釣行記

イシダイとヒラマサ vol.2
-ヒラマサへの復讐編-

突行日 2005.9.28


 単身・日帰りにてヒラマサとのリベンジマッチ。バラした(無駄殺し)魚に対し、“リベンジ(復讐)”という言い方をするのは少し一方的ではあるが、ここではあまり小さな事は気にしないでいこう。

■ 1本目(雷ポイント)

 波の高さは2〜2.5m。海の中はウネリも強く、透明度も良くて6〜7m程度。魚影も先週に比べると遥かに薄い。15分ほど泳いで波に揉まれながら沖へ出てみたが、目的とする磯周りは波が強く打ち付け、視界不明瞭なうえに近寄ることすら不可能な状況。適当な沈み根を見つけては空潜りを繰り返し、回遊魚が回ってくるのを待ってみたが、ヒラマサはおろか小アジなどの群れにすら一度も遭遇することが出来なかった。

 となると狙いはイシダイ。50cmオーバーのみに狙いを定め、寄せとスルーを繰り返す。この日のイシダイは絶対数が少なく、5匹以上の群れはほとんど見れなかったが、不思議と出会った個体はスムーズに射程圏内まで入ってきた。

 まずは1匹目。岩と岩で出来た谷間に身を隠し、1匹のイシダイに狙いを定めてゴリ寄せを開始。射程圏のライン際で2〜3度躊躇ったが、オレの粘りの前に屈して射程圏内へ突入。やや遠目だったが、身を翻すタイミングに合わせて一撃!カーボンのシャフトを思いっきり撓らせて抵抗したイシダイは納得の50オ−バー。ん〜納得。納得だ。でも、何だ・・・この違和感。

 続いて2匹目はその30分後。根のトップにできた窪みに、1匹のイシダイのシルエットを確認。結構デカい。息を整え、いざ潜行開始。それと同時にイシダイもゆっくりと泳ぎ出し、フラフラ〜っと根に沿うようにして海底方向へ降りて行った・・・。オレも刺激しないように後を追おうとしたが、やはり距離は縮まらない。とりあえず根の中腹に不時着し、イシダイを呼び戻してみることに・・・。


ゴリゴリゴリゴリ・・・。


 一度は視界から消えかけたイシダイが、何かを思い出したかのように振り返り、こちらに向かって一直線。十分引き付けた所で胴体目掛けてヤスを撃った!



ドスッ・・・。


 ほんの一瞬硬直を見せたイシダイだったが、その直後、真下に向かって鋭い突っ込みをみせる!瞬時にヤスを掴もうとしたが、あまりの勢いに掌からシャフトがスルリと抜けてしまい、イシダイはヤスごと海底へ!ヤバイかも・・・。息苦しさも忘れて後を追うと、少し離れた海底にてグロッキーなイシダイ&ヤスを発見。その後は無事に回収し、ストリンガーへ。手尺で・・・60cmくらいかな。60cm・・・。60かぁ。納得・・・だよね。でも・・・凄ぇ〜違和感。何でだろう?どうして嬉しくないの?いつからオレはこんな冷めたヤツになっちまったんだ。何だか寂しいなぁ・・・。

1本目の突果

 その後もヒラマサの回遊は無く、海況は徐々に悪くなるばかり。70cmクラスのクエを一度だけ見ることができたが、あと一歩のところで射程に入らせてもらえず。そのまま2時間が経過。徐々に寒さで体が震え始めたため、一旦エキジットすることに・・・。

 さて、ここで気になるイシダイのサイズ。ポンっと無造作にフィンの上に置いてみたが、やはりデカい。メジャーを当てると・・・ん?62.5cm!!おぉ―――!先週塗り替えた自己記録をさらに更新!記録更新というのはやはり嬉しいものだが、今日のターゲットはあくまでヒラマサ。これに浮かれず前を見て進まなければ!!

■ 2本目(ポイント・OH)

 ヒラマサの群れを求め、ポイント・OHへ到着。ここでの透明度は5m前後。波はもとよりウネリが相当キツい。そのうえ平日だというのに熱心な釣り人が多く、少々肩身の狭い突行となった。

 まずは何事も無く開始から30分ほどが経過。全体の魚影としては若干薄めに感じたが、時折現れる小魚の群れを横目に、終始高いモチベーションをキープ。その勢いで目ぼしい沈み根や磯周りを何箇所か回ってみたものの、成果が全く上がらない・・・っていうか回遊魚が回って来ない。回って来ない?いや、そんなわけ無ぇ〜だろ。だって回遊魚だぜ。回遊する魚だぜ?いつかは来るよ。回って来てないんだったら・・・回って来るまで待てば良いだけの話。こちらから探しに行くのはもう止めだ。

 一見馬鹿げて思えるこの単純な作戦。でも、オレは腹を括った。小魚が通る潮当たりの良い沈み磯に腰を据え、ここで何時間でも張り込むことにした。魚が獲れなきゃ日没まで居座るつもりだった。

