釣行記


『サメとスズキ』

突行日 2004.5.12


今日の狙いは乗っ込みイシダイ。およそ半年振りの日本海に、期待はかなり膨らんでいた。早朝より車を走らせること約3時間。日本海で唯一の自分の開拓ポイントに到着。

まるで瀬戸内のようなベタ凪の中、9時より突行を開始する。ポイントまで泳ぐこと15分。いつもならこの道中にサンバソウやメジナの群れと遭遇するのだが、今日は1匹も見かけない。まだ時期が早かったのだろうか?少し不安を募らせながらも魚影の濃いメインポイントに到着。ここまでくるとようやく魚が顔を見せ始めたが、それでも魚影はかなり薄い。海面から目を凝らして魚を追うも、目に付くのはタカノハダイとコブダイ、メバルなどの小魚達。


イシダイは気長に待っていればどこからともなく家族連れでやって来ると信じていたが、1時間が経過しても一向に姿を現さない。こうなったら一つ一つ岩下を探して回るしかないと、根気良く探し回ること約10分。水深8mの岩下にスズキを発見!ゴムはすでに引いてあったので、発見と同時にロックオン状態。魚は動かない上にヤス先との距離は30cm。もうもらったも同然のラッキーシチュエーションで、あとはヤスを撃つだけ・・・だったのに・・・。どういうわけか撃ったヤスはかすりもしなかった。魚が動いたわけでもなく、今考えてもどうして当たらなかったのかさっぱり分かからない。悔しいというか情けない一瞬でした。

その後もスズキは数匹目撃するも寄せきれず、イシダイにいたってはサンバソウすら目撃できず。相変わらず悠々と泳ぐコブダイを横目に、晩飯のオカズにハコフグとメバルを数匹を捕獲。(メバルは地味に県外自己記録更新)3時間でこの突果。ベタ凪だっただけに今日は何も言い訳できないし・・・。時計を見るとまだ12時を回ったばかり。このままでは終われないため、2本目は場所を変えて潜ることにした。

2本目は車を10分ほど走らせて偶然見つけたポイント・MSP。道路からの眺めは最高で、イシダイがウヨウヨ群れていそうな雰囲気を存分に醸し出している。オレは迷う間もなく準備を済ませて海辺へと向かった。ここからが悪夢の始まりとも知らず。

車を降り、意気揚揚と波打ち際に向かったオレを真っ先に出迎えてくれたのは無数の小バエ達。浜辺全体でいうと何百万、あるいは何千万匹という単位だろう。歩けば歩くほど、どこからともなく沸いてきて、身体中のいたる所にしつこくまとわりつく・・・。まるでビートルズが初来日した時のような熱烈な歓迎振りである。勘弁してくれとばかりに猛ダッシュでハエエリアを抜け出したオレに、さらなる逆風が吹き付ける。エントリーポイント一面に広がる赤ピンク色の気色悪い海面・・・。沖に出れば綺麗になると楽観視して海に入ったが、少しの間でもこの中を泳ぐのは気分が良いものではなかった。海面まで伸びきった海藻に絡む濃いピンク色の海水の中を泳ぎ抜けていくわけだが、急いで泳ぎ出ようにも海草が身体やヤスに絡んでなかなか前に進めない。それはまるで明太子スパゲティーの中で溺れているかのような感覚だった。

抜け出せただけで、一仕事を終えた気分。帰りにもう一度同じ道を通って帰るという事実は、今は考えないようにしよう。さて、肝心の魚突きの方ですが・・・、ここにも魚がまったく居ない。期待は大きく、さらに嫌な思いをしてまで入っただけに、ショックはかなり大きかった。それでもせっかく入ったのだからと気を取り直し、魚影の熱そうなポイントを求めて沖へ沖へと調子に乗って泳いで行くことに。透明度は5m前後とあまり良くない中、5分ほど泳いでいると前方の海底に大物のシルエット発見!しかも2匹。やった!やはりオレのポイント選択は間違ってはいなかった!ゴムを引いて潜行し背後から迫る。スズキか?サイズは1.5mくらい・・・1.5m?・・・?・・・サメだ。広島で潜っているためサメを見慣れないオレは大ビビリ。なんたって種類に関係なくサメ=凶暴、危険生物ですから(笑)。とりあえず逃げた。逃げる途中にカツオノエボシのような大きく長〜いクラゲが目の前(数十cm)に突然現れ、さらにパニックに。海面に漂うゴミさえも強敵に思えるほど不安定な精神状態。ドキドキしながら泳いでいると、海底に70cmほどのシルエットを確認。「またサメか!?」とビビッたら、その動きに魚も驚いて逃げていく・・・、今度はスズキでした(涙)。完全にノミの心臓です。気分を落ち着かせて根性を入れ直すが、次に出遭ったスズキだと思ったメーターオーバー&60cmサイズのシルエットはまたサメ。その次にスズキに遭った時はまたビビッてしまう・・・。ここにはサメとスズキしかおらんのか?と、何故かややギレモード。しかたなく岩穴探索を始めること数分、大きな穴に60cmサイズの魚が、暗くてよく見えないがスズキか?・・・よし、動かないぞ、朝と同じミスだけは、、、落ち着け、、、ロックオンだ、、、あぁぁ〜、またサメだぁ〜(涙)。

もう何がなんだか分からなくなってしまい、この海で泳いでいること自体に腹が立ってきた。
このポイントに未練は無い、帰ろう。

・・・という事で、今年初の日本海遠征は見事不発に終わりました!

ちなみに家への帰路にて、去年の8月にスピード違反で捕まった場所と同じ場所でおまわりさんがネズミ捕り。二度と同じ手はくいませんぜ。しかし張ってる所はド田舎の山の中ですよ。どんなもんでしょうかね。ん〜、腹立つわ。


※補足
この日見たサメは図鑑によるとドチザメというサメらしいです。どうやら全く危険生物ではないとのこと。だけどビビって損したという感覚はないよ。何故ならもう一度同じサメに遭ってもやっぱりビビっちまうだろうから。。。





場所 島根県某所
『本日の突果』
天候 曇り時々晴れ
海況 風弱く波100cm
小潮 満潮19:15
透明度 10m
潜水時間 9:00〜14:45
表面水温 17.6℃
最大水深 8.6m(18.5℃)
ヤス 2又手銛 2.7m 
フィン エスカペッツ
突果 メバル 4匹 29〜23cm (自己記録)
ハコフグ 2匹
本日の食卓
【左:メバルの大葉包み揚げ】
薄切りのメバルに大葉を巻いて天ぷらに。こうするとここの筋肉質なメバル達を美味しく食べることができる。
【右:ハコフグの酒蒸し】
ビールのお供には最高の1品。広島にいないのが残念だね。
明太子スパゲッティーの海
波打ち際は一面こんな感じだったが、このくらい沖に出れば楽勝!と安易に考えてエントリー。しかし沖に出るまでが大変。海面まで伸びるホンダワラがパスタの麺のようにオレの身体に絡みつき、まるで明太子スパゲッティーの中を泳いでいる気分・・・。





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