釣行記

『夜を肴に・・・』

突行日 2005.9.14〜15


1泊2日の単身島根遠征。今回の遠征は突果や記録云々ではなく“孤独な夜をどう過ごすか?”が遠征の充実度を左右する。何しろ単身でのキャンプは初の試みとなるため、自炊やテント泊といった在り来りのことが未知の楽しみにまで思えてしまう。
予め海況が悪い事も解かっていたし、魚突きは晩のオカズがキープできれば良いかな?くらいにしか考えていない。言うなれば海況が悪い割には気楽に臨むことができた突行でもあった。

エントリー不可能でした・・・。
朝は6時30分に広島を出発。具体的な遠征先の決定は前日の夜まで悩んでいたが、台風14,15号の影響を考慮し、少しでも透明度の良さそうな島根県東部に向けて車を走らせることに。

最初のポイントには10時過ぎに到着したが、海は予想以上の荒れ模様。辺り一面が白波立ち、雨風共に断続的に強く吹きつける。念のために酔い止め薬を準備してきたが、これでは短期決戦どころかエントリーすら命懸けの状況。仕方なく午前の突行は諦め、地図と勘を頼りにポイント開拓へ時間を費やすことになった。

■1本目(新ポイント・BW)

車を走らせること1時間少々。海況は相変わらず厳しかったが、なんとかエントリーできそうなポイントを発見。ここぞとばかりに酔い止め薬(アネロン)を服用し、準備も早々に海へと向かう。
11時30分、打ち寄せる波にタイミングを合わせて海へと飛び込んだ。透明度は3m前後。天気も悪く、海の中は全体的にダークな印象。磯際の魚影はゼロに等しかったため、沖磯までがんばって泳ぐことに。

沖磯周りへは約20分で到着。波酔いが始まる前に今晩のオカズキープはしておきたいと思い、最初に出会った小さなキジハタを容赦なく捕獲。29cm・・・。(←ちょっと焦り過ぎたかも・笑)。さらに磯場へ近付くに連れ、小魚の魚影は少しずつ濃くなっていった。しかも沖磯周りの海底には良い感じに大きな沈み岩や根が点在している。水深も深い所で12〜3m程度とかなり潜り易い。何回目かの潜行にて、30cmちょっとのイシダイを悩んだ末にスルーした直後、フラフラ〜っと寄ってきた一回り大きなイシダイ(ジャスト40cm)を確実にゲット!意外にもあっさりと晩飯のオカズは揃い、しかも同じ磯周りにて1時間程でイシダイ46cm、キジハタ42cmを続けざまにキープ。
とりあえず最悪に近い海況の中で、出会えた“美味しそうな魚”を確実に仕留めれたことに満足し、波酔いが始まる直前に1本目はエキジット。

■2本目(とある漁協の真横)

初日の突果
再び車で2時間程、ポイント探しに時間を費やす。その道中、ウェットスーツを着たまま郵便局へ行ったりホームセンターに炭を買いに行ったりと、気付けば時計は16時を回っていた。仕方なく妥協して(?)漁協の真横で一日目最後の1本を潜ることにした。
外は薄暗く、雨が降っていたため人気も疎ら。そそくさと防波堤を乗り越え、テトラからエントリーを開始する。ほぼ完全な湾内だったので凪に近い海況。透明度は3〜5mとまずまず。沖に突き出た離れ磯まで3〜400m泳いだが、『漁港付近』というリスクを背負って潜った割に魚影はイマイチ。とにかくクロダイだらけだった。ホンダワラの根際や岩陰で、30〜50cmの個体がゴロゴロ爆睡している。イシダイ&イシガキダイは大きくても30cm前半までで、根魚といえば小さなカサゴくらい。あとは20cm前後のメバルやメジナがちらほらと群れている程度。潮当たりの悪い所ではこんなものか。ヤスを構える事も無く、1時間程でエキジット。ふぅ…。

こんな微妙な感じで、1日目の魚突きが終了しました。



−夜の部−


【理想プラン】

@砂浜の横に車を停め、テントを設置
A早速火を熾し、料理に取り掛かる。
Bお品書き…イシダイの刺身,イシダイの味噌汁,キジハタの塩焼き,イシダイの兜焼き
       …翌日の朝食(イシダイの一夜干、漬け茶漬け)
C食後は砂浜へ行き、リラックスチェア−とギンギンに冷えたビールを片手に夜風と潮騒を楽しむ。
D夜12時、テントへ戻り波の音を聞きながら就寝。

