釣行記


『銛部&アクアライフ』

突行日 2004.8.29


台風の影響により遠征が中止になったのは銛部だけではありませんでした。山形大学のアクアライフも九州遠征の途中に足止めを喰らい、急遽予定を変更して島根県に滞在中とのこと。しかしその縁あって(?)銛部とアクアライフが島根で合流しているらしい。そんな話をいっしーさんから聞いたのは28日の突行から帰った直後の21時過ぎでした。

「み〜ちんさん、今アクアのメンバー達と飲んでます!しかも明日こっちは風裏で潜れそうですよ。」

そんな事を聞いてのんびりしていられるわけが無い。明日の早朝出発を考えたが、思い立ったが吉日。嫁の怒りのボルテージがMAXを超える直前に車に乗り込み、22時過ぎ一路島根へと向かいました。途中、東広島市内でツルボウと合流。道中は海・魚ネタで喋りっぱなしだったおかげで睡魔にも襲われることなく深夜1時過ぎに島根に到着。遅くに着いたにも関わらず、銛部のぽんさんを始めアクアのみんながとても気持ち良く迎えてくれたのは凄く嬉しかったですね。強行スケジュールで島根まで来た甲斐がありましたよ。アクアと初めて出会って一番印象に残ったのはアッキー君やオガリョウ君達の活き活きとした目ですね。若さや勢い、色々なモノに対する溢れんばかりの好奇心をひしひしと感じました。

ま、その後の事は
Photoコーナーをご覧になって想像して頂きましょう。ここでは海の話を・・・。


翌日も天気は晴れ。銛部がチョイスした波の無いポイントで、11時より突行開始です。海は台風の影響をまったく感じさせないほどのベタ凪で、海中の透明度は15mと今まで体験した中でも最高の抜け具合。ほんとに体が宙に浮いているように気持ち良かったです。

今回潜ったポイントはかなりの遠浅で、エントリー直後から水深2〜3m前後の磯場が続きます。ここにタナゴやメジナ、サンバソウやイシガキダイ、ベラの仲間などがチョロチョロしていましたが、30cmを超えてそうな魚はタカノハくらいでしょうか。50m以上沖に出たところでも水深は7〜8m。底は砂地に変わり、時折大きな岩が散在するもののやはり魚影は薄く、大物の影はまったく見ることができませんでした。

アクアの前で良いとこを見せたい気持ちとは裏腹に、無情にも時間だけが過ぎていきます。ここぞという時にとことん弱いのがオレの性分。思うようにならない現状に焦りながらも30分ほど海面を漂い、一番沖にある沖磯からさらに100mほど沖に出たところで、ようやく魚影が濃いポイントを発見しました。

水深は15m程度。ドドーンとあちこちに点在する高さ4〜5mの根の周りに、20匹程度のイシダイの群れ!サイズはどれも30〜40cm前後のオカズサイズでしたが、これだけのまとまった群れに出会ったのは初めてだったのでちょっと圧倒されましたね。

・・・皆の前で小さな魚を獲って上がるわけにはいかねぇ〜なぁ。最低でも40cmは欲しい・・・

いつも以上につまらない見栄が生意気な考えをおこすものです(笑)。

とりあえず10m付近まで潜って根のトップに身を隠し、魚が寄ってくるのを待つことにしました。すると30秒もしないうちにイシダイが1匹、また1匹と近くまで様子を伺いに来ます。サイズはイマイチでしたが、何匹か寄って来た中で一番大きなヤツの横っ腹に一突き!40cmは超えているだろ?と手繰り寄せたイシダイは手尺で35cm程度・・・。うっ、これはやばい!もう少し頑張らなくては(汗)。

潜れば必ず数匹は射程まで寄ってくる状況。なんて献身的な魚達なのだろうか。空潜りを数回繰り返した後、先ほどのイシダイより一回り大きなヤツが射程圏内に入ってきました。

撃つか?見送るか?今度こそ40cmあるのか?・・・あるはず!!

期待を込めてファイト一発!楽に取り込んだイシダイのサイズは・・・、やはり手尺で35cm前後(涙)。マジかよ(汗)!

