釣行記

『開幕宣言』

突行日 2004.12.1


今夜は我が家で宴会予定。その食材を確保するべく、永吉さんとポイント・AA(広島)に、ウマヅラ狙いの突行へ出掛けました。最後にポイント・AAで潜ったのは9月下旬。その時は台風18号の影響でまったく魚突きになりませんでしたが・・・。あれから2ヶ月以上経った今、どれだけホームが復活しているか!?楽しみでもあり不安でもある突行が幕を開けました。

■ 1本目(ポイント・AA)

12月の寒さを感じさせない陽気の中、12時よりエントリーを開始。破れたウェットから染み込んで来る海水は冷たいものの、今までのポイント・AAでは経験したことの無い高い透明度(5m前後)に、テンションはかなり高め。もっと言えば「この透明度なら確実に宴の食材は獲れる!」と確信したほどです。

エントリー直後、いきなり現れたウマヅラを水面撃ちで捕獲。時期的にも小さなウマヅラは姿を消し、良型だけが少数残っている状態。最盛期の様に群れに囲まれるといった状況はあり得ないが、この季節はまだ活性が高いため、見つけることさえ出来れば捕獲は比較的容易い。最初の15分ほどで30cmオーバーを4匹捕獲。当初のノルマはウマヅラ10匹だったが、そろそろ周りをちら付くチヌが気になり始めた。

今日の透明度なら10mの海底でも明るく、視界は良好。魚影が高いのか、いつもより遠くまで見えるからなのか、とにかく1本目ではチヌを多く見ることができた。しかも去年の同時期に比べて活性が高く、40cmまでの個体は好奇心に任せてガンガン寄って来る。最初のターゲットは50cm強のチヌ。海底付近にてモジモジしている所を“こめかみ”目掛けてお忍びで一撃!クリーンヒット!!・・・と思いきや、頭部の一番硬い部分にヒットしてしまったのか、ヤスの刺さりが非常に浅く、押さえつける間もなく振り切られてしまう。

明らかなパワー不足。ゴムを縛り直し、張力をさらに高めて再びチヌを探す。直後、遠目で60cmクラスのチヌを確認。水深7〜8m。周りは障害物が何もない砂地だったので、寄ることも寄せることも厳しい。貫禄十分に黒茶げた魚体は、マダイにも劣らぬ迫力。結局警戒心剥き出しのまま勝負をさせてもらえなかったが、チヌを見て息を呑んだのは久し振りだね。

そのままふらふらと海面移動と空潜りを繰り返す。水深5mほどを平行移動しているときに捕食に夢中になっているチヌを発見。こちらからは完全に“頭隠して尻隠さず”状態。尾鰭の大きさから推測するにサイズは軽く40cmを超えているだろう。完全無防備に捕食を続けるチヌに対し、音を立てないようにゆっくりとしたフィンキックで死角から詰め寄る・・・。ゴムはすでに張力MAXでスタンバイ。経験上、捕食中のチヌがこちらの存在に気付いて逃げる時、何の前触れも無くいきなり逃げることは少ない。多くはこちらに気付いた瞬間「ハッ!?」として、一瞬横目で確認するかのように動きが止まる。遅くともその“一瞬(リミット)”を逃さなければ、捕食中のチヌの捕獲はさほど難しくない。そして今回もセオリー通りに事が運んだ。どこまで近寄ってもピクリともしないチヌ・・・。最終的にはヤス先50cm程度の至近距離から、頭部に容赦ない一撃!


KILL SHOT!


この条件では頭部も綺麗に貫通。キルショットは狙ったわけではないが、偶然にも脳を貫いていた様子。ただあれだけ硬いところを深く貫通してれば、キルショットでなくても取り込みは余裕だっただろう。海面にてスカリに通し、難なく取り込み完了。

・・・。

時折起こる激しい腹痛。意識が遠退きそうなほど下腹部をキリキリと刺激する。海の事ばかり気にしてトイレへ行くのを忘れていたのが原因だろう。1本目はこれに完全にペースを崩された。波が収まるのを待ち、潜行を始めるが、ジャックナイフの姿勢をとる度にウェイトベルトの締め付けが便意を誘発する。次から次へと押し寄せる波・・・。陣痛の間隔も少しずつ狭まってきた。はたして峠をいくつ乗り越えただろうか。集中力とともに体温も低下し、一旦上陸となる。

■ 2本目(ポイントCC)

ポイント・CCへは車で5分ほど。永吉さんがティッシュをボックスで持ってきてくれていたので無事、災いを野に放つことができた。これで気分スッキリと魚突きに専念できる。

海の中はホンダワラのジャングル地帯。単発的に良型のアイナメやウマヅラに出くわすが、なかなか思うようなアプローチができない。永吉さんは初めて体験するホンダワラ地獄に戸惑い、相当苦戦している様子。これなら直ぐにでも1本目のポイント・AAに戻った方が賢そうだ。海面での緊急会議の結果、早期撤収することに決定。帰り際、水面移動中にホンダワラの陰に60cmほどのスズキを発見。水面下1m程の所を悠然と泳いでいるが、水面まで伸びきったホンダワラがブラインドになりこちらの存在には全く気が付いていない。目の前を通過するタイミングに合わせてヤスを撃つ。放たれたヤスは横っ面を捕らえたが、押さえる場所が見当たらない。ダッシュしながらヤスを上に向け強引に掴もうとしたが、その直後、鰓蓋が千切れバラしてしまった。申し訳ない・・・。
少し反省しながら陸へ泳いで帰りました。

■ 3本目(中止)

ポイント・AAに戻る予定だったのですが、時間と体力が限界に近かったので断念。ま、これだけ獲れれば宴はなんとかなるでしょ?


■ 今日の総括
ついに冬チヌのシーズンが開幕。身に脂が乗りつつあるが、活性はまだまだ高い。いろんな意味でピークまでは距離がある。ウマヅラは良型が多いが、数が少ない。ただ、肝の大きさは相当なモノ。30cmの個体で、子供の握りこぶしくらいの肝が取れる。
バラした2匹(チヌとスズキ)はどちらもスキル不足が原因。最近バラしが減ったと思ったのになぁ・・・。残念。同じ失敗は繰り返さぬように、日々精進あるのみですね。



・・・本日出会った捕獲対象魚達・・・
クロダイ60を頭に40cm前後を多数  スズキ80cmを頭に50cm前後を7,8匹  ウマヅラ30cm以上を10匹程度  
メバル(小〜中・多数) コブダイ(40cm前後・単) アイナメ(30cm前後・単) カサゴ(小〜中・数匹)
 



場所 AA→CC
『本日の突果』
天候 晴れ
海況 ほぼ無風 ベタ凪
中潮 満潮 12:30
透明度 5m前後
潜水時間 12:00〜15:00
最大水深 8.3m(18.1℃)
ヤス 2又手銛 2.7m 
フィン ワープフィン
突果 クロダイ 50cm
ウマヅラハギ 35〜30cm 4匹
本日の宴
ウマヅラのノルマ10匹には届かなかったが、楽しい宴を開く事ができた。
ウマヅラの薄造り(生肝あえ)、ウマヅラ鍋、黒鯛カルパッチョ、黒鯛刺身、ウマヅラ茹で肝・・・。
食卓には旬の魚が並び、お酒と共に話も弾む。オレが出した料理の皿が、次から次へと消えていく。そんな光景を見るのはとても気持ち良かった。あまりの気持ち良さ、楽しさに、写真を撮るのを忘れてました。





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