【現実】

アスファルトの上かぁ・・・。


想定外の夕飯
行き当たりバッタリでそんなに都合良くテントを張れるわけも無く、何よりも断続的に降り続く雨が全ての計画を狂わせた。

夜も7時を過ぎ、すでに辺りは真っ暗。ようやく見つけた海水浴場の駐車場(アスファルト)に、小雨が降り続く中急いでテントを設置。調理のために火を熾そうとしたが、降雨により断念。し方なく車に乗り、近くのスーパーへ買い物に。幕の内弁当を1つ買い、テントの中で寂しくディナータイム。砂浜までは近く、波の音もたしかに聞こえるのだが、テントに打ち付ける雨の音がそれを微妙にかき消す。用意しておいたビールを嗜み、鼻歌を歌いながらテントの中で雨が上がるのを待つことに・・・。

何時間経っただろうか。いつの間にかウトウトとしていたようだ。今は何時だ?気付けば雨は上がっている様子。椅子とビールを持って浜辺へ行こう♪・・・と思ったが、身体が重くて言う事を聞かない。いや、むしろ適度な疲労感と少しのアルコールで最高に良い気分だ。今は波の音も聞こえる。手元に置いてあった飲み掛けのビールを飲み干し、このまま朝を迎えるのも悪くないかな。

結局何度か目が覚めた記憶はあるが、一度も身体を起こすことなく朝を迎えた。理想と現実はかけ離れていたが、誰からも何からも話し掛けられることなく、ましてや時間に束縛される事もない。たまにはこうして自分にリセットをかけてみることも大事だな〜ってしみじみ思ったね。



  
――― 2日目 ―――


朝食・キジハタの塩焼き
朝7時起床。雨は上がっていたが、相変わらずの曇り空。朝食は大好物のチョココロネとキジハタの塩焼き、飲み物は熱い緑茶。美味いから許せるものの、かなりミスマッチな組み合わせだった。朝食後はのんびりとテントや調理器具を片付け、海水浴場を後にする。

■ 1本目(ポイント・BW)

昨日の1本目で潜ったポイント。波予報では波高は若干下がるはずだったが、予報は見事に大外れ。酔い止め薬を飲んでエントリーしたものの、昨日より明らかにウネリが強く、透明度も3m弱。魚影の方も全く的外れで、キジハタはおろか40cmのイシダイすら見掛けない。1時間でエキジット。再び車に乗り、潜れそうなポイントを探して回ることに…。

■ 2本目 (ポイント・GW)

2日目の突果
何度か来たことのあるこのポイントは、ちょうど風裏に当たるため凪っていた。しかし透明度は良くて3〜4mといったところ。魚影もイマイチぱっとせず。沖合いの沈み岩付近にて、偶然通りがかったイシダイをゴリ寄せで呼び戻し、鰓元に一撃。サイズは僅かに50cmに届かなかったものの、偶然にしては嬉しい49cm!その直後、水深5mほどの岩の割れ目に群がっているイシダイを発見。サイズは大したことないが、とても綺麗な銀ワサの個体を見つけたため、そいつに狙いを絞って眉間にキルショット。42cm。

開始から30分で調子良くイシダイを2枚重ねたが、時間の経過と共にさらに透明度が悪くなり、その後は2時間近く潜ってもイシダイ(40オーバー)は1匹も見ることができず。15時30分、納銛といたしました。 

■ 単身キャンプを終えて…

魚突きという面では決して快適とはいえなかったこの2日間。突果はそれなりに残せたが、2日を通してみれば納得のいくものではない。期待していた“夜を肴に酒を飲む”というプランも、悪天候によりテントの中で・・・。
でも、なんでだろうな。こんなにも心からリラックスできたのは久し振りだった。時計の針をほとんど気にすることなく、ただただ一人という時間を心行くまで満喫できた。追われるものが無い心地良さがそこにはあった。嫁には何を言われるか分からないが・・・、来年もまた行こう。必ず。


2005年9月14日
場所 島根県
天候 雨時々曇り
海況 北の風強く 波2.0m
―――
透明度 4〜5m
潜水時間 11:30〜12:30  16:30〜17:30
最大水深 11.1m(24.3℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛 
フィン エスカペ
突果 キジハタ 42cm、29cm
イシダイ 46cm、40cm
2005年9月15日
場所 島根県
天候 曇り時々雨
海況 北の風強く 波2.5m
―――
透明度 5m→3m
潜水時間 10:00〜10:45  13:00〜15:30
最大水深 11.6m(24.1℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛 
フィン エスカペ
突果
イシダイ 49cm、42cm

翌日の食卓
イシダイ鍋

良いダシが出てましたよ♪ハタ科の魚を使った鍋も美味いけど、イシダイの皮や肉質もあなどれませんね!美味いっ!今日の最後は雑炊で締めてみました。





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