こうなれば数よりもビッグワンを求め、2〜30m沖に向かってポイント移動・・・。ふと岩場の海底に目をやると、今度こそ40cmを超えてそうな(本当か?)イシダイを発見!水深13mの岩下に入ったのを確認し、息を整えゆっくり潜行。そして穴を覗こうとした時、偶然にも良型のキジハタがその穴から出てきました。思わずキジハタにヤス先を向けましたが、その直後に同じ穴から今度は40cm半ばのキジハタが後を追うようにして出て来たのを確認し、そちらをロックオン!魚との距離は1.5m程度。やや遠めだがチャンスは今しかないと思い、真上からヤスを打ち込みました。ゴリッ!と後頭部付近に当たったはずのヤス先は、2叉のうちの1本しか刺さらず、しかも首の皮一枚だけが辛うじて返しに引っ掛かっている状態・・・。押さえに入ると同時に身切れしてバラシた事はいうまでもありません。これは相当悔しかったですね。

あっという間に1時間が経過。ぼちぼち一旦浜に上がる時間です。腰には40cmに満たないイシダイが2枚。オカズ的にはこんなもんだろ。そう自分を慰めながら陸まで泳いでいる際にツルボウと一緒になり、ほぼ同時に上陸。その時初めてツルボウの獲った魚を見ました。イシダイ&イシガキダイ40cmオーバー、キジハタ40cm後半×2匹・・・。こ、これは凄い!お見事としか言い様が無い。それに比べオレの魚の小ささといえば・・・(涙)。
アクアや銛部のみんながツルボウの周りに集まって盛り上がっています。オレは誰にも気付かれないようにその近くをそっと通り過ぎ、何事も無かったかのようにクーラーボックスまで行って、なおかつ自分もその中に入りたいくらいの気分でしたが、

「おっ、み〜ちんさんも何か獲ってるよ!」

・・・というアクメンの声(おそらくガイ君)が、ある意味オレにとってキルショットでした。

銛部は所用のため1本で引き上げとなった。また島根でも広島でもゆっくりとご一緒したいですね!1時間程度の魚談義の後、アッキー君とオガリョウ君はツルボウの潜ったポイントに攻め込むと言って一足先に海へ向かいました。オレ達はその15分くらい後から2本目に。オレは1本目でキジハタをバラしたポイントへ行きたかったのですが、波と共に濁りが増したため、情けないことに自分の潜ったポイントが見つかりませんでした。しかも30分ほど経った時に心身ともに急激な疲労感に襲われてしまい・・・。昨日も無理しちゃったし、今日もこれから長距離運転が待ってるし・・・そろそろ上がろうかな・・・。そう思った時に、何かが足に触れました。

「何奴!?」

びっくりして振り向くと、それは陸へ向かって泳いでいるオガリョウ君とアッキ―君。何故か凄く満足そうな顔をしています。それもそのはず、その腰にはなんとクエがぶら下がっているではありませんか!!しかも良いサイズ!素晴らしい!!マジ凄ぇ〜よ!おめでとう!!
クエを見せられて一瞬やる気が出そうになりましたが・・・、やはり帰りのことも考えるとあまり無理は出来ず、結局2本目はまともな魚を見ることも無く納銛としました。

いや〜この一日で、またいろんな人と接することができました。オレの中で山形大学のアクアライフといえば遥か遠い最果ての地に存在し、ネット上でのみ拝見する魚突き師の集団だったので、一緒に潜れたことは今後決して忘れることの無い良い思い出になりました。

しかし縁って不思議なものですよね。山形と広島の人間が島根で…。

黄金伝説などのTV番組でやや認知度が高まりましたが、それでも魚突き人口はまだまだ少なく、世間一般の目からするとオレ達は一風変わった趣味を持つ集団です。でもそんな一握りのマニアックな集団だからこそ、仲間意識って強いと思いませんか?初めて出会った人が魚突きをしている人でしたらまず間違いなく意気投合しますよね?ネットや掲示板で出会った見ず知らずの人と生涯の友達になることが出来たり・・・。そういう趣味なんでしょうね、魚突きって。

海というフィールドが日本を取り囲んでいる限り、そして自分が海と共に生きていく限り、これからも多くの素晴らしい仲間に出会えると思います。上手くは言えないですが、ただ海から魚を獲って上がってくるだけの趣味で終わらせたくないですね。





場所 島根県某所
『本日の突果』
天候 晴れ
海況 風弱く波高50cm
大潮 満潮 11:30
透明度 10〜15m
潜水時間 12:00〜15:00
表面水温 28.0℃
最大水深 13.7m(27.4℃)
ヤス 2又手銛 2.7m 
フィン ワープフィン
突果 イシダイ 2匹  36.5cm、35cm
本日の食卓
【左:キジハタ・薄造り】
ツルボウに感謝の1品♪あっさり旨みのあるキジハタは薄作りが一番!ポン酢と薬味があればあとは何もいりません。
【右:キジハタ・カマの塩焼き】
脂の出方が半端じゃない!旨み成分MAXですね!これは最高だ!





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