お金を出して魚群探知機の付いた遊漁船に乗り、船頭の合図でピンポイントに仕掛けを下ろす。

お決まりのエサ、お決まりの仕掛け、愛着の無い土地で…。


それもそれで楽しい釣りだろう。否定する気は無い。

でもオレが目指している釣りはそんなスポーツテイストの強いものではない。


海辺に腰を下ろし、波の音を聞きながら時間を忘れ自然に溶け込む。魚との駆け引きはそれからだ。


理解し難いかもしれないが、どうしても魚を釣りたいわけではない。

魚釣りを通じて海を感じたい…ただそれだけだ。

少し極論になってしまったが、その日の釣果なんてのは後から付いてくる副産物のようなもの。

一日が楽しければそれでいい。


ウキやルアー、探りなんかもたまにするけど、やはり好きなのは投げ釣り。

あくまで基本スタイルは『のんびり』で、そのほとんどが運任せ…。

海に仕掛けを投じ、アタリが来るまでの時間を自分なりに楽しむ。

のんびりとね。

スポーツ新聞を読むこともあれば、ワンカップ片手に波の音を聞いたり、磯物を拾ったり…。

もちろん釣りだけに集中することも。


とある釣り雑誌にこう書いてあった。

「“〜ながら釣り”は釣れない!」

…って。


ふ〜ん。

何かをしながらでは釣れないって事か…。オレの釣りは思いっきり否定されている。

ま、それもそうだろう。価値観が違うからな。そんなのはお構いなしだ。


…でもオレは思う。


自分は小魚しか釣れなくても一日を心から楽しめる数少ない釣り人の一人ではないか?

“釣り”という趣味だけは、今も昔も自分の中で存在価値が変わっていない。

時間の変化に促されることなく、マイペースな釣りを楽しんできた。


このスタンス、悪くないでしょ?


海から何が上がろうと、そこにはいつも『自然』というフィールドで、魚とガチンコ勝負を楽しんでいる自分がいる。

釣りを辞めたいと思ったことは一度もない。


ヨーロッパにはこんな言葉があるそうです。



「一晩楽しみたいなら酒がある 一生楽しみたいなら釣りを覚えよ」



良い言葉だよね。




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