釣行記


『波に負けるな!』

突行日 2004.7.14


前日の波予報は2m→1.5m(島根県)と、潜るには微妙な海況予報。日本海へ強行するか、大人しく瀬戸内で潜るべきか迷ったが、銛部のぽんさんの「明日は大丈夫でしょ!」の一言が決め手となり、日本海行きが決定。車を3時間走らせて、日本海はいつものポイントに到着。

気になる波は、かなり微妙な状況。一見穏やかそうにも見えたが、テトラや岸壁には数mの高さに及ぶ波飛沫が上がり、身支度を済ませたオレをビビらせる。

とりあえず海へ入ってみたが、かなりの揺れとうねりに、波酔いするのは時間の問題だと瞬時に判断することができた。しかしそんな海況とは裏腹に、透明度は10m前後と今年一番のコンディション。加えて魚影も濃かった。まずはエントリーポイント付近のテトラで20匹ほどのスズキ(40〜80cm)の群れに遭遇。小さい固体や、痩せているスズキは何度か射程に入って来たが、少しでも大きく、少しでも太いヤツを!と欲張っていたら、1匹また1匹と逃げられ、結局ヤスを撃つことが出来ず。手が届くほどの距離で40〜50匹のハマチの幼魚(20〜40cm)の群れに何度か出くわしが、サイズ的にもヤスを撃つまでには至らなかった。

10分ほどが経過。この時点ですでに波酔いモードに突入。どうせ玉砕するならメインポイントに行ってからにしようと思い、今日は早々とテトラを後にした。

実績のあるメインポイントの海況はさらに悪く、着いて10分もしないうちに最初の限界が来た・・・。

うぅ・・・、目が回る・・・@@。

透明度が高く、魚影が濃いだけに非常に残念。とりあえず近くの岩場に一時避難し、気分と体調を落ち着かせた。

「ったく、どうしようもね〜な。これからどうするよ?帰るか?」

何度も自分に問い掛けたが、こうなることも覚悟の上でやって来た日本海。ここで散るわけにはいかない!・・・と、果敢(無謀?)にも再スタートを決意。魚影はまずまず濃いが、サイズはどれもイマイチで、熱くなるような相手は現れない。ふと海面から顔を出すと、いつの間にか近くで釣り人が竿を出している。この場合、優先的なのはどっちだ?結果的にメインポイントの半分をその釣り人に明け渡したため、少し肩身の狭い突行となってしまった。結局目的のイシダイはクチグロはおろか、40cmクラスにさえ出会うことが出来ず、2度目の限界がやって来た。かなりグロッキーな状態で岩に這い上がり、ウェットを脱いで岩の上で横になっていると、いつの間にか1時間ほど爆睡していた。

そして思い出したように突行を再開する。

時間の経過と共に落ち着くはずの波は、予報に反して収まる気配がない。しかも魚影は少しずつ薄くなっているような気がする。そして顔を上げると、さらに釣り人が増えていた。潜れる場所が一段と狭まり、かなり窮屈な状況。これではなんのために平日を選んで日本海に来たのだか・・・。

とりあえず晩飯のおかずに、30cmクラスのサンバソウが岩下に入ったところを2匹捕獲し、早々と3度目の休憩。その後も10分潜っては30分近く休憩という効率の悪い時間が続いたが、12時半を過ぎたところで我慢の限界。始まって5時間近く経ったけど、実際には1時間くらいしか潜っていない。それでも波に弱いオレからすれば、根気良く頑張った方かな(笑)。そう自分を慰めながら、押し寄せる嗚咽に耐えつつ急いでエントリーポイントまで戻りました。

廃人のように上陸したオレを待っていたのは1台の白い軽自動車。車の中にはおじさんが一人、じっとこちらを見ている。こちらから友好的に声をかけたが、相手は威圧的な態度を崩さない。結局その人は漁業関係者で、どうやらウェットスーツを着て潜っていたオレが気に入らないようだ。最初は険悪なムードだったが、サザエ等を獲らない事、手銛を持って魚だけを狙っている事、島根県の漁業調整規則でそれらが承認されていることを言うと、快くではないがそれなりに理解を示してくれた。でもやっぱりオレ達って密漁者と同じライン上に見られるんだな〜って実感しましたよ。

