身を隠し、ウネリに耐えながら様子を伺っていると、前方より押し寄せる小魚の大群を確認。

「間違いなく来る・・・。」

 そう確信し、ゴムを引いて待つこと僅か数秒・・・。逃げ惑う小魚を嘲笑うかのような泳ぎをしながらブリが姿を現した!ブリは1匹、また1匹と増えていき、瞬く間に数十匹の群れになっていく。根の中腹から海底方向へと視線を向けると、そこはもう戦場だった。大きな割れ目、穴の中にまでブリが入り乱れており、狂喜乱舞とはまさにこのこと。とにかく凄かった。ちなみにオレを中心に周回を始めたのは50匹程度。サイズは70cm前後だろうか。ウネリに揺られながらも左手1本でバランスを取り、軌道を外れたブリに対してド真中へ会心の一撃!!


ザシュッ!


初ブリ 68cm
 次の瞬間、走る走る!ブリ大爆走!これぞ海のスプリンター、回遊魚の“引き”ってヤツか!!!
 横へ向いて走るブリ!上へ向いて泳ぐオレ!とにかく身切れしないことを祈りながら、ヤスを両手で握り締め、必死のフィンキック。いつもより幾分長く感じた海面までの数秒間。海面に着くなり空かさずラインを手繰り寄せる。まだまだブリの余力は十分。でもここまで来たら負ける気がしないね。魚を抱きかかえ、ブリが怯んだ一瞬を見て両エラに手を回す・・・。やりました。初ブリ68cm、捕獲完了。

 
文章では最初からブリの名前を出していますが、実際は捕獲の瞬間までブリかヒラマサか解かりませんでした。群れを見た時にヒラマサよりも青っぽいなぁ〜とは思っていましたが。で、エラ抜きをする時に魚の顔を見て・・・ん、ブリ!?いや〜ヒラマサよりも嬉しかったですね♪

 チョッキがブリの背骨に引っ掛かり、押し棒も曲がっていたため、ヤスの先端部分を取り替えることに。海面での作業中、ふと視線を下ろせば頻回に回ってくるブリの群れが確認できた。しかも先程にも増して凄い数。今潜ればほぼ確実に次のブリを追加出来るだろう。しかし・・・ラインが縺れて・・・解けない・・・ストリンガーフックが・・・焦る・・・焦る・・・。相変わらずブリの大編隊は行ったり来たり。肛門からブクブクと泡やウンコを出しながら、魚雷のように右往左往。ちくしょう〜!!

 ようやく準備が整った時にはすでに作業開始から10分近くが経過していた。残っていたのはスズメダイやメジナ達。嫌な予感はしていた。ラッシュアワーが過ぎ、もうブリは群れで来ないのではないか?と。もちろん根拠は無い。根拠は無いが・・・その通りになってしまった。嫌な予感とはそういうものだろう。

 それからしばらくは作業的な空潜りを繰り返した。しかし何度潜ってもブリどころか、それに追われる小魚すら現れない。ポイントをずらし、水深10m以深で魚の気配を待つことに。何度目かの潜行にて、寄って来たのは2〜3匹のイシダイ。その奥にはヒラスズキらしきシルエットが見えたが、寄れそうになかったため、射程に入ったイシダイに一撃!


グッ・・・ググゥッ・・・


 鋭い突っ込みを交わし、水面に引き上げたイシダイは58cm。

 この日最後に獲れたのは今年一番のデブキジハタ。エキジット間際だった。水深5〜6mの棚で出会い、後ろから静かに忍び寄る・・・僅か数秒後、警戒されることなく射程圏内へ。息止めに余裕があったのと、下手に身を傷付けたくなかったので、頭部を打ち抜けるタイミングを待つことにした・・・。
 程なくしてキジハタは前方へとゆっくり動き出し、そのまま根のボトム方向へと降りて行く・・・。水深は10mちょっと。オレもゆっくり海底まで追って行き、再びヤスを構える。そこで初めて振り返るキジハタ。

「今度は真正面過ぎるな・・・横を向け・・・」

しかしキジハタは泳ぐわけでも無く、潮の流れに乗り、真正面からどんどんヤス先へ近付いて来た・・・。


1m・・・50cm・・・30cm・・・。


20cm・・・10cm・・・。


5cm・・・1cm・・・ピタリ。


 ついにヤス先がキジハタの頬に触れた。おいおいおい。何故逃げない?オレをそんなに信用しないでくれよ(笑)。

 ウマヅラ並の人懐っこさ。この状態をロックオン・・・って言えるのか?
 それから数秒後、キジハタはほんの少し後退り。横を向いた瞬間に、脳を狙ってキルショット!!


コツッ…


太り過ぎ・・・。
 視覚から伝わる軽い手応え。キジハタはピクリともせずにチョッキラインに宙ぶらり。ラインを手繰り確認すると、チョッキは半分しか頭部に埋まっておらず、返しも全く効いていない様子。突然暴れられては厄介なので、ポカ〜ンと開いた口を直ぐに掴む。海面にてエラを強引に引き抜き、勝負あり。46cm、1.4kgの肥満体でした。

■ 本日の総括

 今日も良い仕事が出来た。その中でも初めてのブリはやっぱり嬉しかったね。回遊魚といえばブリ。青物といえばブリ。まだハマチサイズではあるが、友達に自慢する時にでも「ヒラマサ、クエ、マダイ」よりネームバリューは全然デカい(笑)。
 ただ今日の状況からすれば、チョッキの着脱さえスムーズに出来れば複数匹の捕獲も可能だったはず。こういうところも課題だね。
 残り少なくなってきた日本海シーズン。もう一花咲かせられるかな?乞うご期待!



場所 島根県某所
今日の突果
天候 曇り時々晴れ
海況 風強く 波高2m
―――
透明度 5m前後
潜水時間 9:45〜14:15
最大水深 12.5m(21.6℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛
フィン エスカペ
突果 ブリ 68cm‐3kg (初突果)
イシダイ 58cm‐3.5kg 50cm、46cm
キジハタ 46cm‐
キジハタ定食
 当初は冬の鍋用にと思っていたが、「もしかしたら今季最後のキジハタかもしれない。」そう思うと冷凍庫に入れるのが勿体無くなり・・・ついつい食べてしまった。
 肝と胃袋の煮付けは強烈だった。美味過ぎる。なんで今までハタ類の肝を捨ててたんだろう・・・。
キジハタ丼 キジハタ鍋 肝と胃袋の煮付け





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