釣行記

『遠泳したものの…』

突行日 2005.6.29


いつもは親父と船で向かう無人島へ、今日は泳いで渡ることに。海岸線から無人島までの直線距離は約1キロ。距離にすれば大したことないが、実際は潮の流れによりスムーズには進めない。
それでもこの日は小潮のうえに海況も穏やかで、遠泳には向いている一日でした。8時半前にエントリーし、9時過ぎには何事も無く目的の島へと到着。ポイント付近には漁船が1隻出ていたが、ここまで泳いで引き返すわけにもいかず、極力邪魔にならないような形で突行を開始した。

■ 1本目(ポイントMJ)

このポイントはいつも小潮だと透明度が良い。時間的に潮止まりからの突行開始となったが、魚影の方もまずまずで、突果もそれなりに期待できそうだ。ちなみに今日はターゲットをイシダイ、マダイ、スズキの3種に絞っていたため、ここでのウマヅラとチヌはオールスルーでいくことにした。

最初の潜行からチヌはガンガン寄って来た。サイズは30〜40cmまでがほとんどだが、1匹また1匹と、多い時には1回の潜行で3〜4匹は順番に射程圏内に入って来る。ウマヅラもまたしかり。相変わらずこの時期は雄がメインだが、そのほとんどは逃げる気配が無い。問題はその魚影の後方をウロウロしているスズキだ。いくら慎重に寄せを試みても、今日はなかなか寄って来ない。数とサイズはある程度揃っていたが、いつも以上に警戒心が強く、スレているように感じた。ワンダッシュを喰らわそうにもダッシュ寸前で逃げられ、寝込みを襲おうにも射程圏内へ入れない。これでは完全にお手上げ状態。かなりの魚影を前に、マダイやイシダイとの遭遇も期待していたが、結局最後までその姿を確認することはできず。

「これだけ泳いでボウズか…。」

当たり前の話だが、いくら魚影が濃くても実力が伴わなければ突果は上がらない・・・。今日はまさにそれを痛感した一日でした。

■ 2本目(ポイント・FG)

余力のあるうちに2本目へ。嫁からは「最低限、晩飯のオカズは確保するように」との警告を受けているため、ここでのボウズは許されない。

気合を入れ直して2本目のエントリーを開始する。その僅か数十秒後、エントリー直後の浅場にて、海草の間を何かが泳いでいるのを発見。サイズは・・・40cm弱?水面から目を凝らすと、魚の背中から尻尾がチラっと見えた。

「赤い魚体に綺麗な青の斑点?ってマダイじゃん!?なんでキミがこんな浅場に?」

こちらはまだ突行体勢に入っておらず、ヤスは片手で持ってフラフラしている状態。「間に合うか・・・!?」妙な緊張感の中、静かにヤスを握り直してゴムを引き、マダイの方へヤスを向けようとしたところで・・・、気付かれて勝負あり(涙)。まさかこんな凹み気味のテンションの中で、2本目をスタートするハメになるとは・・・。

このポイントも今日は透明度、魚影共にまずまず。チヌやウマヅラは潜れば数回に1度の割合で、確実に射程圏内まで寄って来る。スズキに関しては居るには居るが、サイズがどれもイマイチ。それでも背に腹は代えられないと50cm弱のハネサイズを1匹、寄せてキルショットに成功。ところがその直後にロックオン出来た60cmクラスのスズキは、狙い通りのポイントにヒットするも、やや遠目から撃ったのが災いしてか、チョッキのカエシが効かずにバラしてしまう。これには相当ガッカリさせられた。さらには今日2匹目のマダイ(50cm強)も、遠目でチラっと見ただけで、全く相手にしてもらえず・・・。あまり良い展開(流れ)ではないな。

突行開始から約1時間が経過。未だ腰にはハネが1匹。スズキを全く見なくなったため、仕方なく捕獲対象にチヌが仲間入り。もちろん太っているチヌ限定ということで。

最初のチャンスはそのわずか10分後。水深6〜7mのポイントで、寄るわけでも逃げるわけでもなく、ボーッとしていた50cmクラスの頭部に一撃!ヒット直後からガンガン暴れるチヌに対し、余裕の動作でラインを手繰り寄せていると・・・

ポロリ・・・。

またもやチョッキのカエシが効かず、痛恨のバラし。あぅ・・・。すまん・・・チヌよ。
二度のバラしの原因を、思わずチョッキのせいにしたくなったが、要はスズキにしてもチヌにしても遠目から頭を狙ったのがいけなかった。柔らかい胴体を狙って撃てば確実に取り込めたはず・・・。なんとも情けない話だ。

気を取り直して、空潜りを繰り返すこと十数回。同じく水深6〜7mのポイントで、1匹の大きなチヌのシルエットを確認。その直後、こちらに気付いたそのチヌは、スーッと素直に寄って来る。「来た来た・・・。デカイぞ。」真正面からストレートに寄って来る50cmクラスのチヌ。そして射程圏内にてビタ止まり。真っ黒に日焼けした頭部はとても厳つく、ホバリングするために開いた胸鰭の大きさから察するに、胴周りもかなり太っているように思えた。ロックオン完了。あとはただ横を向くのを待つのみ・・・。

その僅か数秒後、睨めっこに飽きたチヌは横を向く。そこで初めて目にしたチヌの側面・・・。

「や、痩せてんじゃん…(涙)!!」

しかし、そう思うと同時にヤスは手から放れており・・・


ドスッ!!


鰓よりやや後方を狙って撃ったヤスは、薄い胸板を軽々とシャフトまで貫通。暴れるチヌはシャフトを軸にクルクルと回転・・・。難なく手にしたチヌは、一昔前の宮沢りえを彷彿させるほどの激痩せぶり。体の幅より顔の幅の方がぜんぜん太いじゃん・・・。ちょっと騙された気分だな。

エキジット後、メジャーを当てると51.5cm。その体型から50cm弱かな?と思ってしまうほどの寂しい重量感。ん〜。ま、この時期なら仕方が無いか・・・。

■ 本日の総括

往復1時間以上もかけて島へ渡ったのは良いが、そこでの突果がゼロってのはちょっと寂しいもんだね。魚影は濃いだけにちょっと勿体無かった気もするが、たまにはこんな日があっても良いでしょう。広島でのホームになりつつあるポイント・FGでは今日もマダイを2匹。ここでは海の主の目撃例もあるし、ピンポイントでマダイを狙うなら今はここに行くしかないだろう。あとはスキルだな・・・。


場所 広島県 MJ→FG
『本日の突果』
天候 晴れ時々曇り
海況 弱風 べた凪
小潮 干潮10:00
透明度 3〜6m
潜水時間 7:30〜16:45
最大水深 8.5m(20.8℃)
ヤス 3.2mチョッキ銛 
フィン ワープフィン
突果 クロダイ 51.1cm
スズキ 49cm
本日の食卓
■ クロダイのじゃこ天(左)
根性でクロダイの白身を捻じ伏せた後、牛蒡、卵白、塩を入れて見事じゃこ天に。山葵醤油であっさり食っても良し。マヨネーズでこってり食っても良し!
■ スズキのカルパッチョ(右)
今更コメントはいらないだろう。旬の時期の良く冷えたカルパッチョ。聞いただけでも美味そうでしょ?





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