釣行記


『完敗』

突行日 2003.7.6


朝起きて『さぁ今日もがんばるぜ!』と、背伸びをしたら、目眩がしてその場にへたり込んだ。これは潜りどころじゃないかな・・・?しかし予定では向こう2週間は海に行けない日程。今日は海に行っておかないと!そう気合を入れ直して、7時過ぎに家を出る。

現地到着は8時40分。ポイント・STは干潮時はまったく話にならないため、満潮まではポイント・HMで潜る事にした。相変わらずチヌがたくさんいるが、浅場のため警戒心が強く、近寄る事すらできない。唯一あった絶好のチャンスは、真正面から頭の一番硬い所をド突いてしまったので、ヤスが刺さらず・・・。身体に刺せば良かったかな。。。軽い脳震盪を起こした後、猛ダッシュで逃げられました。

10時30分過ぎから、ポイント・STへ移動。今日はウマヅラを突く気は全く無し。冷蔵庫に山口遠征のウマヅラがまだたくさん残ってるからね。チヌに逃げられながらもどんどん奥へ入り、水深6〜7mのメインポイントへ到着。ここは落ち込みはないけど、海底に大きな岩が重なっているなかなか雰囲気の良い場所だ。そしていくつかある中で一番大きな岩穴の中を覗くと、奥にバカでかいコブダイの顔が確認できた。

オレの顔より間違いなくでかいコブダイの頭。そして2週間前に獲ったコブダイ70cmより一回りも二回りも三回りも大きい奴の体。多分こちらには気付いているのだが、何故か穴の中で大人しくしている。・・・というよりオレには、

『オレ様を突けるもんなら突いてみろ!この小童が!』

と、言ってるようにすら思えた。岩の周りで何度も潜行と浮上を繰り返し、岩穴の形状・数を確認。作戦も立てた。

「よしっ!これならいけるかも!?」

そう思い、意を決して再びヤツの頭元を覗き込む・・・。

「何度見てもデカい・・・。こんなデカイ魚、見たことねぇぞ。。。」

頭から尻尾の先まで手尺で1mはある。(そこまで測れる余裕はあった)・・・でも、一体こいつのどこを突けばキルショットになるんだろう?

素人なりに考えても分からないので、超至近距離からエラの少し上の一番硬そうな部分に『おりゃ―――っ!!!』とフルパワーでヤスを突き刺した!!

ここまでは、まぁ楽勝なんだが・・・。

「あれ、暴れないな?」

・・・と思いながらも即座に押さえに入った次の瞬間、今まで感じた事のない強烈なパワーでヤスをガンガンと持っていかれる!!必死で押さえようとしても、そんなことはヤツにはお構いなし!前回から試用中の2本継ぎステンレス13mmのシャフトをグイングインと撓らせて変形させ、ジョイント部を曲げてヤツは逃げて行ったのでした・・・。

一体なんなんだ?あのパワーは・・・?

脱力感MAXで海面を漂っていること数分・・・。なんと今度は大型のコブダイを3匹発見!!

気を取り直し、モグデラの掲示板で栗さんにアドバイスして頂いた方法で、コブダイを岩下に追い込んでみる。すると、、、あ、2匹も同じ穴に入って行ったぞ!?こんな夢みたいな事があっていいのか!今日はビッグコブダイフィーバーだ!大きさは先程のより一回り小さいが、前回獲れた70cmの個体よりは確実にデカい!

「今度こそは逃がさねぇ〜ぞぉ!!」

シャフトの歪みを直し、息を整えて再潜行。穴を覗くと・・・、「うわっ!おった!」・・・しかもこっちを向いてるよ。。。そして次の瞬間『おりゃ〜っ!!!』と、フルパワーでそいつの頭に打ち込み、ジョイント部の弱さをカバーするために直ぐにシャフトの先端部を両手で握り、魚を強引に岩穴壁面に押さえ付けた!!

・・・が、な、なんと巨大コブダイのパワーに耐え切れず、6ミリ径のステンレスのネジ(ヤス先とシャフトの連結部)がボッキリと折られてしまい、巨大コブダイは頭に4680円のまだ2回しか使ってない土佐純正手打ち高級銛先を刺したまま、深海へと泳いで行ったのでした・・・。

マジで呆れました。ステンのネジがあんなにボッキリ折られるだなんて・・・。そしてシャフト径もこれまた見事に広がってるし・・・。あぁなんてことだ・・・(涙)!自分が非力なばかりに2匹のコブダイには大変申し訳ない事をしてしまいました。

それにしてもヤス先の付いてないヤスを持って泳いで帰るのは寂しかったなぁ・・・。

昼食後、はしけんさん達の師匠であり密良会の総帥『ミツヨシさん』とお会いするために某所へ。・・・が、どうやらミツヨシさんもヤスが壊れたらしく、早々と撤収した後みたいでした。今回もお会いできず、残念。結局予備のヤスを持って近くのポイント・ON付近で少しだけ潜り、メバルとカサゴを捕獲して上がりました。

さすがにコブダイをバラしてヤスを破壊された直後は絶望感で一杯だったけど、それが落ち着いた今、この僅か30分以内に起こった出来事により、最近少し調子に乗っていた自分の非力さを改めて痛感する事ができ、そして何よりさらなる向上心を得る事ができました。このまま引き下がるみ〜ちんではありません!武器を新調し、さらにスキルを磨いていつかきっとリベンジするぞ!




天候 曇り
『本日の突果』
透明度 5m
潜水時間 14:30〜16:15
小潮 満潮 14:10
場所 HM→ST→ON
突果 メバル 2匹  21cm、19cm
カサゴ 18cm
本日の一枚
メータークラスのコブダイにぼっきりと折られたヤスの断面。真中の白い部分はシャフト側に残ったネジ。周りはエポキシ樹脂です。
この先にはほんとはまだネジが伸びていて、ヤス先が連結してあった。
シャフト径も変な感じに歪んでる・・・これネジもシャフトもステンレスだぜ!?まだ2回目の使用だから劣化なんてないしさ。なんてパワーだ。





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