■ キジハタを突く

ある程度水深のある岩下や、磯際等の根回りにてホバリングしていることが多く、大型の個体は警戒心が強が、縄張り意識が強いせいか自分の持ち場からあまり離れようとしない。たとえ逃げられても少し時間をおいて同じ場所へ潜れば、不思議と全く同じ位置でフラフラしていることも少なくない。
これを数回繰り返した後に捕獲した例もあるように、必要なのは運と根性。(もちろんスキルがあればそれが一番・・・。)そういった面でみると捕獲難易度はそれほど高くないのかもしれないが、とにかく美味しい魚なので落ち着いて捕獲しよう。中型までなら力も弱く、比較的捕獲は容易だ。いかなるシチュエーションにおいても、焦りは禁物。複数引きのキジハタが、同じ根に番いで居ることも多い。


■ キジハタを釣る

広島の釣り師の間ではアコウという名の方がメジャーだろう。潮流の早いポイントで本虫をエサにマダイ等と同様に投げ釣りで狙うのも面白いが、もっとも簡単なのは堤防、波止からの探り釣り。一般にエサは海エビや青虫など活きの良いものを用い、ゴロ岩、捨て石等の折り重なった海底付近を探っていく。当たりがあったら岩穴に逃げ込まれる前に竿を立て、海面まで浮かそう!堤防からでも40cmクラスが十分狙える。いずれにしても基本は夜釣り。


■ キジハタを食う

上質な白身は最高に美味。刺身に塩焼き、煮付け、大型なものはフライに鍋など、なんでもGOOD!!やはり新鮮なものは刺身で食べたくなるが、基本は薄造り。ポン酢にネギと紅葉卸を入れて包むようにして食べる・・・これ最高。
残ったアラやカマの部分は塩焼きに。塩をパラパラっと振って熱いうちに食べよう!刺身で余った骨周りも焦げ目がつくまでしっかり直火で炙ると最高のおつまみに(小型に限る)。レモンや醤油はいらない。キジハタ本来の持つ旨みを存分に堪能しよう。ただし60cm近くの老成魚になると肉質は落ち、皮の硬さに大きな違いが現れる。


■ 独り言

比較的潮通しの良い、沿岸岩礁域に生息。今も昔も高級魚として市場では常に高値で取引され、幻の魚とまで言われています。フィッシャーマンでなければそう簡単には食卓に並ぶことはないでしょう。(市場価格はキロ5000円以上)
産卵期は初夏〜夏にかけて。瀬戸内でも盛んに稚魚の放流が行われています。生まれた時は両方の生殖器を持ち、幼魚時には雌が多く、成長に従い雄の割合が増えていく変わり者。成魚の大きさは平均で30〜50cm。低水温に弱いハタ科の中では寒さに強い方で、瀬戸内の冬を越せるのはハタ科の中では唯一キジハタだけ。肉食性でエビやイソメ類、小魚等を捕食し、時には共食いもする。時にイカリムシという寄生虫が体表面に付着することがあるが、食べることによる人体への影響はない。


2005.9.14 42cm&29cm 島根県 2004.10.31 48cm 島根県 2005.5.18 51cm 島根県




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キジハタ
スズキ目 ハタ科 地方名:アコウ・アカミズ
突きレベル ☆☆☆☆☆★★★★★
釣りレベル ☆☆☆☆☆☆☆★★★
美食レベル ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
遭遇レベル ☆☆☆☆☆☆☆★★★
総合評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★
※レベル及び評価は40cm級の設定です。

写真データ
2004.6.30 32cm
み〜ちん  手銛 島根県某所