−12時30分・張り込み開始−

 とにかく定期的に潜行と浮上を繰り返す。だいたい20分に1回のペースで小魚の群れに遭遇したが、特に危機感を感じさせる勢いではなかった。最初にヒラマサが現れたのは張り込み開始から30分後。群れではなく単体で現れ、身構えるオレには見向きもせずに去って行った・・・。それから20分ほどは再び空白の時間帯。次のヒラマサとの出会いは開始から1時間が経過しようという時だった。

 沈み根(トップ5m、ボトム15m)の中腹にてボ〜っとしながらしばらくウネリに揺られていると、一匹のイシダイがフラフラと近寄ってきた。ちょいと遊んでやりますか・・・。ゴムを引き、ゴリ寄せをするとイシダイはスムーズに射程圏内へ。しかしそのイシダイの奥になんと・・・ヒラマサ登場!!10匹程度の小編隊で、サイズはいずれも60〜70cm前後。迷うこと無くヤス先をヒラマサに向け、射程圏内まで寄ってくるのを待った・・・が、ヒラマサはあっちへ行ったりこっちへ行ったりと全く落ち着きが無く、寄って来る気配がまるで感じられない。意を決してこちらから寄ってみたが、僅かな時間の間に1匹また1匹と視界の外へ消えて行く・・・。悲しくも取り残されたオレの視界には、先程のイシダイが1匹だけ。ゴリ寄せを再開するとイシダイは無邪気に寄って来るではないか・・・。どうしよう・・・こいつ健気で可愛いよ・・・。しかしその数秒後・・・両鰓貫通。強引にエラを抜き、容赦無くストリンガーへ。イシダイ58.5cm捕獲完了。オレは悪魔か?

 しかし、そんな悪魔にも運は見放さなかった。イシダイ捕獲からものの数分後、開始から1時間40分、ついにやって来ましたヒラマサゴールデンタイム!!空潜りのつもりで何気なく潜行してみると、根と根の谷間に我先にと逃げて行く小魚の大群を確認!3〜4回のフィンキックで目的の深度まで行き、小魚の大群の中に割って入る。その数秒後・・・


「来たぁ――――― ヒラマサ!!」


 押し寄せるヒラマサの大編隊。サイズは60〜70cm、軽く50匹は居ただろう。必死でヤスを向けようとしたが、なかなか狙いが定まらない。焦るな・・・落ち着け・・・。ヤスを撃てず躊躇している間に、ヒラマサはいつのまにか綺麗な列となり、オレを中心に周回を始めた。前後左右どこを見渡してもヒラマサだらけ。先週の2度にわたる痛いバラしを思い出し、今回はとにかく身切れしないよう体の“ど真中”にヤスを撃ち込むことだけを考えていた。




冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
ヒラマサ・ヒラマサ・ヒラマサ・ヒラマサ・ヒラマサ・ヒラマサ・ヒラマサ・ヒラマサ
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。
冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。冷静にど真中。



 頭の中でそう連呼しながら、グルグル回るヒラマサが射程圏内に入ってくるのを待った。そしてついに1匹のヒラマサが・・・!



ズバッ!!


 放ったヤスは、狙い通りに体のど真ん中へ命中!そして柔らかい身を1mほど貫通し、撃たれたヒラマサはブルブルと震えながら、逃げようと必死の抵抗を見せた!おぉ〜これが回遊魚ってヤツか!!傷口が広がり、チョッキが効かない恐れがあったため、そのまま岩肌へとヤスの先端を抑えつけ、魚を挟んでシャフトの両端を掴みながら急浮上!海面にて串刺し状態のまま鰓を抜き、丁寧にストリンガーへ通す…。ここでようやく勝利を確信し、波に揺られながら勝利のツイスト&シャウト!!何度も何度もストリンガーに通ったヒラマサに触り、その度に念願の回遊魚が獲れた喜びをかみ締める…。
 やっとオレも獲れたんだ…。回遊魚。手銛で回遊魚。素潜りで回遊魚。あぁ〜マジ最高!!凄ぇ〜嬉しい。

初の回遊魚ゲット!!

 その後は生意気にも回遊魚の“引き”を体感してみたいと思い、そのまま同一ポイントで空潜りを繰り返すことに。ところが…全く魚突きに身が入らないんですよ。そわそわしてて、落ち着かない。ま、回遊魚が獲れたら魚突きを辞めても良い!くらいに思ってましたからね(笑)。集中力ゼロです。
 というわけで、時間的にはまだまだ余裕がありましたが、予定より少し早めの納銛といたしました。

■ 本日の総括

 ヒラマサ捕獲が今日の全てです。これ以上、言うことはありません。最高です。



場所 島根県
『本日の突果』
天候 曇り
海況 北風強く 波2.5m
―――
透明度 4〜7m
潜水時間 9:30〜14:15
最大水深 13.5m(22.3℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛 
フィン エスカペ
突果 イシダイ 62.5cm (自己記録) 59cm、58.5cm
ヒラマサ 62cm
(初突果)
本日の食卓
ヒラマサ定食

自分で獲った初の青物ということで、かなり付加価値が付いてしまうが、やはりヒラマサは美味かった!特に美味かったのが右写真のカマの塩焼き。食べなれてないだけに非常に美味しく感じてしまいます。





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