それはさておき時計はまだ13時を回ったばかり。このまま終わるのはどうもすっきりしない。という事で、2ポイント目にやって来たのは2ヶ月前に2度と行かないと酷評した赤潮発生&魚影薄々&ドチザメ多発ポイント。封印したハズのショボショボポイントを早々と選んだ理由としては、@湾内で比較的穏やか A場所が近い B他にポイントを知らない・・・ってとこです。

実際に行ってみると、赤潮も収まっており、しかも波は比較的穏やか。潜っても透明度が高い上にうねりが無く、これがなかなか快適で気持ち良い。魚影の方もこの2ヶ月である程度は濃くなっている様子。エントリーポイント付近では小さなベラやニザダイ、メジナの群れしか見なかったが、前回行かなかったかなり奥に入り込んだ場所まで行くと、サンバソウや30cm近いメバルの姿が現れ始めた。しかも雰囲気良く大きな岩が連なっているので、なんとなく岩下に良い魚が隠れていそうな予感。ワクワクしながら水深10m前後の岩下を覗きまわってみると、30分程経ったところで小さな岩穴に1匹の魚を発見!体に見合わぬ大きな口と胸びれ、、、キジハタだ!ヤスは魚に向けていたが、真正面を向き合ったまま微動だにしないため撃つに撃てない状況。横を向くのを待っていると、急に動いて穴の奥へ・・・。これと全く同じパターンを5〜6回繰り返した。海面で息を整えて潜り直すと、そいつは面白いように同じ位置で待っている。で、近付くとまた穴の奥へ・・・。少し信頼関係すら築いてきたところだったが、無情にも油断したヤツのエラ付近に撃ち込んでしまった。

その後も味を占めたように岩下の捜索活動を続ける。

「イシモノはおらんか〜?ハタはおらんか〜?」と。

しばらくして覗いた岩穴の横に。変なでっぱりを発見。ん?魚!?カサゴ!?相当デカいじゃん!?警戒される前にミドルレンジから落ち着いて頭を打ち抜いた。捕獲してその大きさよりも、太さにビックリ!ムラソイ35cm、重さは1キロジャスト。商品価値はキジハタには遠く及びませんが、この重量感には満足させられましたね♪

魚をスカリに通し終わり、海底にふと目をやると、今度は35〜40cmのイシダイを発見。今日一番のサイズだ!時間も残り少ないし、これは是非キープしておきたい。
潜行を開始して徐々に距離を縮めていく・・・。するとその隣に見慣れない模様の魚が・・・?イシガキダイ!?サイズは可愛い25cm程度だったが、初めて見るイシガキダイに少し感動。いつの間にか目標を変え、イシガキダイを追いかけていました。しかし残念なことに岩下に追い込むまでは良かったのですが、穴が異常に深くて魚を見失い、捕獲は出来ず。穴から出て来ないかな?と、付近で何度が潜行を繰り返していると、30cmちょっとのイシダイが寄って来たのでそいつを妥協して捕獲し、体力・時間・肴と帰宅三大要素が揃ったところで納銛としました。

2ヶ月前に「この海は明太子スパゲッティ−だ」と酷評してしまったポイントも、状況が変わり、隅々まで開拓すればなかなかおもしろいポイントでした。魚影は薄いが、エントリーがし易く、探れるポイントも多い。水深も10〜15mと今のオレには調度良いですしね。しかもまだまだ未開の根が多く、実際のところ完全にポイントを攻略できていない状況。もしかしたらこのポイント、大化けするかもしれませんよ!?最後にはそんな雰囲気すら感じました。

やはり1回の開拓ではなかなか判らないものですね。

最後になりましたが・・・
>ぽんさん、先日は忙しい中ありがとうございました。広島育ちの僕には少々厳しい海でしたが、終わってみると「来て良かった!」と思える日本海突行でした♪今度は一緒に行きましょう!




場所 島根県某所
『本日の突果』
天候 晴れ時々曇り
海況 風強く波高1.5m
中潮 満潮 9:45
透明度 10〜12m
潜水時間 14:30〜16:15
表面水温 26.5℃
最大水深 10.9m(26.5℃)
ヤス 2又手銛 2.7m 
フィン ワープフィン
突果 イシダイ 3匹 34〜30cm
キジハタ 30cm
ムラソイ 35cm  
(自己記録)
本日の食卓
【左:ソイの刺身】
多少大味でしたが、わりと歯応えが良く、普通に美味かったです。
【右:キジハタ・アラの塩焼き】
刺身の残りで。コイツはヤバイくらいに美味かったぞ!日本酒が進む進む♪あこう最高♪





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