釣行記


『警戒態勢』

突行日 2005.3.9


冬の日本海はどんな感じなのだろう?基本的に海が荒れているのは知っているが、イシダイやハタの仲間が姿を消し、魚影は全体的に薄くなる・・・?これは本当なのか!?ならばこの時期の日本海はいったいどんな魚が泳いでいるのだろう!?百聞は一見に如かずだ。その答えを求めるべく、季節外れの日本海へと車を走らせた。

■1本目(明太子スパゲッティ−ポイント)

10時30分、予定通りに現地へ到着。波の高さは2→1.5m、透明度は3〜8m前後と、この時期にしてはまずまずのコンディション。しかも水温は水深10m付近で13℃と意外な程に温かい。しかし、期待して入った海の中は想像以上に殺風景なものでした。

最初の1時間で出会った捕獲対象魚といえば、ホンダワラの中でスズキ(50〜60cm)を2匹見た程度。他には所々にスズメダイや小メバル、タナゴがちらほらと居ただけで、夏には良型のイシダイやキジハタで賑わう沖合いの沈み磯も、残念ながらこの季節は蛻の殻。そんな寂しい海ですが、ヤリイカ(?)との駆け引きはかなり楽しめました。常に微妙な間合いをキープされ、コウイカのように簡単には射程圏内に入れてもらえず、それでいて一目散に逃げることは無い。たとえ射程に入れたとしても細く丸い身体はチョッキのような1本銛ではかなり狙い難く、身が柔らかいために強く撃つと簡単に身切れしてしまう。結局5〜6ハイのイカを相手に計1時間近くも格闘したのですが・・・、1ハイも獲れませんでした(2ハイ身切れ)。

ボウズのまま開始から2時間が経過。スキンダイビングとしてはそれなりに気持ち良かったのですが、他にも行ってみたいポイントがあったので、一旦上陸することに。

波打ち際からエキジットし、車へ向かって歩くと一人の中年男性が近付いてきた。「ギャラリーか?何を聞かれてもボウズじゃ格好がつかないなぁ・・・。」と思いながらこちらから軽く会釈。するとその男性、何かをオレに見せてきた・・・ん?警察手帳!?「○○署の者です。密漁者らしき人が潜っているとの通報を受けましたので事情聴取させて下さい。」「あらら・・・(苦笑)。」後ろから一人、また一人と私服警官が増えて計5人。しかし、想像とは違い終始フレンドリーな雰囲気のまま話は進み、最後は軽く手銛談義に(笑)。チョッキ銛やゴルフシャフトでの自作に興味を示していただき、条例に関しては警官達も実際のところはあまり解かっていない様子。おそらく通報を受けたから義務で来ただけって感じ。「今回は厳重注意という事で、次からは検挙の対象になりますよ。」と言われたのですが・・・。ま、明日は明日の風が吹くでしょう。

■ 2本目(サケガシラポイント)

2本目のサケガシラポイントまでは車で30分。警察の管轄も変わり、気持ちもリセットして仕切りなおし・・・のはずだったのですが、一難去ってまた一難。フィンとヤスを片手に海へ入ろうとするオレに話し掛けてくる一人の爺や。片手には何故か大きなスコップ。先ほどの警官と違い、第一声から喧嘩腰…。

「あんたらは海入ったらいけん!」
「なんでですか?密漁者だから?」
「そうだ!」
「・・・。魚だけでもダメですか?」
「みんなそう言って貝を獲りよるじゃろ!」
「うっとうしいジジイだな・・・。」

本日2度目の障害物。なんなんだこいつらは。海はみんなの物とかいう以前に、漁師は基本的に“海にあるものは全て自分達の物”と思っている人達が多い。まったく迷惑な話だ。こんな頑固そうなヤツを相手に自分の主張をするのも面倒臭いし、ましてや素直に納得するはずも無いだろう。本格的なシーズンを前に強行突破して、さらに関係を悪化させるのも賢明ではないと判断し、今日のところは黙って引き下がることにした。

■ 気を取り直して2本目(サケガシラ横の海水浴場)

その場を引き下がったとはいえ、このまま撤収するのはどうにも納得がいかない・・・、というわけで、サケガシラポイントから車で5分の所にある海水浴場にて、ヒラメ&カレイ探しを行うことにしました。

14時過ぎに再び突行開始。ある程度の透明度と、砂地もそれなりに綺麗だったが、波と一緒に底砂も動くため、凝視していると目が回ってしまう。数百m沖へ出ても、延々と続く遠浅の海。結局ここでも2時間程費やし、突果は沖合いの磯場でメバルを1匹捕まえただけ。これといった魚も見ることができず、終ってみると妙な疲労感だけが溜まった一日でした。


‐本日の総括‐

冬の日本海は想像以上に寂しかった。イシダイやキジハタはもちろん見ることも無く、全体的に魚影が薄い。チヌ、スズキ、メバル等、瀬戸内で年中見られる魚は確認できたが、その数は瀬戸内の何分の一、何十分の一だろうか・・・。とても満足のできる魚影ではない。
それより気になったのは警察や漁協の取り締まり。去年もそうでしたが、過剰なまでの警戒ぶりですね。今年の夏が思いやられますよ・・・。


場所 島根県某所
『本日の突果』
天候 晴れ
海況 風弱く 波高2m→1.5m
大潮 満潮 11:00
透明度 3〜8m
潜水時間 11:00〜16:00
最大水深 10.2m(13.1℃)
ヤス チョッキ銛 3.2m 
フィン ワープフィン
突果 メバル 24cm
本日の食卓
今日は泣いても笑ってもコレ一品だけ!
刺身と、アラの素揚げです。
アラは2度揚げをする事で、硬いメバルの骨もバリバリと食べる事が出来ます。ビールには最高のつまみになりますよね!不漁の夜は少ない漁獲でどれだけ美味い酒が飲めるかがポイント。食材は少しも無駄に出来ません(涙)。





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