釣行記


『キンダイ』

突行日 2004.10.17


透明度の悪い広島と波の高い島根を回避し、今回向かった先は山口県某島。この島での突行は去年の夏以来2度目。その時は島の北側でチヌやウマヅラを獲って楽しんだが、今回はイシダイ&大物狙いということで、潮当たりの良い島の南側を攻めることにした。

前回の島根遠征に引き続き、永吉さんとの合同突行。勘を頼りに車を走らせ、やって来たのはとある崖っぷちのポイント。雰囲気としてはかなり良い感じのポイントである。良い意味で瀬戸内らしさが無く、大物の予感もヒシヒシと伝わってくる。10時過ぎ、釣り人の邪魔にならないように突行開始。

エントリー直後、水深2〜3mの浅場でメジナの群れや良型メバル、それから20cm弱のイシダイを数匹目撃。サイズとは関係なく、瀬戸内海でイシダイに会えると何故だか無償に嬉しくなってくる。加えて適度な潮流に5m前後の透明度。久しぶりの良いコンディションに、自ずとモチベーションも上がってきた。そんな良い気分の中、崖伝いを潮の流れに反って泳ぎ、目的のポイントへと向った。

数分後、目的のポイントに到着。潜り始めに比べて透明度は少し落ちたものの、魚影は全体的にかなり濃かった。もしかしたら魚突きを始めて今までで一番魚影の濃いポイントだったかもしれない。わずか2〜3回目の潜行で、確実に50cmオーバーのチヌと遭遇。しかし好奇心より警戒心の方が勝っており、一定の間合いを維持したままそれ以上は近寄って来ない。結局苦し紛れのジャンピングアタック作戦に出たが、射程圏内までは僅かに届かず不発。やや弄ばれたような結果に終わる。

その後はキビレの40cmクラス等、それなりに良い魚には出会えたものの、ヤスを撃つことなく30分が経過。そろそろ昼のオカズのためにも何か獲らなければと根魚探しを始める。水深7〜8mのところに大きな岩があった。その岩穴や岩下をくまなく探したが、これといったサイズの魚が見当たらない。諦めて顔を上げると、いつの間にか4〜5m前方に薄ピンク色のバガでかい魚体が…。マダイだ!しかもサイズは貫禄の80cmクラス!こちらを意識しているのか?とりあえず岩に隠れて寄せを試みるが、寄るどころかどんどん深みへ泳ぎ去っていく・・・。戻ってきそうな雰囲気は全く感じられない。限りなくゼロに近い可能性に期待して、ジワジワと背後から迫ってはみたが、やはり射程圏内まであと少しというところで逃げられる。
しかし久々に魚を見てブルった一瞬だった。たとえ勝負にならなくても、このクラスの魚とは向き合えただけで何とも言えない余韻に浸ることができる。

結局午前の1本目は美味しそうなメバルを1匹獲っただけで終了・・・するはずだったが、エントリーポイント付近にあるテトラ付きの防波堤から釣り人の姿が消えていたので、帰りに少し寄ってみることにした。透明度はあまり良くないものの、魚影はまずまず。水深5〜6mまで潜って30秒ほど待つと、毎回のように30匹程のメジナ群れ(30〜40cm)に囲まれる。そして数回の潜行に一度の頻度で、そのメジナの群れの中にイシダイが1〜2匹混じっていた。サイズはいずれも40cm弱だが、地味なメジナの群れの中では一際大きく立派に見える。メジナに比べて好奇心旺盛なイシダイは、群れを抜け出しスルスルと寄ってくるものの、メジナの群れの機敏な動きに過剰反応し、あと1歩が寄せれない。数回もどかしい空潜りを繰り返した後、ようやく1匹のイシダイを射程圏内に入れることができた。真正面から向き合い、ヤス先との距離は50cmほど。「こりゃ楽勝だな。早く横を向いちゃえよ!」しかし良く見るとこのイシダイ、何とも“えげつない顔色”をしている。病気か?横を向いた瞬間に正体発覚、キンダイかよ!?そう思うと同時にヤスはすでに胸鰭付近を深々と捉えており、サケガシラに続く珍魚第2弾の捕獲にあっさりと成功。エラを抜いて、スカリに通して・・・。う〜ん、良く見るとなかなかカッコ良い魚だな(笑)。

こんな感じで、午前の部は終了となった。

永吉さんはやや波酔い気味。昼からベタ凪のポイントへの移動を考えたが、波も納まりつつあったので、1時間ほど休憩してこのテトラ沖の捨石付近にて2本目をスタートさせた。

開始から15分。午前とまったく同じシチュエーションでイシダイ36cmを捕獲。このサイズならコンスタントに獲れそうな気がするが、やはり日本海とは違い個体数が少ない。30分もするとイシダイ達は完全に姿を消し、メジナの群れや単発的なチヌ、コブダイしか見えなくなった。ちなみにその頃永吉さんはテトラ際にて20cmのメバルを見事にゲット。瀬戸内で20cmのメバルといえば立派なサイズですよ。魚突き3回目とはいえ、この順調な成長振りにさらなる飛躍を期待していたが、昼前から徐々に襲いかかってきたサイナススクィーズの痛みに耐え切れず、無念のリタイア。前回の日本海遠征に引き続きやや不完全燃焼っぽく海から上がることに。イシダイに関しては惜しいシチュエーションがあったんだけどね〜。時を同じくしてオレには今季初となる寒さによる震えが…。ちょうど引き潮と重なり、テトラの魚影が薄くなりかけた15時30分、納銛としました。

翌日は永吉家と突いた肴で楽しい宴が開かれました。みなさん満足していただけたようで何よりです♪って、実はオレが一番満足してたりして。




場所 山口県某所
『本日の突果』
天候 晴れ
海況 風強く波高1〜1.5m
中潮 満潮 10:50
透明度 5m
潜水時間 10:30〜11:45
表面水温 23.7 ℃
最大水深 9.6m(23.5 ℃)
ヤス 2又手銛 2.7m 
フィン ワープフィン
突果 キンダイ 37cm
イシダイ 36cm
メバル 26cm

※メバル20cmと?cmは永吉さんの突果です。
本日の食卓
翌日は永吉さん&奥様と突いた肴で宴会です♪料理は自分なりに合格点。永吉さんの楽しいトークであっという間に時間が過ぎてました。ちなみにお品書きは・・・
1、キンダイ、メバルの刺身  2、イシダイのカルパッチョ
3、イシダイ鍋  4、メバルの大葉包み  5、メバルの潮煮
・・・となりました。





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