釣行記


『MEARI』

突行日 2004.9.29


中国へ一直線に向かっていた台風21号が急旋回。オレの休日、しかも日本海突行の予定に合わせるかのように中国地方を横断することになった。完全ノーマークだっただけに、この軌道にはかなりムカツいた。なにがアジア名・メアリーだ!?ふざけんな。こうなりゃ意地でも日本海で潜ってやる!

4時30分に予定通り起床。気になる窓の外は予報通りの大雨。すぐにテレビのスィッチを付けて天気予報も確かめたが、何一つプラス思考になれる材料が見当たらない。台風は何の迷いも無くこちらへ向かっている。やはり無謀か・・・。20分近く天気予報と睨めっこ。ただ一つ良い情報だったのは波の向きが西向きだったってことかな。この向きならサケガシラポイントはちょうど風裏にあたる。そしてそこにはクエが・・・!?ただそれだけを頼りに薄暗い中、車へと乗り込んだ。

実は道中もラジオ付けっ放しで悩んでいた。リアルに2,3度引き返そうと思ったが、島根県内に入ってようやく腹を括った。7時30分過ぎ・・・、ついに日本海に到着。サケガシラポイントへ行く前に、いつものテトラポイントへ寄ってみた。潜れそうだったら1本潜っていこうかな?・・・と。

今日はさすがに釣り人も居ない。風はそこまで強くないが、波はなかなかのモノだ。横の浜辺では、若いサーファーが朝も早くから波を楽しんでいる。「台風時にサーファーが海難事故」・・・こんなニュースを聞くたびに「自己管理ができてない!こんな日に海に出るヤツの気が知れん。」と思いっきり愚痴っていた自分は今、荒れた海で素潜りをしようとしている。彼らは波を楽しむために台風の中・・・。オレは波で苦しむのに台風の中・・・。

結果から言えば潜れると判断したオレの完全なる敗北。透明度3m弱、波が厳しい上に海中はかなりうねっている。入水直後は少し恐怖すら覚えたね。しかし魚影のほうは海況とは関係なく濃かった。1回目の潜行からいきなり現れた数十匹のハネの大群(出会い頭に超高速で全員逃亡)。テトラでは初めて見た50cmクラスのマダイ(結局寄せきれず)。サンバソウやメバル、チヌ、メジナ・・・。
なんとか波酔いする前に良い魚を獲りたいと思った開始5分後、岩陰に入ろうとしたメバルを捕獲し、スカリに取り込んでいる最中に2度、嘔吐寸前に。結局メバルを1匹獲っただけで逃げるように緊急上陸。かなりやばい。

■ 2本目 サケガシラポイント

さすがだ!と、唸るほどのベタ凪。読みがズバリ的中だ。
手早く準備を済ませていざ海へ。透明度は4〜5mだが贅沢を言っている場合ではない。砂地にて底物を探しながら沖合いの磯へと向かった。

さすがにこの湾内のポイントでも沖の磯場まで出ると波やうねりは強くなる。魚影は前回よりもやや薄い感は否めないが、ある程度は覚悟の上。ボラだけはいつも以上によく見かけた。数匹の群れと十回以上遭遇。透明度があまり良くないので、スズキと紛らわしく何度もガッカリさせられた。エントリーポイント付近の砂地ではウミヘビ(?)を1匹見ただけ。こいつはかなり好奇心旺盛で、目の前にヤス先を近づけると、何だ?何だ?とヤスを噛みに来る。海底をごりごりヤス先で小突いて砂を巻き上げると、エサの動きと間違えて砂の中に顔を突っ込みエサ探し。遊んでいて面白かったが、時間も無いので早めに別れを告げる。磯場では30cm強のキジハタを追い詰めるも、奥細い岩穴に逃げ込まれ、待ちに待った40クラスのイシダイは寄せ切れず・・・。

このまま波の穏やかなポイントに時間をかけて攻めるのも良かったが、今日は数時間後に台風が来るのであまり暢気な事は言っていられない。早期決着を心掛け、前回クエを目撃した潮当たりの良い湾外のポイントへ・・・。

さすがにクエポイントまで出ると海は大荒れ。30分も潜っていられないだろうと判断し、急いで潜闘態勢に入った。

いきなりピンポイントでクエ穴へと向かったが、残念ながら今日は留守のようだった。無論、そう簡単に会えるわけが無い。気を取り直して向かった近所のキジハタの棲家も、今日はお出かけらしい。台風の中、わざわざ会いに来たというのにあまりにも冷たい歓迎ぶり。20分ほど粘ってみたが、やはり良い魚には巡り会えない。スカリにはサンバソウが1匹。ぼちぼち引き返そうかと思っていた矢先、水深6〜7mの岩陰に1匹の魚影が見えた。ボラか?・・・いや、スズキじゃん!

気付かれないように近付き、ヤスを構える。狭い岩陰をせわしく動くスズキらしくない動きにやや戸惑うも、照準とタイミングを合わせて一撃!ヤスは身体の厚い部分にクリーンヒット。そのまま強引に押さえ付ける。幸運にも深々と刺さったヤス先はギリギリの所で背骨を砕き、難しい体勢ながらもわりとスムーズに捕獲、そして難なく取り込みに成功。とりあえず悪い海況の中、今年初のスズキサイズ(60オーバー)が獲れたことに自己満足。

良い魚をゲットし、テンションもやや上がり気味。突行時間の延長も考えたが、海面から顔を出すと横殴りの雨がどんどん勢いを増しているように見えた。波もうねりも時間と共に高くなっている。海面から強風によって吹き上がる潮飛沫はとても幻想的だったが、同時に「海から上がれ」という意思表示のようにも思えた。

時計はまだ10時。時間的には物足りないが、オカズも獲れたし良い経験になった。予定より少し早いけど帰ろう。安全第一ということで、時間・海況ともに余裕を持っての納銛としました。




場所 島根県某所
『本日の突果』
天候 雨・台風21号
海況 風強く波高2〜3m
大潮 満潮 9:00
透明度 3〜6m
潜水時間 8:00〜10:00
表面水温 ―― ℃
最大水深 ―― m(―― ℃)
ヤス 2又手銛 2.7m 
フィン エスカペ
突果 スズキ 65cm  (県外自己記録)
イシダイ 32cm
メバル 29cm
本日の食卓
【左:刺身盛り】  【右:イシダイの潮煮】 
何と言っても今日はスズキ。まだこの時期は脂がのっていて美味い!刺身、カルパッチョ、カマの塩焼き、どれをとっても合格点でした♪イシダイの潮煮は初挑戦。ポン酢で食ったら凄ぇ〜美味かった。もしかしたらこれが今日の一番かも…。メバルは筋肉質なゴムメバルだったのでぶつ切りにして吸い物へ。





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